カブトムシは夜行性?!いつ活動してる?日中あまりみかけない理由とは?

こんにちは。ケンスケです。

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昼間、カブトムシを観察していると、いつも静かであまり動かない生き物っていう印象を受けます。

ですが、夜になると・・・、

ブ~ン、ガサガサ、ゴトッ、ギュウギュウ、ボリボリ、・・・

なにやらいろんな音が聞こえてきます。

そう、暗くなると昼間とは別人のように騒ぎ出すのです!

もう、ほんとにうるさいぐらい!

ということで、今回の記事は「カブトムシが夜間に活動する理由について」です。

ナラの木につくカブトムシ

カブトムシは夜行性?!いつ活動してる?日中あまりみかけない理由とは?

カブトムシが夜に活動する理由

 

追突注意。カブトムシ

カブトムシが活動するのは、だいたい夜間。
たまに昼間に活動している個体も見かけます。

でも、多くのカブトムシの活動時間帯は、夕方暗くなり始めてから、日が昇る直前の朝方まで。

とくに10時以降の深夜帯に多い印象を受けます。
では、どうしてカブトムシは、夜間に活発に動き回るのでしょう?

昼間は暑い!

夜間にみつけたカブトムシのメス

まずは、気温の問題
カブトムシは変温動物です。
暮らしているのは涼しい雑木林の中。

カブトムシは硬い外殻で覆われた節足動物。
あまりに体温が上がりすぎると、熱を放出する機能がないのです。(わずかに排泄物を出すことで、熱を放出できる!)

カブトムシの飼育温度も30℃を超えるのが長時間にわたると確実に弱ってしまいます

カブトムシが成虫でいる季節は初夏~盛夏の暑い盛りですよね。
涼しい雑木林といえども、日光にあたって高温になる場所も存在します。

なので、カブトムシは暑い昼間を避けて夜間活動をすることにしたのでしょう。

飼育しているカブトムシの高温対策については、こちらの記事をご覧ください。

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飼育している多数のカブトムシ

天敵が少ない!

バナナトラップのカブトムシ

生物が夜行性になる理由はさまざまです。

肉食動物は獲物に見つからないように闇夜に紛れて捕食します。
草食動物たちは、天敵に見つからない夜間にエサを食べに活動するものも。

そう、カブトムシは昆虫の中ではほとんど敵なしですが、生き物全体から見ると大きな動物には食べられてしまう存在です。

カブトムシを食べるのはタヌキやカラス、フクロウなど。
この中でも生息数が多いのがカラス
カラスは目がいいので昼間に活動することが多いのです。

カブトムシは天敵の多い昼間を避けて、夜間に活動しているともいえますね。

夜間採集をしていてイノシシに出会った話。

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熱を吸収しやすい色をしている!

 

夜の雑木林のカブトムシのメス

天敵の話をしましたが、もうひとつ。
カブトムシは天敵に見つかりにくいように、色も黒や茶、赤など、カブトムシが生息する樹皮に近い色をしています。

白っぽい色は熱を反射させることができますが、カブトムシのような黒っぽい色をしていると・・・

熱を吸収してしまう。

変温動物であるカブトムシは、日中に高温にさらされると熱を吸収して溜め込んでしまうのです。

とくにカブトムシのように小さい生物だと日に当たると急激に体温が上昇してしまいます。

なので、日光を避けて夜間に活動しているのです。

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カブトムシ大漁

待ち合わせの時間。

夜のカブトムシ

もうひとつ。重要なことがあります。
カブトムシは繁殖して次世代に遺伝子を残すためには、

交尾が必要!

ってことは、異性と出会う必要があります。

待ち合わせ場所は、樹液の出ているところ。

昼間の危険な時間(気温・天敵)に行っても、異性に出会えないかもしえません。

やっぱり出会う確率が高いのが、「夜間」ってことになるのです。

夜間、雑木林でのカブトムシたちの闘い!を描いた本を紹介。

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樹液がおいしい!

樹液をなめるカブトムシのメス

カブトムシの餌となる樹液。
樹液は昼間に葉が光合成をして作り出した糖分と根から吸い上げた水分が混ざったもの。

光合成は日中、太陽の光を利用して生成されます。
夜間にはその作り出した糖分を樹全体に送るのです。

そうなんです、夜の樹液は栄養たっぷり。
夜に樹液場に行くと美味しい(カブトムシにとっては!)樹液にありつけるのです。

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樹液に集まるムシたち

暗い時間が採集しやすい!?

バナナトラップに来たカブトムシメス

カブトムシをたくさん採集したいならやっぱり夜間のほうが確率が高くなります。
樹液や異性を探しているカブトムシの数が多いからです。

ですが、昼間も可能性がないわけではないんです!

昼間も樹液場にいることも!

昼間にカブトムシを採集できないわけではありません。
昼間に樹液場に近づけなかったカブトムシが樹液を吸いに来ている事があるからです。

夜間は強いカブトムシが樹液場を独占して、他のカブトムシが来ても追い出されてしまうこともしばしば。

そんな追い出されたカブトムシたちが、鬼のいぬ間にエサを求めてやってくるのです。

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カブトムシオス同士の闘い

夜間は外灯を狙う!

夜間に採集に行くなら「外灯まわり」がおすすめです。
樹液場に安全に行ければそれはそれでいいのですが、夜の雑木林は危険もいっぱい。

危険をあまりおかしたくないなら、雑木林近くの外灯周りを見て回りましょう。

カブトムシは外灯に飛んでしまう習性があるのです。
「正の走光性」っていいます。

詳しくは「虫が光に集まる理由」の記事をご覧ください。

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夜間の照明

 

昼間や雨の日はどこにいる?

昼間のカブトムシは高い樹の枝に!

カブトムシたちは昼間や雨の日は、涼しい安全な場所で休んでいることが多いです。

オスは樹の上の方。
枝分かれした樹の股の部分や葉の生い茂る場所でジッとしています。

メスも葉の生い茂った場所にいることもあります。
でも、多いのが樹液場の近くの枯れ葉の下や落ち葉が集められた堆肥を作っている場所。
メスはオスと違って潜るのが得意なんですね。

よく樹の根元を掘り返すとみつかるといわれますが、私の印象ではほとんどいないような気がします。

枯れ葉の多い土の柔らかい場所を探して潜っているのではないかと思います。

私、実は雨の日に樹液の出る木を見に行ったことがあります。
行ったのは、7月の夜。まだ梅雨が開けていない時期でした。

いないだろうなぁ、と思って見に行ったらびっくり。
数は少ないものの、雨に打たれながらも樹液を吸っている個体がチラホラ。

いっしょにカナブンやスズメバチ、ガも雨に濡れながら樹にしがみついていたんです。
道路では結構強い雨に感じていましたが、木の生い茂っている雑木林の中ではそれほど雨は強く感じないのです。

雨の量にもよりますが、樹液を吸いに来るカブトムシもいるんですね。

ただし、雨の日は危険もあります。
山の中や崖の近く、川の近くは危険ですので近寄らないようにしましょうね。

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カブトムシが樹にとまっているところ

外来植物が増えたため昼間も活動?

シマトネリコをかじっているカブトムシのメス

最近、おもしろい研究が発表されましたね。
なんと研究したのは小学生。

カブトムシが集まる木として知られる「シマトネリコ」
この台湾などの熱帯~亜熱帯が原産の常緑樹です。

葉が密集する常緑樹であることから庭のシンボルツリーや街路樹に人気のある木ですね。

このシマトネリコに集まるカブトムシは、夜間だけでなく昼間も活動するという自由研究を発表したのが、埼玉県の小学6年生の柴田亮さん。

あのカブトムシ研究で有名な山口大学の小島渉先生と共同で発表しています。

詳しくは、『外来植物がカブトムシの活動リズムを変化させる』(山口大学)のページをご覧ください。

カブトムシだけじゃなく、他の野生の動物も人間の生活の影響を受けて、活動する場所や時間が変わってきています。

人間の存在する地域では、動物たちも生活環境を変えられてしまう問題提起にもなっていますね。

山口大学の小島渉先生が書いた本【不思議だらけカブトムシ図鑑】を紹介!

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カブトムシのメス

最後に。

樹液を吸いに来たカブトムシのオス

昼間は静かなカブトムシ。
夜は別人のように騒ぎ出すカブトムシ。

カブトムシって独特の匂いがするんですよね。
子供のころ生き物を飼って楽しかったあの懐かしい思い出が蘇るんです。

そして、大人(おじさん)になった今。
あの頃は思いもしませんでした。

こんなに大量のカブトムシを飼っているなんて!

まぁ楽しいからいいんですけどね。
わが家のカブトムシたちは今年もまた卵を産んでくれたようです。(来年も飼育が確定しました。)

夜間の雑木林は真っ暗です。明るいLEDライトがおすすめです。


カブトムシが卵を産んだらどうするかの記事も人気です。

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カブトムシの孵化

最後まで読んでいただきありがとうございました。

カブトムシを採集に行ってみよう!

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