小説「戦士の賦 土方歳三の生と死」新選組結成から6年間を描いた作品

こんにちは。ケンスケです。

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私が最初に新選組に興味を持ったのは、ドラマ「壬生義士伝」をみてから。

たしか、年末にやっていたドラマで2~3日に分けて長時間放送されたものでした。

主演は渡辺謙さん。
渡辺謙さんが演じる吉村貫一郎の物語でした。
原作は浅田次郎さんの小説。

このときの土方歳三がかっこよくて、その後新選組の小説を読み漁りました。

そのときに読んだ小説のひとつが今回紹介する【戦士の賦 土方歳三の生と死】上下巻(三好徹著)です。

すごく読みやすく、すぐにその小説内に入り込めたのをよく覚えています。

まだあんまり幕末や新選組に詳しくない時期に読んだのですが、順を追って事件や出来事を網羅していくので、流れを理解するのに役立ちました。

しかも、おもしろい!

ぜひおすすめしたい小説ですよ。

小説「戦士の賦 土方歳三の生と死」新選組結成から6年間を描いた作品

こんな人におすすめです。
新選組が好きな人。
土方歳三が好きな人。
新選組の興亡が気になる人。
幕末好き。
読みやすい新選組ものを探している人。

新選組を結成して5年。旧幕府軍として1年ちょっと。

新選組の隊服

物語は近藤勇の試衛館からはじまります。
当時の歳三は、「自分が何になるのか。何をしたいのか。どうしたらいいのか。」わからず、日々仲間たちと過ごしていました。

そして盟友の近藤勇は、幕府の講武所(武術を教えるところ)の教授方になれず、鬱屈した日々を過ごしていました。

そこから「浪士組」が結成され、あれよあれよと「新選組の誕生」にいたるわけです。

ここからが、土方歳三の「生」がはじまります。

江戸の試衛館時代の物足りない日常から激変し、一転激動の5年間。

新選組って、実は5年間しか活動していないんです。

結成が1863年。
鳥羽伏見の戦いが1868年。
[その後、新選組のあとの組織「甲陽鎮撫隊」(こうようちんぶたい)になる。]

鳥羽伏見の戦いのあとは、戊辰戦争へと突入します。

この6年ちょっとの間に日本ではさまざまな事件が起きますよね。
まさに「激動の時代」

小説では、新選組側から見た歴史的事件を詳細に解説しつつ、土方歳三の「生」を描いていきます。

複雑な時代背景ですが、非常にわかりやすく書かれているので、いまいち「幕末はわからん!」っていう人にもおすすめです。

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幕末を「生」きた土方歳三。

青空にたたずむ歳三像

歳三の本領は「新選組副長」となって発揮されます。

局長・近藤勇を支える。
空中分解しそうな組織を束ねる。
適切な人材登用。
新選組を幕府・会津・世間に認めさせる。

大雑把にいえばこんな感じでしょうか。

歳三は新選組を束ねることによって自分の「生」を感じていたのかもしれませんね。

さらに!

新選組がなくなっても歳三は「生」きます。
戊辰戦争では、実践を経験した指揮官が少ない旧幕府軍のなかでも、歳三の能力はピカイチ。

これ以上はネタバレになりそうなので書きませんが、かっこいい土方歳三が見られます。

井上源三郎資料館はJR中央線日野駅のすぐそば。

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盟友を支えることに命を賭けた。

高幡不動尊の土方歳三の像

「江戸撃剣師匠」という肩書がお似合いの近藤勇
似つかわしくない「政治家」になっていく近藤勇を歳三は支え続けます。

さらに、敵と正々堂々と尋常に立ち合いたい沖田総司。
「剣術」を極めた沖田総司に「剣の道」に外れた指令を出さざるを得ない歳三の葛藤

新選組と近藤勇を守るために起きる出来事。
仲間との確執や説得。別れ。

「鬼の副長」といわれながらも仲間を思い、仲間を守ろうとした歳三の姿はやっぱりかっこい~のです。

雪の五稜郭

そしてもうひとつのみどころは、

歳三の孤独の戦い。

自分が倒れても仲間を守ろうとした歳三が戦い続ける姿をぜひ読んでほしいのです。

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近藤勇白書タイトル

わかりやすくて読みやすい小説。

函館にある土方歳三の像

基本的に経過を順に追っていく形で物語は進んでいきます。
事件や出来事も「史実」(といわれている)に沿って進められていきます。

人称も基本的に歳三目線なので、わかりやすく、読みやすい作品になっているのが特徴でしょうか。

ただし、作者独自のエピソードも入っています。
具体的に指摘するのはやめておきますが、私は読んでいて「本当にあったらおもしろいな!」って思いました。

新選組に詳しい人は「作者の独自エピソード」探してみてくださいね。(すぐわかると思いますが。)

作品は上巻・下巻に分かれていて長編になっています。
ですが、全然長く感じません。

読みやすいからなのでしょう。
むしろ、もっと読みたい気持ちになっているぐらいですよ。

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幕末新選組タイトル

最後に。

歳三最期の地

「土方歳三」主役の小説はたくさんありますね。
作者さんそれぞれで、み~んなちょっとずつキャラクターが違うところがおもしろいです。

歳三だけじゃなくって、他のメンバーの性格もずいぶん違うので同じ人物を描いていても楽しめるのが、新選組小説なのです。

だから、次はどんな土方歳三に出会えるのか楽しみにしながらいろんな小説を読めるんですよね。

ぜひぜひたくさんの新選組小説を読んでみてくださいね。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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