本土産クワガタの幼虫。冬(越冬)の管理方法と気をつけること。

こんにちは。ケンスケです。

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この夏に飼育していたクワガタが卵を産んで、

「幼虫が生まれた!」

っていう人もいると思います。

基本的に冬季のクワガタの幼虫の飼育方法は、他の季節と変わりはありません。

ですが、少し気をつけてほしいところもあります。

今日はクワガタの幼虫「冬季の飼育管理方法」について紹介していきましょう。

越冬前のヒラタクワガタの幼虫

本土産クワガタの幼虫。冬(越冬)の管理方法と気をつけること。

※本記事は本土産のヒラタクワガタ・ノコギリクワガタ・コクワガタ・オオクワガタを想定して執筆しています。
高地性のクワガタや離島産の種、外国産のクワガタについては当てはまらないこともあるのでご注意ください。

本土産クワガタの幼虫の活動温度

飼育しているノコギリクワガタの幼虫

クワガタの幼虫が生息できる温度は、

0℃~30℃

けっこう、広い温度帯で生息しています。
とくに低温に関しては強いといえるでしょう。

気をつけてほしいのが夏季です。
最近では気温が30℃を超える日も少なくありません。

一時的(短時間)超えるぐらいなら大丈夫なことが多いですが、長時間になると心配です。

夏場の乗り越え方についてはこちらの記事を参考にしてみてくださいね。

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飼育している多数のカブトムシ
記事はカブトムシを対象にしていますがクワガタの幼虫にも当てはまります。

越冬状態になる時期・温度

夏に生まれた本土ヒラタクワガタの幼虫

クワガタの幼虫の生息できる温度は0~30℃ぐらいということは述べました。

では、越冬状態になる温度はどれくらいになるのでしょうか?

15℃を下回る・・・活動が低下。動き回る&食べる量が減る。
12℃を下回る・・・さらに活動が低下。ほとんど食べなくなる。
10℃を下回る・・・ほとんど動かずにじっとしている。「越冬状態」

基本的に10℃を下回ると越冬状態(冬眠状態)といっていいでしょう。(東京では11月中旬ごろでしょうか)
逆にこれより上回ると越冬状態から覚めてエサを少しは食べることになります。

冬季に加温してエサを食べさせ、幼虫を大きくする方法もあるのですが、難しい点もあります。

①早期羽化
加温してエサを食べさせていると早く大きくなり、早めに蛹になってしまう。
結果的にあまり大きくならない。
②セミ化
越冬状態に入らせず、さらに蛹化させない絶妙な温度管理をすることでクワガタの大型化を狙う飼育をしていると、2~3年も蛹になれずやがて死んでしまう。

こういった問題も発生しやすくなるため、まずは冬季の加温をしない状態で飼育してみることをおすすめします。

本土産のクワガタは低温には強いのですが、気をつけてほしいことは、

凍結させない!

幼虫の身体の多くは「水分」です。
クワガタ飼育で使われるボトル内部は、外部の温度よりも2℃ぐらい高いといわれていますが、寒冷地方で飼育されている人は屋内でも注意が必要です。

冬季の飼育管理のポイント

クワガタ幼虫に使用する菌糸ビン

冬季の幼虫飼育について考えてみましょう。
それほど難しくはないので実践してみてくださいね。

気をつけることは3つ!

本土産クワガタの幼虫飼育に関しては、成虫ほど気を使う必要はありません。

凍らせない。
乾燥させない。
安静にする。

これらに気をつければそれほど神経質にならなくても大丈夫なはずです。

凍らせない。

クワガタの幼虫を屋外で飼育している人は少ないと思いますが、寒い地方では気をつけましょう。

また、暖房が直接当たる場所は温度変化が激しくなりやすいので避けてください。
暖かすぎる部屋に置いてしまうと「早期羽化」になることがあります。

早い時期に羽化してしまうだけなので、大きさを気にしなければ問題ありませんが、小さい成虫になる可能性があります。

乾燥させない。

菌糸ビンでの飼育では必要ありません。
ただし、菌糸ビン飼育では15℃前後でキノコが発生してしまうことがあります。
出てきた場合は根本から取り除きます。
(放っておくとキノコに栄養をとられる)

マット飼育の場合は、表面が乾燥していたら霧吹きなどで加湿します。
乾燥しにくいようにフタに不織布(ふしょくふ)や新聞紙を挟んでおくといいでしょう。

加湿についてはこちらの記事も参考にしてみてくださいね。

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羽化後掘り出したオオクワガタオスの新成虫


安静にする。

できるだけ冬季には、

マット交換や菌糸ビン交換は控える!

注意が必要なのは、幼虫が越冬状態(気温が10℃以下)のときに、無理やり掘り起こしてしまうことで、急激な環境変化が起こります。

活動が低下しているときの急な環境変化は、幼虫に大きな負担をかけます。
とくに秋に生まれたばかりの小さな幼虫の場合は、マットや菌糸ビンの激しい劣化がない限りは避けたほうが無難です。

ということは、冬になる前、できれば10月後半ごろに交換しておきたいですね。

保温・加温は必要?

オオクワガタの幼虫

本土産クワガタの多くの種の場合は、

保温・加温の必要はありません。

当たり前ですが、日本の風土に適応しているからですね。

ただし、大きく育てたい!レコードを狙いたい!という人は必要です。

先程述べた通り、越冬状態に入ってしまうと基本的にエサを食べなくなります。
クワガタ飼育のベテランの人たちは、絶妙な温度管理をして幼虫を完全な越冬状態にさせないのです。

かといって、温度を上げすぎると「早期羽化」になりやすいのです。
大きさを競うベテランの方たちは自分の飼育環境や種類に合った温度・飼育環境・エサの組み合わせを日々研究しているんですね。


冬眠から目覚める時期

越冬から目覚めたノコギリクワガタの幼虫

気温が15℃を超えてくるようになるとエサを食べ始めます。

ですが、一度越冬状態に入ってしまうと気温が18℃ぐらいまで上がってくるまで目覚めない個体も多いです。

5月~6月ごろ

この時期になると活発にエサを食べます。

なので、越冬中に劣化したマットや菌糸ビンを交換するのは、

3月後半~4月ごろ

がいいですね。

前年の早い時期に生まれた個体や成長の早いメスなどは、5月~6月ごろには蛹室を作り始め、蛹になる準備をします。

蛹室を作る時期に劣化したマットや菌糸ビンを使用していると「羽化不全」のリスクが高まります。

越冬状態から目覚めている様子(移動しながらエサを食べている)があれば、速やかに交換しておいたほうがいいでしょう。

越冬後の管理方法についてはこちらの記事も参考にしてみてくださいね。

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ヒラタクワガタのメス

最後に。

アカアシクワガタのメス

本土産クワガタの幼虫の越冬飼育における管理について紹介してきました。
幼虫の越冬はクワガタの成虫に比べて生存率が高いので、初めてでもうまくできるのではないかと思います。

いちばん気をつけたいのは、越冬明けのマット交換です。
なかなかどのタイミングで行っていいのか分からないことが多いですよね。

迷ったら、その時の気温を気にしてみてください。
15℃から18℃あれば交換してみましょう。

冬が明けたら蛹になる時期も近いはず。
立派な成虫を育ててみてくださいね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

クワガタ成虫の越冬セットの作り方。

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