ノコギリクワガタの休眠期間が長い理由と管理の方法

ケンスケです。

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先日、2018年秋に生まれたノコギリクワガタが無事、羽化していました。

(ノコギリクワガタが羽化していたと同時に幼虫だった記事)

でも、まだ休眠中のため、ほとんど動きがありません。
ちょっと掘り出すのが早かったかもしれませんね。

 

ノコギリクワガタ羽化したて

ノコギリクワガタは休眠期間が長いといわれています。
羽化した時期によっては、1年以上になることも!

ノコギリクワガタの幼虫を初めて飼育した方は、

「羽化したのに動かな~い!」って不安になってしまいますよね。

ということで、

ノコギリクワガタの休眠期間が長い理由と管理の方法

さぁ、いってみましょう。

ノコギリクワガタの休眠期間が長い理由

結論

ずばり!

『成虫の活動期間が短いから!!!』

以上!

・・・・・・・。

というわけにはいかないので、詳しく解説します。

休眠期間が長い理由を考えるには、ノコギリクワガタのライフサイクルを知っておくことが必要ですね。

ノコギリクワガタの成虫は一般的には

「越冬しない」

といわれています。

私も夏場よく採集に行って、ノコギリクワガタをゲットしていました。

夏の間は元気に飼育したり、繁殖させていてもやっぱり秋が深くなると寿命を迎えてしまうんですよね。

だから、ノコギリクワガタもカブトムシのように1年でサイクルしていると思っていたんです。

でも、繁殖に取り組んでみて分かったこと。

成虫になるのに1年以上もかかる!

国産のノコギリクワガタやミヤマクワガタの成虫が活動している期間はだいたい3か月。長くても6か月くらいです。

しかも、活動できるのは主に梅雨時期から夏場、初秋(夏期間)ごろまで。

かなり限定的ですよね。

ってことは、

繁殖するためには、この夏期間に成虫になって、しかも性成熟していなくてはなりません。

性成熟・・・成虫になってから繁殖するまで2~3か月かかる

夏期間といっても6月初め頃から10月ごろまでの約4か月あります。

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クワガタのメス

オスとメスが出会って、交尾をしてメスが産卵する。

こんな機会も自然界では天敵の存在もあって、あんまり豊富ではないはず。

ってことは、

初夏に運よく産卵できた個体、10月にやっと産卵できた個体で4か月ものタイムラグができるわけです。

実は、これが休眠期間が長い理由なんです。

越冬が可能な「オオクワガタ」「ヒラタクワガタ」「コクワガタ」などドルクス系といわれる種類は、1年以上成虫として活動できる期間があります。

そのため、越冬できないノコギリクワガタやミヤマクワガタほど活動時期を合わせなくても、羽化時期の異なる成虫どうしも出会う期間が生じます。

なので、ドルクス系のクワガタたちは、国産ノコギリクワガタやミヤマクワガタよりも短い休眠期間で済むのかもしれませんね。

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そもそも、休眠期間って?

ノコギリクワガタの蛹

休眠期間は

蛹から脱皮して、活動を開始するまでの期間
蛹室の中でじっとして動かず、エサも食べないで過ごします。
羽化して間もなくは外殻も固まっておらず、体内でも動けるようになるまで時間を要します。ヒトの首が座るまでの期間みたいなものでしょうか。
外殻が固まってからも、活動に適する気候になるまで動かないことで消耗を抑えていると考えられています。

休眠期間で、活動時期を調整しているんですね。

ノコギリクワガタの場合、

一時発生個体群
秋から冬に羽化した個体は、
1年近く休眠期間をとって翌年の初夏ごろから活動を開始して子孫を残します。
二次発生個体群
春の初めのころに羽化した個体は、
休眠期間を短くとって盛夏に活動することで子孫を残します。

おお、うまくできてますね!

羽化したノコギリクワガタ

ってことは、今回3月に掘り出してしまったノコギリクワガタ。

ちょっと早かったかも!

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休眠期間の管理方法

基本的に休眠期間中は、そっとしておきましょう

私が得意の

「ほぼ放置」

でいいと思います。

休眠期間は、身体が固まったような状態で、あまり大きく動くことができません。

蛹室から出してしまった場合や人口蛹室で羽化した場合は。

ノコギリクワガタの休眠管理

飼育マットをケースに少し深めに入れます。
このとき、マットは固める必要はありません。マットに潜りやすくするためです。

追記
休眠中のクワガタをマットで軽く埋めてあげる方法もあるようです。私は酸欠になりそうで心配だったのでやりませんでしたが。

上部に枯葉やハクスチップで起き上がれるようにしておきましょう。(ただ、あまりデコボコしていると休眠中のクワガタがひっくり返って起き上がれなくなる可能性もあるので注意が必要です。)

私の場合は、マットにノコギリクワガタを置いて、その上にそっと枯葉をのせることにしました。

そして、

そっと温かく見守ること

このときに触ったり、動かしたり、刺激することで余計なストレスやエネルギーを消耗させてしまい、活動前に寿命を迎えてしまうこともあるためです。

無理に活動させようとすると、身体がうまく動かないのでひっくり返ってしまう個体もいます。転倒すると起き上がれない可能性もあります。

加湿も忘れずに。

「ほぼ放置」といっても、乾燥しすぎは禁物です。
たまには水分補給も大切です。(湿らせすぎるとカビが発生します。経験済み)

温度は凍らないように。

私の場合、室内の常温飼育で管理しています。
冬季は凍らない温度で暖房なし(5℃~12℃くらい)です。

春以降は暖かい日も増えてきたら、エサとなる昆虫ゼリーも入れておきましょう。

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活動開始後の管理

休眠期間も充分にとって、気温20℃を超える時期が増える5月後半から6月になってくると自力で蛹室から出てきます。

この時のエサ切れを抑えるために、たまに昆虫ゼリーの状態を確認しておきましょう。

無事にエサを食べてくれたら、育成成功ですね!

これまた、繁殖させるのもよし。飼育ケースで観賞するのもよし。友達や家族に自慢するのもよし。

ノコギリクワガタの繁殖の記事や羽化に成功した記事も読んでみてくださいね。

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最後に。

同じメスから同時期に孵化したはずの個体。

ノコギリクワガタ3令幼虫

まだ幼虫ですね。
同じ環境で、同じマットで育てたはずなのに、こんなに成長速度が違います。

ノコギリクワガタ幼虫アップ

もしかしたら、同時期に

羽化→活動開始

になると、同腹で交配してしまう可能性があるから避けているのでしょうか。

今、まだ幼虫でいることを考えると、休眠期間を経て今夏の活動開始はなさそうですね。
来年、立派な成虫になって出てきてくれることを祈ります。

ということで、

ノコギリクワガタの休眠について偉そうに語ってきましたが、一応断っておきます。
繁殖の仕方や飼育の方法などは、私の経験とやり方を紹介しています。飼育されるときはご自分の判断と責任のもとでやってくださいね。うまくいかなかったときの責任は取りかねます。m(__)m

ノコギリクワガタの繁殖は

「意外と簡単」

と思っていましたが、

手強い!

なにせ、3年越しですからね。
中学生や高校生だったら卒業しちゃいますよ。

その分、元気な成虫が出てきてくれたらうれしいものです。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

羽化したノコギリクワガタ
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