小説「新撰組」童門冬二著。架空人物が暗躍!時流を読むのにも最適

こんにちは。ケンスケです。

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新選組を題材にした小説はたくさんありますね。
どれを読むか迷っている人は多いことでしょう。

今回は私が最近読んだ小説「【新撰組】童門冬二著」を紹介していきたいと思います。

この本は何年も前に読んだことがある小説。
ですが、当時、新選組や幕末の小説をたくさん読み漁ったせいか、あまり印象に残っていませんでした。

年末の大掃除のときに見つけて、また読み返したところ・・・

おもしろい!

他の小説では出てこない架空の人物が近藤勇や土方歳三の前に立ちはだかり暗躍したり、他の小説では見せないような副長・土方歳三がみられたり。

新選組好きな人も新選組小説を初めて読む人も楽しめる小説です。

小説「新撰組」童門冬二著。架空人物が暗躍!時流を読むのにも最適

こんな人におすすめ!
新選組マニア
幕末を詳しく知りたい。
新選組隊士・松原忠司が好き。
新選組小説の初心者

時流に流される新選組

舞台はまだ試衛館一同が江戸でまだくすぶっているところから始まります。
近藤勇はじめ土方歳三、沖田総司などなど後に京都を震撼させるメンバーが将来の希望を持てずに試衛館で過ごしていました。

そんな中でも江戸幕末期はたくさんの事件が勃発して、時代が動いています。

ここで現れたのが清河八郎。
清川の画策で将軍警護の「浪士組」(ろうしぐみ)が結成されると試衛館一同の生涯は一気に動き始めます。

小説では、

浪士組設立
8月18日の政変
禁門の変(蛤御門の変)
第1次長州征伐
第2次長州征伐
大政奉還

歴史的な大きな事件について、背景から新選組のとった立場まで詳しく書かれています。

時系列で描かれていくので、よくわからなくなりがちな各藩の事情や朝廷、幕府の動きも詳細に捉えていきます。

新選組が結成してからの大きな出来事を理解しながら読み進めていくことで江戸幕末をよりいっそう楽しむことができますよ!

架空のキャラがいい味だしてる?

小説の中でおもしろいのが、童門冬二作の架空のキャラクターたち。
この人物たちが物語をメチャクチャおもしろくしているんです!

車一新(くるまいっしん)
藤(ふじ)
市作(いちさく)

もちろんオリジナルなので他の小説を読んでもこれらの人物は出てきません。

この人物たちがどう物語に関わってくるかは、読んでみてのお楽しみです。

新選組隊士のエピソード(小説)をもっと読みたい!ってひとは⇒門井慶喜「新選組颯爽録」は隊士たちの人柄・心情を鮮やかに描いた作品

独特な人物設定

もうひとつみどころがあります。

人物設定が独特なところ!

多くの小説が「土方歳三は冷静で顔色を変えない。」というスタンスをとっています。

ですが、この小説の土方歳三はニコニコしているんです。

もうひとりは、松原忠司
新選組の柔術師範として四番隊長にもなった人物。

この人物も物語でいい役割を果たしています。
他の新選組小説でも松原忠司は登場しますが、これほど詳しく書かれている小説は少ないです。

沖田や斎藤、永倉や原田といったメジャーどころの隊士とは違ったエピソードをもつ松原忠司。
山南敬介との関わり合いも含めておもしろいと感じましたよ。

近藤勇の人柄

物語の中心人物は、土方歳三や松原忠司であることが多いのですが、全体的に新選組の活動に焦点が当てられています。

そこで自然とみえてくるのが近藤勇の人柄。
近藤勇も小説によって大きく性格が違うことが多いですよね。

この小説の近藤勇は、「男気のある武士」といったところでしょうか。

近藤勇の出自は、ご存じの方も多いかもしれませんが、

多摩の農民

そして、天然理心流を継いだ人物です。

天然理心流は多摩地域の剣術。
その多摩地域には「八王子千人同心」(はちおうじせんにんどうしん)という半農の武士たちがいました。

近藤勇はこの八王子千人同心のこころをもって新選組を率いていくのです。

八王子千人同心はもとは甲州の武田家の家来たち。
武田家滅亡後、八王子にいた家来たちを徳川家が養いました。

それを恩に感じた旧武田家の家臣たちは、八王子千人同心を結成して、徳川家のピンチのときに立ち上がる教えを子孫に残していたのです。

そういう経緯があって、最後まで徳川家に尽くす選択をした新選組を率いた近藤勇

江戸の無血開城、元将軍徳川慶喜の恭順、これらによって近藤勇の戦意が失われていったのもうなずけるような気がしますね。

八王子千人同心について詳しく知りたい人はこの施設がおすすめです。

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最後に。

数ある新選組小説の中でも童門冬二著の【新撰組】は読みやすい小説です。

歴史背景をしっかりと描きながらも、説明だけにならず、物語性も継続させているのです。

「大政奉還」後の成り行きはずいぶんと割愛されている印象ですが、詳しく解説するところと軽く飛ばすところがはっきりしています。

そのために全体的に間延びせずにしっかりと物語が続いていく印象です。

「誠」の武士たちの生涯をぜひ読んでみてくださいね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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