こんにちは。ケンスケです。
子供の頃、虫取り少年・少女だった人も多いハズ。
そんな子どもたちが夢見るのが、「昆虫学者」。
やたらと虫に詳しい子供っていますよね。
そんな子供は「むし博士」なんて呼ばれたりします。
私も子供の頃、虫の図鑑を与えられて何度も何度も読み返していた記憶があります。
図鑑に載っている虫を捕まえたくて、自宅の敷石を引っ繰り返して「なんかいないかなぁ~」なんて探していた記憶が蘇ります。
今回は、そんな虫好きの少年・少女が憧れる「昆虫学者」の本を紹介しましょう。
「昆虫学者」の本といっても、【ファーブル昆虫記】のように虫だけを紹介したものではありません。
「昆虫学者」ってこんなことしてるんだ~!
っていう本です。
虫好きの少年・少女だけじゃなくって、虫が好きじゃない人にも楽しめる本です。
地球環境について注目されている昨今、環境問題とも繋がりのある話題も多数収録されていて、非常に興味深い内容でした。
おもしろい本なので、ぜひ呼んでみてくださいね。
『【昆虫学者はやめられない】「昆虫学者」の生態がおもしろい本!』
○昆虫学者ってどんな職業?って知りたい人。
○虫が好きな少年・少女
○地球環境問題について興味がある。
○外来生物についても知りたい!
○今は虫嫌いだけど、昔は虫が好きだった!
「昆虫」じゃなくって「昆虫学者」の生態
↑羽が退化して飛べない蛾
著者の小松貴先生は、「昆虫学者」。
そんな昆虫学者の書いた本だから、昆虫のことばっかりが書いてあるかと思ったら大間違い。
両生類のカエルやら鳥類のカラスやら、哺乳類のリスのことまでいろんな生き物の話が書いてあります。
それらの話は、小松先生が日常を過ごす中で出会った動物たちとのふれあいの話。
昆虫たちを研究する中で出会った動物たちの話です。
そんな小松先生の日常を語るエッセイ的な内容が中心で、おもしろおかしく「昆虫学者はこんなことをしているんだぞ!」っていう話になっていきます。
これから昆虫学者を目指す人や自然に興味のある人、自然の多い地域で育った人は、共感できるようなお話ばかりです。
なにより興味深いのは、今まで知られていなかった未知の生物である「昆虫学者」の生態。
私たちが目にするのは、テレビやラジオ、本の中でみんなが知らないような虫たちの生態を華々しく語る姿ばかり。
でも、実際の昆虫学者の生態はなかなか知られざるものでした。
この本では、そんな「昆虫学者の生態」をおもしろおかしく語っています。
読んでいて、その姿を想像すると楽しくなってくるものばかりなんです!
虫嫌いでも楽しめる生き物の本
表題は【昆虫学者はやめられない】ってなっていますよね。
どうしても、虫に関することばかりだと思いがちです。
私は虫はちょっと~
足が四本以上あるとちょっとムリ~
なんて人も多いハズ。
でも、この本は虫に関することばかりじゃないんです!
カエルやリス、カラスと昆虫学者の闘いや昆虫を探しに冷たい川へ入っていく話、真冬の雑木林に深夜出かける話・・・などなど
スリリングでおもしろい話は、子どものころ読んだ冒険小説を思い起こさせるようです。
他にも、開発と虫の生息環境の話、外来種と在来の絶滅危惧種との話など現代で私たちが目を背けてきた問題にも警鐘を鳴らしています。
生き物との関わりを語ることで、現代社会に問題提起をしてくれてもいるんですね。
もちろん、昆虫好きな人にも満足いく内容です。
トビケラの話やメクラチビゴミムシ、フユシャク(冬に活動する蛾)などの生態は、昆虫好きにはたまらないおもしろい話ばかりです。
将来、昆虫学者になりたい人へ
結局、どんな本かというと、副題にもある通り、
「裏山の奇人、徘徊の記」
昆虫学者って、研究にもよると思うのですが、基本的にフィールドワークが必要なんですね。
ときには、雑木林に這いつくばったり、危険な洞窟に足を踏み入れたり。
そんな姿は、知らない人がみたら「変な人」に見えてしまうかもしれません。
私は昆虫学者ではありませんが、実は雑木林にクワガタ採集に行ったときに、お巡りさんに声をかけられたことが・・・。
そのときの姿は、
真夏なのに白い長袖シャツ。
頭には白いタオル、その上にヘッドライト。
軍手をした手にはLEDの懐中電灯と捕虫網。
肩にかけたカバンには、ルアーケース。
軍手も虫刺され対策で、ルアーケースは採集したクワガタを入れる用。
明らかに怪しいですよね。
私がお巡りさんでも声をかけたことでしょう。
でもね、きちんと全部説明して、持っているものも全部見せたら納得してくれましたよ。
クワガタを運良く採集できたのも良かったのかもしれません。
(他にも昆虫採集での怖い体験もありました!⇒真夏の夜の…クワガタ・カブトムシ採集での恐怖体験・イノシシの対処法! )
まぁ、そんな楽しい経験もありつつ、昆虫学者さんたちはフィールドワークをしているんです。
【昆虫学者はやめられない】では、野外調査の他にも昆虫学者の仕事として、「タイプ標本」を見に行く作業が紹介されています。
簡単にいうと「種」として認められた最初の標本を調べることです。
本の中では、「昆虫学者」がどんなことをしているかも知ることができますよ。
見える人には見える!!!
私が本を読んでいて印象に残ったのが、
見える人には見える!
っていうところ。
今まで野外でなかなか見つからなかった虫が、その生態が分かると続々見つかることがあるというのです。
また、成虫で越冬するトンボを探しに行く話があるのですが、これもおもしろい!
そのトンボは枯れ木の枝に擬態して、ジッと動かないでいるんです。よ~く見ないとわからないぐらいに擬態しています。
それを見つけにいくお話です。
なんか物事って、ちゃんと見ていないと見えないのに、気をつけてみるとよ~く見えたりするんですよね。
私もたまに昆虫採集にいくことがありますが、最初のうちはなかなか見つからないんです。
でも、何度かフィールドにいくうちに見つけるポイントが分かってくるのか、見つけられる確率が増えてくるように思います。
最後に。
【昆虫学者はやめられない】を読んで感じたのは、著者の小松貴先生の熱量。
流れるような文体で、時折おもしろい比喩を入れながら語る文章は読みやすくておもしろいのですが、その行間から生き物にたいする情熱が垣間見えます。
情熱をもって語る人の話はおもしろい!
虫嫌いの人も彼の本を読んだら、虫に興味が湧いてくるんじゃないかと思うような本でした。
読んでいて、虫とり少年だった子どものころを思い出してしまいました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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