信長配下の武将たちの性格分析。【信長軍団に学ぶ処世の法則】

こんにちは。ケンスケです。

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あの【信長の棺】の著者・加藤廣がビジネスマンに贈る処世術を書きました。
それも、信長軍団を題材にしているんです!

【信長軍団に学ぶ処世の法則】

著者の加藤廣さんはもともと山一證券に勤めていたサラリーマン。
その後、経営コンサルタントを務めていた経歴の持ち主です。

なかなか面白そうな本でしょ。

織田信長の配下には、

①もともと織田家に仕えていた武将。
②信長が見出して召し抱えた武将。
③領土を広げる過程で傘下に入った武将。

大きく三つに分けられます。

その中には、

〇処世がうまく要領がいい人
〇まじめで上司の言うことを誠実に実行する人
〇自分の優位を保とうとする人
〇能力があって、上司に疑問をもつ人

などなど、いろいろな人物がいました。

組織が大きくなるといろんな性格の人がいるんですね。

ビジネスマンの処世術を信長軍団に当てはめてみたところがおもしろいですよ。

私が読んでみておもしろいと感じたのは、信長配下の武将たちの性格や行動がよく分析されているところでした。

信長配下の武将たちの性格分析。【信長軍団に学ぶ処世の法則】


こんな方におすすめです。
〇怖い上司に悩んでいる。
〇職場の人間関係がつらい。
〇信長軍団の人事を知りたい。
〇企業の人事部に勤めている。
〇リーダーで部下をどう動かすかについて悩む。
〇加藤廣の戦国ワールドのファン

それでは、いってみましょう。

どんな本?

はてな

一種の自己啓発の本です。
これから就職活動をして、入社を控えている方や現在大きな組織で行き詰まりを感じている方にとっては、勉強になる本ですね。

組織のリーダーや人事部の人も読んだら勉強になりそうです。

でも、私が読んだ時にはそういう状況ではありませんでした。

そんな人がこの本を読むときは!

織田家の武将たちの性格分析

としての方が断然おもしろいです。

【信長軍団に学ぶ処世の法則】で取り上げられている武将は6名。

織田信長
柴田勝家
羽柴秀吉
荒木村重
明智光秀
佐久間信盛(ほか林秀貞)

それぞれの武将たちの生涯を通じてのエピソードを織り交ぜて、戦国時代の成果主義・能力主義に疑問符を投げかけています。

これらは「本能寺三部作」(【信長の棺】【秀吉の枷】【明智左馬助の恋】)のキャラクター設定にもなっているんですね。

「本能寺三部作」の予備知識として、補完知識として楽しめる作品になっています。

本能寺三部作の紹介記事はこちらからどうぞ!

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私が印象に残ったのは、荒木村重と明智光秀の謀反の理由についての記述ですね。

まだ読んでいない方のために詳細は避けますが、当時飛ぶ鳥を落とす勢いの織田家で重用されていた両者が謀反を起こした理由を解説しているところは、充分に説得力がありました。

信長配下の武将を参考にした「歴史に学ぶ処世術」やこれからの日本における「組織のあり方」なども書いてあります。

元サラリーマン・元コンサルタント・歴史小説家。
ビジネスにも歴史にも詳しい著者が語る組織での処世術も一読の価値がありますよ!

リーダー・織田信長を分析

金の信長像

よくなにかの企画でありがちな「理想の上司」歴史人物編などで上位にランクインする織田信長。

実際には「理想の上司」だったのでしょうか?

信長は成果主義・能力主義を掲げて後に活躍する武将たちを見出したことでも有名ですね。

さらに、鉄砲を用いた近代的な戦術を取り入れたり、経済的にも「楽市・楽座」を用いたり、と先見性にも富んでいたといわれています。

【信長軍団に学ぶ処世の法則】では、それらを詳細に検討されています。

幼少期の境遇からくる精神的な問題
権力を手にしたことによる驕り

こういった観点から信長の欠点を分析しているんですね。

そう、著者は本書の中で

現代人は信長を過大評価している!

と述べているんです。

異論や反論はあると思うのですが、なかなか聞かないような視点で説明しているので、信長を詳しく知っていくのにおもしろい説かもしれません。

信長の幼少期や性格を行動から分析していくと、信長の上司としての像が見えてくるんですね。

「天魔」信長をつくったエピソードも入っている小説【信長の血脈】も一緒に読みたい!

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清州城とタイトル

愚直だった?!柴田勝家

柴田勝家像

柴田勝家は、信長が尾張を統一する前から仕えた古参の武将。
信長軍団の中では、譜代(何代にもわたって仕えてきた)の家臣です。

いわば、織田家における年功序列を象徴するような武将として例えられています。大企業における「中高年組」として分析されていますね。

柴田勝家は織田家を大きくするために功績がありました。

「俺たちが頑張ったから織田家は大きくなった!」

という自負もあったことでしょう。

それが、織田家の領土が大きくなったことで、まず現れたのが外様(織田家とは縁遠かった者)の存在。

荒木村重は、織田家にいきなり50万石で召し抱えられます。
中途採用ながらも当時の織田家の中でいきなりトップに躍り出るわけです。

さらには、明智光秀や羽柴秀吉といった勝家よりも新しく入った新入社員たちも手柄を挙げて追い抜いていきます。

勝家にとってはやっぱりおもしろくはないですよね。
ですが、勝家は愚直にも信長の命令を実行し続けることで、信長にも認められ、秀吉や光秀に肩を並べることに成功。

さらに、勝家は部下を大事にしたと著者は語っています。
「賤ケ岳の戦い」のあと、勝家の本拠・北庄城が落ちるとき、部下を逃がそうとします。
ですが、勝家を慕っていた部下はだれ一人逃げなかったといいます。

著者・加藤廣はなかなかの勝家びいきといえるでしょう。
年功組(勝家)と抜擢組(秀吉)の競争やそれを裁く信長の話もおもしろいですよ。

部下にも慕われた柴田勝家の姿を描いた短編小説『冥土の茶席 井戸茶碗「柴田」由来記』も収録されている【神君家康の密書】も一緒に読みたいですね。

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神君家康の密書

絶妙の処世術・羽柴秀吉

 

「人たらし」の秀吉といわれますね。本書では抜擢組の象徴として語られています。

実際、秀吉は相手の心に入り込んで味方につけるのがうまかったのでしょう。
周囲を味方につけることで幾度もあった窮地から救われている印象です。

それは自分の上司だった信長にも存分に発揮していました。

自分の手柄を誇大にアピール。
信長には贈り物を欠かさない。

さらに勝家との確執でもうまく立ち回ることで、信長からのけん責を避けます。
いかにも「ズル賢い」者の例えとして挙げられています。

ただし、秀吉が優秀だったのは事実。
うまく部下や同僚を使うことで自分の出世に役立てているんですね。

こう考えてみると組織にとっていいか悪いかは別として、出世する見本にはなりそうですね。

秀吉が信長に召し抱えられるまでのエピソード、短編『藤吉郎放浪記』が収録されている作品【安土城の幽霊】もおもしろいです。

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上司のやり方についていけない!荒木村重

有岡城跡

中途採用組の星!

だった荒木村重。

ですが信長に対して、謀反を起こします。

荒木村重の謀反の理由については本書が詳しく解説していて、すごく勉強になります。

かなりの好条件で信長にヘッドハンティングされた村重。

戦国の世は「利」ある方へ動くと考えていた信長。
最初はその「利」に従っていた村重ですが、度重なる信長の残忍さに疑問をもちます。

決定づけたのが、

石山本願寺との交渉。

信長に徹底抗戦していた石山本願寺との交渉を村重が任せられます。

何度か本願寺側の顕如上人と会ううちに、

「理」

について考えたのではないかというのです。

詳しくは本書に譲りますが、この章は私にとってかなり興味深いものでした。

というのは、これまで荒木村重は「ひどいやつ!」みたいな書かれ方が多かったのです。
そこまでではないにしても、「信長に茶器の献上を強要された!」説などが今までいわれていた理由でした。

顕如上人との出会いによって、村重が謀反を決意した!という説は私にとっては初めて聞いた説だったのです。

荒木村重は、謀反を起こすときに預かっていた配下の人質を解放しています。
さらには息子村次の妻で光秀の娘も離縁して、明智家に返しています。

やっぱり「利」よりも「理」をとった結果が『謀反』だったのでは?
という説には説得力がありました。
(その後、黒田官兵衛を監禁したり、配下・家族を残して自分だけ脱出したりはしているので、「変心」はありそうですが…。)

良識によって謀反人になった?!明智光秀

光秀像

明智光秀は足利義昭の庇護を求めるために信長の家臣になった人物です。
荒木村重と同じように中途採用組に属します。

信長のもとで出世して、ある時期では秀吉をも凌ぐほどの石高を得ていました。

謀反を起こした原因はいくつもの説がありますよね。
著者の加藤廣氏によると「信長の性格」に問題があったとされています。

信長が京都に上洛して、権力を握ると朝廷を脅かしたり、一向宗を虐殺したり、高野山を焼き討ちしたりと独裁制を強めていきます。

ここで明智光秀の「良識」が発揮されるわけです。

というわけで、光秀が「本能寺の変」を起こした理由も【信長軍団に学ぶ処世の法則】では、検討されています。

しかし、光秀は結局「主君に対する反逆者」として歴史に葬られることになってしまいます。

なんだか、この本を読んでいると「正直者は損をする」みたいな結末になってしまいますね。

ただ、歴史を細かく見ていく上ではおもしろい検証がされているんです。

この「本能寺の変」を細かく見ていくだけでも、

信長の行い
光秀の性格
秀吉の思惑
朝廷の陰謀

いろんな原因が考えられているので、それを学ぶだけでもめっちゃ楽しいですよ!

最後に。

安土城跡

【信長軍団に学ぶ処世の法則】では、上記した主な武将たちの他にも、中高年組のリストラの話や日本社会の在り方など信長軍団と結び付けて語られています。

信長軍団でいちばん出世したのは、秀吉!

譜代の柴田勝家、佐久間信盛らを抑え、外様の荒木村重、明智光秀らを蹴落とし、子飼いの出世頭としてのちに天下人になりました。

組織にとってとか、国民にとってどうだったかは分かりませんが、秀吉の処世術は、織田軍団の長・信長を手玉に取っていたのかもしれませんね。

信長は有為の人材を広く登用して、能力主義を取り入れたことから、「理想の上司」として取り上げられることが多いです。

ですが、この本で語られる信長は一貫して危険人物。
その中で出世していくためには、秀吉のような賢さが必要になるんですね。

人事関係に主題を置いた本ですが、戦国時代の人物関係を知るのにも役立ちます。

2006年に出版された本なので、少し古くなってしまいましたが、信長軍団を詳しく知るにはすごく勉強になります。

戦国時代好きの方や「本能寺三部作」のファンの方にはぜひ読んでみてほしいと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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