こんにちは。ケンスケです。
私は、何年もカブトムシを飼育していて、カブトムシの成虫がゼリーに顔を突っ込んでしまっていて心配になったことがあります。
幼虫は長い間、土に潜っているのに窒息しないのはなぜでしょうか?
カブトムシの成虫はどこで呼吸をしているの?
そんな疑問をもったことはありませんか?
カブトムシを飼育しているといろんな疑問が浮かんできますね。
カブトムシの体のことをよく知っておくと、カブトムシ飼育がもっともっと楽しくなりますよ。
今回は「カブトムシの呼吸」について紹介していきましょう。
『カブトムシの呼吸。ゼリーに頭が入っても窒息しないのはなぜ?』
記事執筆時点の情報です。記事ではできるだけ正確な情報を公開することを心がけていますが、科学の発展や見解の相違などで正確性が欠けることも考えられます。
その点も留意して読んでいただけると幸いです。
カブトムシがゼリーに頭を突っ込んでいる!
カブトムシが蛹から羽化してエサを食べ始めることを「後食」(こうしょく、ごしょく)といいます。
⇒カブトムシやクワガタの「後食」って何?羽化後の管理と注意点。
後食が始まるとカブトムシは、すごい勢いでゼリーを食べ始めますよね。
16~17グラムのゼリーなら一晩で食べ尽くしてしまうぐらいの勢いです。
そんなとき気になるのが、
頭を昆虫ゼリーのなかに突っ込んで食べている!
エサをよく食べてくれるのは嬉しい反面、心配になるのが「ちゃんと息ができているの?」ってこと。
でも、結論からいうと・・・大丈夫!
頭が昆虫ゼリーの中に埋まってしまっていても、きちんと呼吸ができています。
キーワードは「気門」(きもん)です!
カブトムシは気門で呼吸をする。
私たち人間は、鼻や口から空気を吸って、気管を通って肺で酸素を体内に取り込みます。
逆に全身の細胞から排出された二酸化炭素は肺から気管を通って、鼻や口から排出されます。
実はカブトムシの呼吸では、鼻や口が使われないんです!
そもそもカブトムシには鼻はありません。
どこから空気(酸素や二酸化炭素)を出し入れしているかというと、
気門(きもん)
気門はカブトムシの身体の側面についている穴のことです。
成虫や蛹では、胸部と腹部の横(側面)。
幼虫では腹部の横(側面)にあります。
数はというと、
幼虫は片側に9個、両側合わせると18個。
身体の横にある黒い点のようなものが気門です。これは肉眼でも数えられます。
成虫はというと、腹部の後ろ側、羽に隠れていない部分に3対。
さらに、上翅(硬い羽)をどけると後ろのとは違う形の3対みえます。
ただし、胸部にあるといわれているあと3対はどこにあるか私には見つけられませんでした。
また詳しく観察してみたいと思います。
カブトムシには肺がない!
私たちが呼吸をするとき、「肺」という器官でガス交換を行っています。
空気に含まれる酸素と生命活動で生じた二酸化炭素が入れ替えられているんです。
肺から体内に入った酸素は血液中の赤血球と結合して、動脈から体中に運ばれます。
一方、身体の生命活動で排出される二酸化炭素は、酸素を離した赤血球と結合して、静脈を通って肺に戻ります。
カブトムシは・・・というと、実は「肺」という器官がないんです。
もちろんカブトムシも活動するためには酸素が必要。二酸化炭素も排出されます。
カブトムシは気門から空気を取り入れて、体内に入った酸素は「気管」という管を通って身体中に届きます。
気管に接する細胞が「ガス交換」の役割もしているんですね。
そこから先は、体液を通して全身の細胞に送られています。
ヒトは横隔膜(おうかくまく)や胸部の筋肉によって肺を広げたり、縮めたりができます。
カブトムシが多く酸素を必要とするときは、腹部を伸び縮みさせることで気管へ空気を送っているんです。
気管はカブトムシの身体の深部にまで達しています。
実は蛹(さなぎ)も呼吸をしていて気管があるんです。
蛹から羽化するときの映像を見たことがありますか?
蛹の殻を脱ぐときに白い糸のようなものが、カブトムシの体からでてくるんです。
これが蛹の気管。
画像がないのでセミの抜け殻の画像をみてみてください。
白い糸のようなものが気管の表面だったもの。
こんなに長いのは体の深部にまで入り込んでいたためです。
体の奥まで空気の通り道があることで全身に酸素を取り入れて、二酸化炭素を排出していたんですね。
気門に毛が生えているのは何で?
「気門」は空気の通り道。
ということは、ゴミやチリ、細菌なんかも容易に通り抜けできます。
ヒトの鼻には毛が生えていますよね。
これは異物の侵入を防ぐ役割をしています。
カブトムシの気門にも毛が生えています。
ヒトの鼻毛と同じような役割をしていると思われます。
土に潜ることで、気門が塞がれてしまうのを防いでいるんですね。
さらにカブトムシには特殊な免疫機能が備わっています。
その名も「カブトムシ・ディフェンシン」。
詳しくはこちらの記事でご覧ください。
⇒カブトムシの能力が人類を救う?!雑菌から身を守る研究の話!
おもしろい研究をしている方をみつけました。
なんと、「虫の息」を調べる!
神奈川県葉山町立上山口小学校 6年 竹内 一翔さん
しっかり読むとすごいですよ。めちゃくちゃおもしろいです。
蛹<幼虫<成虫の順で呼吸量が上がっているんです。
蛹と幼虫は土の中に潜りっぱなしでも、酸欠にならないのもうなずけます。
しかもこの研究、小学生がやっているんですね。
将来が有望です。
我が家が使っているカブトムシの昆虫ゼリーはこれ!↓
最後に。
カブトムシがゼリーに頭を突っ込んでも窒息しない理由。
それは体の横にある「気門」で呼吸ができるから。
でも、注意しなくてはいけないのが気門を塞がれること!
カブトムシを飼育していると必ずといっていいほど発生する「ダニ」。下手をするとカブトムシを覆い尽くしてしまいそうなほど発生していることがあります。このダニが全部の気門をふさいでしまうと大変!
飼育しているカブトムシをよく観察してみてくださいね。
カブトムシについてもっと詳しく知りたい人は、【不思議だらけカブトムシ図鑑】がおすすめですよ!子供でも大人でも興味深く読める内容になっています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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