カブトムシの幼虫は共喰いする?実際に飼育してみてわかったこと!

こんにちは。ケンスケです。

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カブトムシの幼虫は「多頭飼育」か「単独飼育」か?

という論争がよくなされますね。

結論から先にいってしまうと、私の経験では、

どちらでもかまわない!

です。

ひとつのケースに複数のカブトムシの幼虫を入れて飼育すると、

共食いをするんじゃないか。

といわれることもありますよね。

でも、私が毎年、200頭近く孵化させてきた経験上では、「ほぼしない!」といっていいと思います。
(私の知らないところで行われている可能性がないわけではありませんが・・・。)

少なくとも「積極的な」共食いはしない!



ハズ!

ということで、どうしてカブトムシが積極的な共食いをしないと思われる理由を考えてみましょう!

カブトムシの幼虫

 

カブトムシの幼虫は共喰いする?実際に飼育してみてわかったこと!

注意!
記事執筆時点での情報です。
新しい研究や発見によって、情報が覆されることもあります。
その点をご了承下さい。

密度が高めで飼育しても数は変わらない?!

 

密度高めのカブトムシ幼虫飼育

私が毎年飼育しているカブトムシの数、なんと200頭(以上?)。
この数を単独飼育(ひとつのケースに一頭ずつ)で世話をすることは至難の業。

なので、毎年、大きめの衣装ケースに50頭ぐらいずつ入れて飼育しています。

実はあまりおすすめできる飼育の仕方ではありません。
密度が高すぎるんです。

本当はもっとゆったりと飼育してあげられればいいのですが、スペースと手間の都合上どうしてもそういった飼育になってしまうのです。

よくカブトムシの幼虫が共食いをする原因に挙げられるのが、

○狭いスペース
○エサ不足

私が飼育しているケース内は、まさにこの状態。
とくに冬季から春にかけて、ケースを開けると「フンだらけ!」になってしまっていることがよくあります。

ですが、マット交換のときに幼虫を数えてみると、入れたときとほぼ変わらないことのほうが多いのです。
(減っていてもほんの数頭のみ)

もしカブトムシの幼虫が積極的に共食いをするなら、もっと数が減少していてもおかしくないはず。

狭いスペースやエサ不足では共食いにまで発展しないのではないかと考えた理由です。

実際には高密度で生息している!

カブトムシ幼虫時代

マット交換をするときにカブトムシの幼虫がどこにいるかを注意してみたことがありますか?

私が年に何度もマット交換するときに気づいたことは、

狭い範囲に密集している!

幼虫の多くがケースの下の方に密集して潜っているんです。

温度の問題なのか、マットの状態のいい場所なのかはわかりませんが、密集しているエリアが数か所あるんです。

農家の腐葉土を集めている場所で毎年何百頭もの幼虫がみつかる話もよく聞きます。

カブトムシが蛹室(サナギになる部屋)を作るときは別として、幼虫は高密度をそれほど苦にしないのではないかと考えられる理由です。

参考
【不思議だらけカブトムシ図鑑】小島渉著(彩図社)P.155”幼虫は二酸化炭素濃度の高い腐葉土に集まる。”

なんらかのサインを出してお互いを認識

カブトムシの3令幼虫

カブトムシの幼虫は活動中、マットの中をかなりの距離移動します。
しばらく放置していると幼虫のフンが上部に溜まってきますよね。

それはカブトムシの幼虫が、移動やエサを食べることで昆虫マットを撹拌(かくはん:かき混ぜること)することで、粒の小さなマットが下に落ちて、粒子の大きなフンが上に浮いてくるわけです。

ということは、高密度で飼育していると幼虫同士がマットの中で鉢合わせすることもあります。

もし、ぶつかってしまうと木材をも砕くするどい顎(あご)で相手を傷つけてしまう可能性があります。

また、幼虫は一度蛹室をつくって「前蛹」になると再度蛹室を作ることができません。(ほとんど動くことができなくなるため)
こんなときに他の幼虫が地中で蛹室を壊してしまうと一大事です。

前蛹や蛹の状態にあるとき、カブトムシは蛹室に危険(他の生物に蛹室を壊される恐れ)が近づくと、身を回転させながら音を出します。

モグラがエサを探すときに出す波長の音だといわれています。

参考
【不思議だらけのカブトムシ図鑑】小島渉著(彩図社)P.177
モグラの振動を解析すると、カブトムシの蛹の出す振動と共通するいくつかの特徴を持っていることが分かった。

これと同じように幼虫もなんらかのサインを出して互いの距離を認識しているのではないでしょうか。

もし積極的に共食いをするならば、すぐ近くにいるのに食べ合わないわけがありませんよね。

幼虫の数が減少してしまう原因

幼虫

では、飼育しているカブトムシの幼虫の数が減ってしまうのはどうしてでしょうか?

カブトムシの幼虫の皮膚は薄い膜で覆われているだけです。
なんらかの原因で命を落としてしまった場合、体液の多い幼虫はマットや土の微生物によって分解されます。

マット交換をするときに、古いマットをよ~く観察するとたまに分解されづらい頭部(硬い皮膚で覆われている)が発見されることがあります。

考えられる原因

○病気・乾燥
もともと免疫機能が弱い個体で、雑菌やカビに負けてしまった可能性。
マットの水分が少なかったために命を落とした可能性。

○餓死
成長の遅い個体(小さい)が成長の早い個体(大きい)にエサを食べられてしまい充分に成長できなかった可能性。

○事故によるケガが原因
木片や他の幼虫の顎(アゴ)によるケガが原因で命を落とした可能性。

死骸が食べられた可能性もなくはない!

上記のなんらかの原因で命を落とした幼虫は、基本的にマットや空気中のバクテリア(微生物)やコバエによって分解されます。

ただし、死骸を他の幼虫が食べてしまう可能性もなくはないと考えられます。

積極的に共食いはしなくとも、幼虫が死骸になってしまえば、他の個体は「物質」として認識するかもしれません。
貴重な栄養源ともいえますからね。

なので、私の結論としては、

積極的な共食いはしないが、死骸は食べている可能性は捨てきれない!

です。

エサ(マット)は絶やさないようにすること!


カブトムシの幼虫は、主食は肉食ではない(微生物は食べている)ので、少なくとも空腹で相手を襲ったりはしません。

ただ、マットが少なかったり、密度が高すぎることで病気や事故によって命を落とすリスクが高まります。

そうならないためにも、私のように高密度で飼育することは避け、ゆったりと大きなケースで飼育することをおすすめします(笑)

また、適した水分補給やマット交換でカブトムシの生息環境を良くしておくことも大切です。

水やりのしかた。

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霧吹き

最後に。

マット交換したあとのカブトムシ幼虫

カブトムシの幼虫は、ほぼ地中で生活しているため、観察しにくい生き物ですよね。
生態が分かってきているといえども、意外と知られていないことも多いです。

私も何年も累代飼育していく中で、毎年なにかに気づいたり、気づかなかったり。

そんなカブトムシの飼育生活を送っている私ですが、今まで気づかなかったことを「どうしてなんだろう?」って考えていると楽しいんです。

記事の中で紹介した【不思議だらけカブトムシ図鑑】は、子供はもちろん、大人もすごくおもしろくて勉強になる本です。

読んでみてくださいね。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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