こんにちは。ケンスケです。
カブトムシの幼虫を飼育している期間、いちばんデリケートなのが、
「蛹(サナギ)」
カブトムシが長~い10か月もの幼虫期間から、あのカッコいい成虫の姿に変身する
メチャクチャ不思議な
時期です。
そこで、今回はカブトムシ飼育で蛹の時期に気を付けることをご紹介していきたいと思います。
『【カブトムシの蛹(サナギ)】5月・6月の飼育管理とトラブルの対処法!』
それでは、いってみましょう!
なんで蛹になるの?
昆虫の変態について
カブトムシは幼虫と成虫の姿や能力が全然違いますよね。
チョウやハエも幼虫と成虫の形が全く異なります。
小学校で習いますよね。
「完全変態」
っていいます。
この異なる姿の時期を結ぶのが「蛹」なんです。
カブトムシの幼虫時代は、土や朽ち木を食べて成長します。一方成虫になると樹液や果実を舐めて生活しています。
住む場所も違います。幼虫は土や木の中で過ごすのに対して、成虫は土に潜ったりもしますが基本的には樹上で生活します。
これらの生活スタイルに合わせて、形が変わっているんですね。
で、
カブトムシは子どもにとってカッコいいヒーローかもしれませんが、仮面ライダーやウルトラマンのようにいきなり変身するわけではありません。
「蛹」は体内・外見の器官を作り替える期間なんです!
バッタやカマキリは幼虫と成虫は見た目や生活スタイルがほぼ一緒。脱皮を繰り返すことでいつの間にか大人の成虫になっているんです。これを「不完全変態」っていいます。
シミ(紙を食べるムシ)やトビムシ(土の中にいて微生物を食べるムシ)は、そもそも幼虫っていう段階がないムシもいます!
「変態」が分かったところで、問題です。
問:トンボやセミは、「完全変態」「不完全変態」どちらでしょうか?
・
・
・
・
・
答え:「不完全変態」
えっ━━━━━!なんで━━━━━!
ですよね。
トンボの幼虫は「ヤゴ」、セミの幼虫はあの抜け殻の形をしたやつです。
成虫と幼虫の形も生活スタイルも全然違いますよね。
「完全変態」と「不完全変態」の違いは、
「蛹」の期間があるか、ないか。
で決まっているんです。
受験生の諸君!ここテストに出ますよ!
カブトムシの一生はこちらの記事も紹介しています。
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蛹の中身
蛹は自分で移動もできず、敵と戦うこともできない、「無防備」状態。
どうして、こんな危険を冒してまで蛹になるのでしょうか?
幼虫は蛹になると中身は、
溶けている?!
そう、中はドロドロのクリーム状になっているんです。一部の神経系以外を溶かすことで新しい器官に作り替えていたんですね。
そう、カブトムシは幼虫の姿のままでは繁殖できません。カブトムシは、蛹になることで強い身体と生殖能力を持つことができるのです。
その生殖能力と強い身体は、「種の存続」のためなんですね!
カブトムシが蛹になっている期間は約1か月。
この期間にタンパク質が組み替えられて、文字通り生まれ変わり、あのカッコいい成虫になるんですね。
そして、
オスのツノ!
蛹になる時点でいきなり生えてきます。
幼虫は前蛹になったときに少しシワシワになります。その時にツノになる外枠(ジェット風船をたたんだような)ができて、そこに液状の体液が流れ込むことによって、ツノになるそうです。
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多くの研究者の方々が蛹の謎を解明してくださっています。
私たち飼育者にとっては頭が下がる思いです。
もっともっと研究が進んで、蛹の不思議が解明されるといいですね。
蛹になる時期は5月ごろ!期間は約1か月!
蛹室を作る → 前蛹 → 蛹 → 羽化 → 成虫
蛹室を作り始める時期。
カブトムシはだいたい5月初めごろから5月半ばごろにかけて、蛹室を作って、前蛹になります。
どんな条件で蛹化のスイッチが入るのかは、詳しくは分かっていません。
が、だいたい毎年同じ時期に蛹になっていることを考えれば、
「気温」か「日照時間」
のどちらか、または両方が関係していると思われます。
ただ、パソコン近くで飼育していた人が、4月終わりに蛹化した事例もあることから、「気温」が有力ですね。
「日照時間」は土の中や屋内飼育では、感知するのは難しいですからね。
ただし!
単独で飼育している場合はともかく、複数を同じ容器で敷くしている場合は、
1頭が蛹になると、他の幼虫もつられて蛹になり始める!
繁殖のために成虫の発生時期を重ねるために、だいたい同じ時期に蛹室を作ります。そうするとほんの何日かのズレで羽化ということになるんですね。
不思議です。
もしかしたら、他のカブトムシの蛹室を壊してしまうリスクを避けるために集団でなんらかのお約束があるのかもしれませんね。
蛹の期間
前蛹で7日から10日。
前蛹とは、蛹になる直前の時期です。
前蛹になる前の幼虫は、黄色がだんだん濃くなっていきます。
そして、あまり動かなくなってきます。それにつれてマットもあまり食べません。
その幼虫が自分の周りに空洞を作り、フンや分泌液を使って「壁」のように固めます。これが「蛹室」。
この蛹室の中で前蛹になります。
前蛹の特徴は、
身体の黄色がもっと濃くなる。
身体がシワシワになる。
口も足も動かなくなる。
ほぼ動かない。
基本的にこの状態のときは、〖蛹室の中〗のはず。
だから、見ることができないのですが、
マット交換で蛹室を壊してしまったとき。
マットの上で前蛹になったとき。
にみることができます。(本当はこの時期はそっとしておきたい)
こんなときは、もう幼虫が自力で蛹室を作ることは不能ですので人工蛹室を作ります。(後述しますね。)
マットの上で蛹になってしまう原因
〇飼育容器、マットの深さが足りない。
〇加湿しすぎor乾燥しすぎ。
〇きまぐれ。
蛹の期間は約1か月。
蛹になる期間は25℃一定にするとほぼ26日で羽化するそうです。
ただ、5月~6月は気温差がまだ大きい季節ですので、1か月近くかかることが多いです。
色は、最初は白っぽいようなカスタードクリームのような色をしていますが、羽化が近づいてくると、濃い茶色に変化してきます。
とくに蛹の前半は、中身がドロドロ状態ですので、振動や衝撃に弱いので気を付けましょう!
蛹室をつくり始めるサインと前蛹段階
幼虫は、春にはマットをたくさん食べて、冬に比べてもう一段階大きくなります。
春のマット交換で注目しておきたいのが「幼虫の色」。
秋に孵化してから冬の間は透明感のある「白」だったのが、だんだん黄色っぽくなり始めます。
4月後半から5月にかけての色は、かなりカスタードクリームのような色になります。
これぐらいになると、エサもあまり減らなくなってきます。蛹室を作り始めるサインです。
「暴れ」とは、容器内をあちこち移動して体重を減らしてしまう行動のことです。
自分の蛹室をどこに作るか探しているとか、成虫になったときに出やすいように周りをほぐしているとかいわれていますね。
真相は、幼虫に聞いてみないとわかりません。
カブトムシでもこの「暴れ」はあるのかもしれません。
無事に蛹室を作り終えると幼虫は「前蛹」になります。
先ほども書きましたが、もう一度。
身体の黄色がもっと濃くなる。
身体がシワシワになる。
口も足も動かなくなる。
ほぼ動かない。
前蛹になると蛹と同様に移動も食事もできない状態です。
シワシワの皮膚の内側にはもう蛹の準備をしている段階。
そして、最後の幼虫の皮を脱ぐともうほぼ成虫の形をした「蛹」になっています。
この前蛹時代に蛹の外殻を体内でつくっているんですね。
不思議。
カブトムシが前蛹・蛹になったときの注意点と飼育管理!
よくいわれることですが、蛹から羽化までがカブトムシがいちばん弱い時期です。
ここでのミスは「羽化不全」に直結します。
ちゃんとした成虫にならなかったり、羽化できずに亡くなってしまったりすること。
成虫になったときに後ろの羽がはみ出ていたり、外側の羽にへこみやゆがみが出てしまう。
体内の器官に異常をもつとそのまま成虫になれないこともあります。
振動・衝撃を与えない!
体内で新しい器官を再形成している最中です。そして中身は液体に近い状態。外殻に傷でもついたら大変。
加水しない!
蛹の時期は、加水するのを避けましょう。蛹室を破壊してしまったり、蛹室内に水たまりができてしまうと羽化不全や蛹がかびてしまうことも。
子どもと一緒に飼育しているとどうしても観察したくなりますよね。そんな時は静か~になるべく振動を与えずに見守りましょう。
羽化不全はどんなに注意しても起こることはあります。野生のものでも羽化不全と思われるものがたくさんいます。
外見上だけなら飼育や繁殖に問題ないことも多いですよ。
前蛹・蛹飼育時のトラブルは人工蛹室で対処!
よくあるトラブルが
蛹室を壊してしまった!
マットの上で蛹になってしまった!
マット交換時、すでに前蛹だった!
焦らず、人工蛹室を作りましょう。
トイレットペーパーの芯やボール紙などで
こんな風に作れば大丈夫。(空洞が小さすぎる時は切り込みをいれて広げる)
私は倒れないようにビンを使いましたが、数が多い方は飼育ケースに縦に並べて倒れないようテープで止めてもいいですね。
日本のカブトムシは、
縦長(垂直)に蛹室をつくります。
間違って横にしないようにしましょう。
ここで、疑問。
「横にするとどうなるんだ?」
今度、試してみますね。
トイレットペーパーの芯がなかったり、蛹が大きくて入らないってときは、
〇蛹の大きさより少し大きめに丸める。
〇テープで止める。
こんな感じで代用もできます。
蒸れない&観察のために上部はあけておいてOKです。
下部には濡れたティッシュやキッチンペーパーで少し加湿しておきます。心配な人はマットの上において、マットを加湿しましょう。
人工蛹室でもちゃんと羽化してくれます。
ただし、蛹になりたての白っぽい時期にはあまり動かしたくないので、慎重にやるか、少し色が濃くなってからの方がいいかもしれませんね。
この前、100円ショップを見ていたら、いいものを発見!!人口蛹室として利用してみました!
細長いグラス↑
卓上で醤油をいれる容器↑
いろいろと代用できそうなものもあるので試してみるのも楽しいかもしれません。
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羽化した直後の注意点
蛹期間を1か月過ごし、無事に羽化できたら、
身体が固まるまで触らない!
だいたい羽化が終わって、動き出すまでに10日近くは休眠します。
その間は蛹室でジッとしています。身体が動けるようになるまで時間がかかるんですね。
自分から蛹室をでようとするまで、
しばらくお待ちください!
蛹室から出て、地上に出てきたカブトムシは、再度潜って他の蛹を傷つけてしまわないように別容器に移した方が無難です。
活動したてのカブトムシはエサを少ししか食べませんが、1週間も経ってくると食欲旺盛です。
エサ切れにならないように気を付けて飼育してくださいね。
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最後に。
幼虫から飼育していたカブトムシが羽化してくれたときって、メチャクチャ嬉しいですよね。
カブトムシは基本的に丈夫な生き物ですが、今回お話しした「蛹」の時期だけは無防備なので神経を使います。
でも、蛹になってさえしまえば、基本的に私の得意な
THE 放置!
で大丈夫なんですけどね。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。