こんにちは。ケンスケです。
野外でクワガタのメスを採集したときに迷うのが、
鑑別!
クワガタのメスってどれも同じように見えて、種類の判別が難しいって思いませんか?
今回は「ミヤマクワガタのメス」の特徴を覚えて採集したときに備えておきましょう。
『国産ミヤマクワガタのメス。特徴は大アゴの太さと足のつけ根!』
ミヤマクワガタは珍しい?
ミヤマクワガタは高地性のクワガタで、標高の高い場所に多く生息しています。
とはいっても、実は標高の低い場所にいないわけではありません。
問題は「気温」なのです。
ミヤマクワガタは高温に非常に弱く、気温が25℃を超えると弱ってしまうことが多いのです。
なので、夏の気温が30℃を超えることが珍しくなくなった昨今では、低地で見かけることが少ないのです。
代わりに低地の気温が比較的高い場所に多いのがノコギリクワガタ。
生態が似ているノコギリクワガタとミヤマクワガタは、温度で棲み分けをしているのかもしれませんね。
ただし、地球温暖化の影響で今まで気温があまり上がらなかった地域の平均気温が上昇することで、ノコギリクワガタの生息域が広がっているといわれています。結果的にミヤマクワガタの生息地に入り込んでいます。(地域によっては共存していることもある。)
ミヤマクワガタとノコギリクワガタの闘いを知りたい人におすすめの本⇒カブトムシとクワガタの闘い。自然の樹液場での争いを研究した本を紹介!
ミヤマクワガタはオオクワガタのように採集が難しい種ではなく、気温の上がりにくい地域では普通に見かける種といえます。
そうはいっても、普段はあまり高地に採集に行く機会って少ないですよね。
もし、夏に高地や寒い地域に行く機会があったら、探してみてください。
日本のミヤマクワガタメスの特徴。
・大きさは2cm~4.5cm
・上翅に光沢がある
・大アゴが太くて立派
・腿節の前側にオレンジ色の部分
・前脚の脛節は幅広でトゲが大きい
ミヤマクワガタ♀の生息場所、身体の特徴を知って、ぜひ採集に役立ててみましょう。
ミヤマクワガタ♀の生息場所
ミヤマクワガタは、前述しましたが「気温が低い」地域の雑木林(里山)や自然林に生息しています。
コクワガタやヒラタクワガタと違って、樹木のウロや樹皮の裏側にいることは少なく、多くが木の枝や枝の分かれる場所で休んでいます。
(もちろん樹液の出ている場所がエサ場になるので、樹液採集もできます。)
夜行性で灯火にも飛来しやすい種ですが、実は昼間に活動している個体も多く、細い枝にもついていることがあるので、日中に「蹴り採集」でも成果が期待できます。
ミヤマクワガタのメスは、朽ち木の根部分近くの土に産卵する傾向があります。
身体的特徴
ミヤマクワガタのメスは「ある部分」が特徴的で、他のクワガタと見分けが付きやすい種です。
ある部分とは、
大アゴと腿節(たいせつ)の色
ミヤマクワガタのメスは大アゴが他の種のものよりも太くて立派なのが特徴的です。
下手したら、超小型のコクワガタのオスよりも立派かもしれません。
また、腿節の前側(裏返してみる!)をみてみると「オレンジ色」になっています。
これは他のクワガタにはない特徴なので見分けやすいといえるでしょう。
もうひとつは、「毛深い」こと!
金色の毛が多く生えていることも特徴のひとつですね。
他に特徴的なのは、
○細長い体型
○前脚の脛節は幅広でトゲが大きい
クワガタのメスは前脚の脛節で土をどかしながら潜っていきます。
ミヤマクワガタの脛節の幅が広いのは、土に潜って産卵するためだと考えられます。
間違えやすいクワガタ。
↑ミヤマクワガタのメスは鈍い光沢と大アゴが特徴的
ミヤマクワガタは他のクワガタと見分けがつきやすいのですが、間違えやすいと思われるクワガタとの違いも見ておきましょう。
わからなくなたら、比べてみると違いが分かりやすいはずですよ。
ヒラタクワガタ
ヒラタクワガタとミヤマクワガタの違いを見つけるときに手っ取り早いのは、やっぱり裏返してみること。
ミヤマクワガタ♀の腿節のオレンジ色が分かりやすいです。
他には大アゴの太さと体型でしょうか。
体型はミヤマクワガタのほうが細長く見えますが、比べてみないと分かりづらいかもしれません。
ノコギリクワガタ
ノコギリクワガタは赤みがある体色が特徴的で、体型も卵のような楕円形です。
こちらも裏返して腿節をみることで見分けがつきます。
アカアシクワガタ
アカアシクワガタも気温が低めの地域で活動するクワガタです。
ミヤマクワガタを探しているとアカアシクワガタが見つかることも多いです。
判別方法はこれも裏返してみること。
アカアシクワガタは腹側や腿節が「赤色」であるのに対して、ミヤマクワガタの雌では腿節のみが「オレンジ」。
温度を気をつければ産卵も可能。
ミヤマクワガタは成虫で活動を始めると「越冬できない」種類のクワガタです。
成虫で活動を始めるとその寿命は約3ヶ月~6ヶ月。
夏に採集できてもすぐに寿命を迎えてしまいます。
でも、もしメスを採集できていたら次世代を残せるかもしれません。
野外で活動しているメスは、すでに交尾を済ませていることも多いのです。
産卵セットは、ケースに発酵度の高いマットを深めに入れて、朽ち木を埋めておくだけ。
ミヤマクワガタはマットに産卵するので朽ち木は、産卵する環境を整えるために入れます。
ただし、温度が重要です。
ミヤマクワガタは気温が25℃を超えていると産卵しないといわれています。
孵化も25℃以上の高温ではできないので、温度管理は必ず必要です。
うまくすれば次の世代で来シーズンも飼育が楽しめるかもしれませんね。
最後に。
↑メスをメイトガードするミヤマクワガタのオス
クワガタやカブトムシってどうしても立派なアゴやツノをもっているオスが注目されがちですよね。
でも、メスってかわいくないですか?
野外で採集したものなら、繁殖する可能性だってあるんです。
なかなか慣れないとメスの種類を見分けるのって難しいかもしれませんが、特徴を見つけられれば意外と簡単にできるようになりますよ。
楽しんで採集や飼育をしてみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ミヤマクワガタは灯火にもよく飛来する種です。
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