こんにちは。ケンスケです。
クワガタのメスって、みんな似ていてどの種類か見分けがつきにくいですよね。
確かにオスはそれぞれ特徴がはっきりしているのに、メスはそれぞれの特徴が不明瞭で判断がつきにくいことも多いです。
クワガタの採集は暗い場所ですることが多いので、なんとなく「コクワガタ」だと思って採集したものが、実は「アカアシクワガタ」だったっていう経験があります。
そこで、今回は「本土ヒラタクワガタのメス」の特徴を紹介していきたいと思います。
『本土ヒラタクワガタのメス。間違えやすいクワガタとの違いは?』
本土ヒラタクワガタメスの特徴
↑羽化したてのヒラタクワガタはツルツルしていて光沢がある。
本土ヒラタクワガタは、全国に生息しているクワガタです。
西日本に多いといわれていて、東日本のヒラタクワガタは数も少なく、体型も小さめのことが多いですね。
ヒラタクワガタのメスの特徴を覚えて、採集のときの参考にしてみてください。
大きさ…2~4cm
色…黒(鈍い光沢がある)
採集個体(野外で捕まえた個体)の場合は、個体差や成虫になってからの期間で色や光沢は変わってくることもあります。
さらにクワガタって、生育環境で大きさがずいぶん違うんですよね。それはヒラタクワガタ以外の種類も同じ。
なので、大きさだけでは判断できないことが多いんです。
特徴をいくつか挙げておきますので、複合的に判断するのがいいでしょう。
形状と色・光沢
前述の通り大きさは2~4cm、色は黒色です。(離島産のものは赤みを帯びているものもいる。)
色は、羽化したばかりの個体では鈍い光沢があるように見えます。
全体的にスベスベしていて、点刻はほとんどありません。
全体的な形状は水平方向(側面)からみると、名前の通りひらべったい感じ。
垂直方向(上)から見るとくびれが少ない印象を受けます。
「くびれが少ない」というのは、頭部と胸部、胸部と上翅がおおまかにみると連続した「楕円形」にみえるということ。
前脚の脛節が特徴的
ヒラタクワガタのメスの大きな特徴がこの前脚にあります。
着目するポイントは脛節(けいせつ)。
ツメが繋がる扇状に広がる部分です。
クワガタのメスは土などに潜るときにツメ部分を折りたたんでこの脛節をスコップのようにして掘り進めます。
本土ヒラタクワガタの脛節は、先端にいくほど広がります。
内側より外側の方が大きく扇状に広がっていくので、内側に湾曲しているようにみえます。
この部分に付く「トゲ」はやや大きめで他のクワガタのメスと見分けるポイントになりますよ。
上翅はなめらかで薄~いスジが見える!
上翅(じょうし)とは、つまり上にある硬い羽のことです。
昆虫は「外骨格」といって、骨がない代わりに外側の皮膚が硬い殻のようになっています。
本土ヒラタクワガタの場合、この上翅はスベスベで鈍い光沢があります。
ただし、越冬個体や羽化してから時間が経っている個体では、擦れて、この鈍い光沢も失われていることも多いです。
光沢が失われている個体はコクワガタに似ているので注意が必要です。
上翅には、他の一部のクワガタのメスにあるような点刻はほとんど目立たないことが多いです。
よく見ると薄~く縦にスジがあるのが特徴です。
ヒラタクワガタに似ているのは?
↑ヒラタクワガタとコクワガタの♀はかなりよく似ている!
本土産ヒラタクワガタのメスの特徴が分かったら、今度は日本の本州にいる似ているクワガタのメスと比べてみましょう。
最初は見分けにくいかもしれないのですが、だんだんと見慣れていくうちに見分けがつくようになってきますよ。
本土産の代表的なクワガタの中で、ヒラタクワガタに似ているのは、次の4種。
オオクワガタ
アカアシクワガタ
ヒメオオクワガタ
他にノコギリクワガタやミヤマクワガタがいますが、この2種は特徴がはっきりしているので見分けやすいです。
ノコギリクワガタ
ヒラタクワガタよりも体高が高く、側面から見ると真ん中が高い丸型の体型。
ヒラタクワガタは名前の通り平べったい。
ノコギリクワガタのメスの体色は、やや赤みを帯びた茶色が多いのに対して、ヒラタクワガタは黒色。
ミヤマクワガタ
大アゴの部分が太くて立派なのが特徴的。
裏返すと脚の付け根周辺(腿節たいせつ)がオレンジ色(黄色っぽい)。他のクワガタよりも毛深い。
ということで、今回はコクワガタ・オオクワガタ・アカアシクワガタ・ヒメオオクワガタと比べてみましょう。
コクワガタ
ヒラタクワガタといちばんんているのがコクワガタのメス。
でも、前脚をみるとわかりやすいです。
他の特徴とも複合的に判断して、見分けましょう。
①前脚の脛節が直線的、トゲは小さめ。
②頭部と胸部、胸部と上翅のくびれが強め。
③上翅は細かい点刻があり、ザラザラつや消し。
④胸部が台形になっている。
オオクワガタ
オオクワガタのメスは、一見、ヒラタクワガタに似ていますが、特徴的なので見分けがつきやすいといえます。
①身体が大きめ。
②体高があり、ズッシリしている。
③上翅に縦スジ(点刻)がはっきりあって、光沢がある。
アカアシクワガタ
アカアシクワガタもヒラタクワガタと似ていますが、はっきりした特徴があるので間違えにくいといえそうです。
①裏返すと脚の付け根が赤い!
ヒメオオクワガタ
ヒメオオクワガタのメスはコクワガタやヒラタクワガタに似ているといえるでしょう。
ヒメオオクワガタのメスは脚の長さに注目!
①全部の脚が長い!
②前脚の脛節は直線的で細い。
③前胸部の後ろ側(後角)がえぐれている。(くびれが強い)
④上翅の点刻は小さく、ザラザラしている。
見分けるときのポイント。
見分けるときに私がやっている方法としては、可能性のある候補を一通り挙げてから、その特徴で候補を消していくやり方です。
例えば、アカアシクワガタ、コクワガタ、ヒラタクワガタで迷ったら、
1.裏返して脚の付け根を見る。
赤い部分がある→アカアシクワガタ
黒っぽい→コクワガタ・ヒラタクワガタ(2へ)
2.前脚の脛節
真っすぐ→コクワガタ
内側に湾曲して見える→ヒラタクワガタ
こんな感じです。
実際には分かりづらいことも多いので、さらにいくつか特徴をみてみることで、複合的に判断するのがいいでしょう。
採集したメスは卵を産むかもしれない?!
野外で採集するときに、子供さんは「オスじゃないとイヤだ!」っていうことも多いですよね。
でも、私はメスの採集が楽しみです。
それは、
卵を産むから!
野外で活動していたメスは、すでにオスとの交尾を済ませていることも多いのです。
ということは、そのまま産卵セットを組んで投入すれば、卵を産むこともあります。
オスとメスのペアで採集できればいうことなしですが、なかなかそうもいかないこともあります。
ですが、採集した個体の中にメスがいれば、飼育して卵が孵るかもしれないのです。
もし、キャンプなどでテントにクワガタのメスが飛んできたら産卵セットを組んでみるのもおもしろいですよ。
最後に。
ヒラタクワガタのメスは、コクワガタのメスと非常に似ています。
でも、今回紹介した特徴をみながら鑑別していくことで、きっと見分けられるはずです。
クワガタのメスを見分けられるようになると、飼育や採集がもっともっと楽しくなります。
現代ではスマートフォンを持ち歩くことが多くなり、種類の判別もしやすくなっています。
わからなかったら、似ているクワガタを検索していろいろな個体を見比べてみると同定しやすいはずですよ。
野外でヒラタクワガタのメスが採集できたら、産卵をさせてみましょう!産卵セットを作るときは【産卵一番】(産卵マット)がおすすめです。細かい粒子になっているのでメスも産卵しやすく、幼虫も成長しやすいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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