こんにちは!
ケンスケです!
「ヒラタクワガタ」って人気があるんですよね。
私も国産のヒラタクワガタの中ではいちばん好きかも!
私が住んでいる関東地方では、ヒラタクワガタは野外ではなかなか見つからず、採集するのも難しい種類です。
一度だけ採集したことがあるのですが、かわいいかわいい小さなヒラタクワガタでした。
大きさは、コクワガタと同じくらい。
西の方の地域ではもっと大きいサイズのヒラタクワガタも採集できるようですね。
飼育してみるとやっぱりカッコいいクワガタです。気が荒いことやうまくすれば大きく育てるのも楽しみのひとつですね。
今回は、採集したり、購入したヒラタクワガタを産卵させる方法をご紹介します。
私も何度も繁殖させた経験があります。初めてでも簡単にできますので、参考にしてみてくださいね。
『本土【ヒラタクワガタの産卵】の方法。材とマットを用意すると簡単!』
それでは、いってみましょう!
準備するもの
飼育ケース(大)×1と(小)×2
産卵材(やわらかい方がいい)
産卵マット(粒子が細かいもの)
成虫のエサ
ヒラタクワガタのペア
関西以西の方は採集したものを繁殖させるのも楽しいですね。メスだけしか採集できなくても、交尾済みの可能性もありますので産卵セットを組んでみるのもいいですね。
採集が難しいという方は、ショップで購入しましょう。
購入したヒラタクワガタはワイルドもの(「WD」とか「Wild」記載されています。)でなければ、成熟の確認とペアリング(交尾)の必要があります。
最近ではインターネットでも購入できるので、近くに専門店がない方も入手が容易になりましたね。
オスの大きさによって値段もかなり変わってくるので、お財布と相談しながら購入してみてくださいね。
小さくても、きちんと成熟していれば産卵は可能なので、大きさを求めないのであれば安いものでも充分です。
オスが大きいものも魅力ですが、その分、はさむ力も強くなります。あまりにメスと大きさが違いすぎると心配ですので慣れるまでは、小さいものを選ぶのもいいかもしれませんね。
ヒラタクワガタの性成熟
ヒラタクワガタは(他のクワガタでも同じですが。)羽化してすぐに交尾できるわけではありません。
休眠期間(成虫として器官を作る)を経て、活動を開始してから約3か月ほど待ちましょう。
活動を開始する目安としては、
「エサを食べるようになったか。」
後食といって、消化器官がしっかりできてからエサを食べ始めます。生殖器官がしっかりするのはこの後。
なので、羽化してさらに、エサを食べ始めてから
「3か月」ぐらい
を目安にしておきます。
実際にはもっと早く交尾は可能ですが、無精卵だったり、孵化しなかったりするのと、オスとメスの成熟具合が違ったりするとどちらかが攻撃されてしまうこともあります。
エサを食べ始めて3か月もすると、食べるエサの量も増えてきています。ベテランの方になってくると食べたエサの量で成熟を判断していますね。
野外で採集したものはほとんどが成熟していると考えられます。
特に初夏(5月から6月頭ごろ)に野外で活動しているヒラタクワガタは越冬したものが多いので、充分成熟しています。
一方、ショップで購入する場合は繁殖が目的の場合は、注意が必要です。
ショップで売られているヒラタクワガタは羽化後1~6か月ぐらいが多いです。
しっかりしたショップでは、
「産地」(採集ものはとれた地域、ブリードでは親の産地)
「羽化日」(~年・~月羽化)
がしっかり明記されています。
羽化後5~6か月経っていればペアリング可能です。
産卵できなかった場合は、性成熟が不十分だった可能性もありますので、エサをたくさん食べているかをもう一度確認してみましょう。
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ペアリングや産卵セット投入前後には充分な栄養を!
交尾や産卵には多くのエネルギーを消費します。とくに産卵には、タンパク質が必要です。
産卵前後には、高タンパクのゼリーを与えて栄養を充分に補ってあげましょう。
メスは何日もかけて少しずつ産卵します。その間も地上に出てきてエサを食べます。
この時にエサが足りないと・・・・
卵や幼虫を捕食!
してしまうんですね。
なので、少し高価ですができれば高タンパクのものを与えましょう。
オスもストレスを少しでも減らすためにはしっかりした栄養を与えておきたいですね。
ペアリングは慎重に!
ご存じだと思いますが、ヒラタクワガタは非常に気性の荒いクワガタです。
ヒラタクワガタの繁殖において気を付けなければいけないのは、
ペアリング
ペアリングは小さいケースでかつ薄く敷いたマットで、3~7日オスとメスを同居させます。エサと登り木も忘れないように入れます。
同居直後は、メスが攻撃されないか、しばらく様子を見ておきましょう。
注:画像はオオクワガタです!
気性の荒いオスがなかなか交尾に応じないメスを攻撃してしまう事故が多く起こります。
幸い、私は今まで経験してはいませんが、ヒラタクワガタではよくある事故です。
とくに外国産の大きなヒラタクワガタの場合、はさむ力が非常に強く、ほぼ一撃です。
国産(本土)ヒラタクワガタの場合、外国産ほどは多くはないのですが、起こりえます。
防ぐ方法としては、
①ハンドペアリング
②オスの大アゴを縛る
自分の手元で交尾させる方法で、メスの背中の三角形の部分(小循板)にオスの触角を接するように置く。
オスが攻撃しそうであれば、すぐに制止させる。
オスの内歯(大アゴの内側の大きく出た突起)に結束バンドなどを引っかけて大アゴを開かないようにする。
外国産や大型個体に有効。間違って指を挟まれないように注意!
ハンドペアリングと大アゴ縛りの両方を行うのが最も安全ですが、ヒラタクワガタは非常に神経質な性格なので、成功率は低いです。
さらに、大アゴを縛る方法は内歯の小さい国産ヒラタクワガタには難しい面もあります。
あくまで、私のやり方ですが、同居期間を短くとる(3~4日)ことでリスクを軽減しています。
同居期間は毎日様子を見ます。小さい本土ヒラタクワガタの場合はしっかり成熟したメスであれば意外と仲良くしています。
昼間に様子を見て、オスメスが仲良く近くで休んでいるようであればペアリング完了とみて、再び別居させます。
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私はそのまま産卵セットへ投入します。
早めに別居させるのは、交尾済みのメスが何度もオスに交尾を迫られて消耗してしまったり、攻撃されたりするのを防ぐためです。
産卵セットの作り方
ヒラタクワガタは産卵材にもマットにも産卵します。
産卵材はなくてもいいのですが、産卵の可能性を上げるためには入れておきたいですね。
産卵材とマット
産卵材は柔らかいものを好みます。
柔らかいものは渇いた状態で他と比較して軽いものを選びます。
産卵材はしっかりと加水します。陰干しは2~3時間ほど。
マットは重要だと考えています。私の場合、ほとんどが産卵材はほとんど手つかずでほぼマットに産卵していました。できれば粒子の細かいもの。発酵度合いは一次発酵マットでいいのですが、幼虫は二次発酵マットを好みます。
できれば発酵のやや進んだ一次発酵マット。
難しいですよね。
私が使うのは、フォーテック社の「産卵一番」という商品。
これはヒラタクワガタはもちろん、オオクワガタもノコギリクワガタも産卵させることができる優れもの。近くで売っていない場合は、ネットでも注文できるのでお勧めです。
産卵セット組み方
マットは加湿します。オオクワガタは少し乾燥気味がいいとされていますが、ヒラタクワガタはもう少し湿りがちで!
注意するのは
再発酵。
熱やガスが発生すると卵や幼虫にダメージを与えてしまいます。
ガス抜きはしっかりやっておきましょう。
セットに使うマットを大きな容器に広げて、加水します。
空気にさらすように広げて3~7日ほど日陰に置いておきます。
コバエやダニが入らないように不織布などで覆っておけると安心です。
ガス抜きが終わったら、加水します。
「力いっぱい握って水がしみ出てこないで、形が残るぐらい。」
産卵材は事前に2時間ほど加水して、2~3時間陰干ししておきます。
マットは底3~5㎝は固く詰めます。
上に産卵材をセット。
産卵材をマットで軽く埋め込みます。産卵材をしっかり埋め込むように軽く押し付けるぐらいで。
登り木とエサを投入
最後に交尾済みのメスを投入
産卵セットのマットは2か月近くこの状態のままになります。コバエの侵入を防ぐために新聞紙や不織布をフタに挟み込んでおきます。
産卵セットの管理方法
温度 23~28℃
置き場所 薄暗く静かで振動や衝撃がない場所
時期と温度
産卵セットを組む時期は、
5月中旬ごろ~9月後半ぐらい
でしょうか。
気温でいうと23℃以上が安定していること!
しかも30℃以下が望ましいです。
気温が30℃以上になると成虫の命も心配です。
産卵するとなると28℃くらいまでに抑えておきたいところです。
ですので、真夏はなるべく自宅の涼しい場所で管理するか、部屋ごと温度管理することも考えましょう。
卵や幼虫の入った産卵セットもできるだけ23~28℃の間で管理します。
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メスを取り出す時期
メスを産卵セットにあまりに長期間入れていると卵を産み続けて消耗してしまうことがあります。
また、高タンパクゼリーを入れていても、自分が産んだ卵や幼虫を捕食してしまう危険もあります。
だいたい産卵セットを組んで、産卵している気配が出始めて1か月くらいでメスを取り出した方が無難です。
産卵後1か月もすると最初に生まれた幼虫はだいぶ大きくなります。ゼリーを入れてあっても目の前に貴重なタンパク源があったら、食べられてしまうことも・・・。
産卵セットを組んで、うまくいけばすぐに産卵し始めます。
私も産卵セットを組んで3日ほどでケース底面に卵を確認できました。
1か月ぐらいでの産卵数は
10~20個ぐらい。
多いと30個にもなります。
「あまり多く増えすぎても困る」という方は、1か月待たずにメスを取り出して、産卵数を抑えることもできます。
取り出したメスは、充分にゼリーを与えて別のケースで休息させてあげましょう。
ただ、産卵セットは安静にしておきたいので、ゼリーを交換するときに地上に出ているときに取り出します。
ヒラタクワガタは恥ずかしがり屋なので、人が見ていると出てこなかったり隠れてしまったりと、意外と取り出すのも根気が要ります。
ゼリー交換は忘れずに。
ヒラタクワガタは一日にだいたい1~2個の卵を産みます。その間もエサを食べに地上に出てきます。
本土ヒラタクワガタのメスは小さいのでゼリー交換は3日ぐらいおきでも充分です。
ゼリーは「高タンパク」とか「プロテイン」と書いてあるものの方がおススメです。産卵には体内のタンパク質を多く消費するからですね。
乾燥と過湿に注意
産卵セットは、約2カ月の間崩さずにそのままの状態になります。
その間はなるべく安静を心がけましょう。
ということは、気になるのがマットの状態。
ヒラタクワガタは少し湿り気のある場所を好みますが、あまりに加湿しすぎると卵がうまく孵化できなかったり、卵がカビてしまったりすることがあります。
ケースの側面をみて、上部の乾燥した部分が2~3㎝ぐらいになったら、少しずつ霧吹きなどで加水しましょう。
ケースのフタには新聞紙や不織布などをはさんでおくだけでも乾燥しにくくなります。
幼虫の割り出しはセットして2か月待つ。
卵の期間は2週間~4週間
産卵セットにメスを投入してから1か月ぐらい経過したら、メスを取り出しますが、産卵セットはまだそのまま!
早く割り出したい気持ちはわかりますが、
もう1か月ぐらい待ちます。
卵の状態で割り出すと
破損
見逃し
のリスクがあります。
なので、メスを取り出して4週後、少し大きくなるのを待つなら5週間~6週間後までは、熟成させるつもりで待ちます。
卵での割り出しは危険
本土ヒラタクワガタの卵は非常に小さく1㎜ほど。
色は白~黄色。
材やマットから発見するのはベテランの方でも大変です。
その小さい卵から生まれたばかりの幼虫はもっと小さいです。
そして、か弱い状態。
少し成長して大きくなるのを待った方が、リスクを軽減できます。
割り出し後はマット飼育でも菌糸ビンでもOK。
割り出し後は、10日ほど産卵セットに使っていたマットを小さいカップに入れて様子をみます。
そのあとは、菌糸ビンでもマット飼育でも可能です。
カップで様子をみている期間に、幼虫の数だけ用意しておきましょう。
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産卵しないときのチェックポイント
割り出しても、
卵も幼虫もいない!
ってときに注意しておきたいポイントです。
オス・メスともに成熟しているか。
→エサをたくさん食べているか確認する。
ペアリング(交尾)が不完全だった可能性。
→もう一度同居させてみる。
気温が不安定だったかも。
→室温や置き場所を調整する。
マットや産卵材の加湿具合の見直し。
→新しいマットや産卵材を使い、再度産卵セットを組んでみる。
とはいっても、ヒラタクワガタも生き物。
産卵がすべてうまくいくとは限りません。
チェックするポイントを見直して、再挑戦してみましょう。
最後に。
ヒラタクワガタは子供のころ産卵させようとしたことがありました。
当時、今のように飼育方法がしっかり確立されていなかった時代でした。昆虫図鑑を見ながら一生懸命飼育ケースを作ったのを覚えています。
もちろん失敗でした!
今思えば、ヒラタクワガタ同士だったのかも怪しい。。。
今は飼育技術も広がって簡単に繁殖させられるようになりました。
楽しい時代ですね。
ヒラタクワガタの産卵セットをつくるのに必要なものが入ったセットです。専門店の商品なので信頼できますよ!
ヒラタクワガタも意外に簡単に産卵してくれます。
ぜひヒラタクワガタを手に入れたら、私のやり方を参考に挑戦してみてくださいね。
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