国産【クワガタ】簡単にできる!菌糸ビン飼育の方法と注意すること!

こんにちは。ケンスケです。

朽ちた木の切り株

 

私が子供の頃、クワガタの幼虫を飼育するのは、なかなか敷居の高いものでした。

というのは、現在のように飼育方法が確立されておらず、「材飼育」が基本となっていたのです。

「材飼育」とは、朽ち木のなかに幼虫を入れて、長い期間をかけて幼虫を羽化させるものです。

羽化するまでに長い期間を要するために、その間に環境の変化や興味を失ってしまうなどで羽化させることも難しかったのです。

ですが、現在では「マット飼育」「菌糸ビン飼育」ともにクワガタを羽化させることは容易になっています。

今回は初めての方でも簡単にできるように、菌糸ビン飼育を説明していきます。

マット飼育を説明した記事もご一緒にご覧ください。

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ノコギリクワガタ蛹

ヒラタクワガタの前蛹

国産【クワガタ】簡単にできる!菌糸ビン飼育の方法と注意すること!

菌糸ビン飼育とは?

菌糸ビン飼育とは、クワガタの幼虫が栄養を摂取しやすいように、オガクズをキノコの菌糸で分解させた容器で飼育するものです。

幼虫の成長に必要な栄養が添加されていたり、水分を調整してあるのでクワガタの幼虫を中に入れてあげるだけで、大きく早く育ちやすい飼育方法です。

各社でいろいろな菌糸ビンが販売されているので、いろいろと試してみるのもおもしろいですよ。

私がよく使っているのは、DOS社の「こだわりのSRDシリーズ」。安くて、品質もバッチリ。クリアボトルなので中の様子も確認しやすいのでおすすめです。

「リグニン」を分解できるのは自然界でキノコだけ!

キノコが生えた朽ち木

クワガタの幼虫は、「木材」や「発酵マット」を食べて成長します。
ただし、クワガタの幼虫は生の木材を消化できるわけではありません
自然界では「朽ち木」(枯れた枝や幹、根が分解されたもの)の中に住み、それらを食べることで成長しています。

木材の成分に「リグニン」「セルロース」というものがあります。

クワガタの幼虫はセルロースは分解することができるのですが、それと密接に結びついた「リグニン」は分解することができません

リグニンは木の細胞壁どうしを強く結びつけている物質です。
(ちなみに「セルロース」は食物繊維といわれていて、ヒトは分解できません。)

そのリグニンを分解できるのが「白色腐朽菌」とよばれるキノコの菌なんです。

リグニンは褐色。木の色です。一方セルロースは白色。
腐った木って、なんとなく白っぽくなっていませんか?
そして、朽ち木はポロポロともろくなっていませんか?

林の中の朽ち木

で、朽ち木にはキノコが生えてきますよね。

「白色腐朽菌」によって、リグニンが分解された倒木や折枝はもろくなって、クワガタやシロアリたちがさらに細かくします。

こうして、枯れた木や枝、根はさらに微生物に分解されて「土」に還るんですね。

オガクズにキノコを植菌すると?

キノコが生えた菌糸ビン

菌糸ビン飼育のもとは、シイタケのホダ木にクワガタがよく産卵することが発見されたことが発端になったそうです。

菌糸ビンとは、
広葉樹(多くはクヌギやコナラ)の木材を粉砕したオガクズにキノコの菌を植菌することで、リグニンを効率よく分解してクワガタが食べられる状態にしているものです。

フスマ(小麦のもみがら)などの添加剤を入れて、より効率的にリグニンが分解されやすくなっているものが、各社でクワガタ幼虫飼育ように販売されています。

クワガタ用の菌糸ビンに使用されるキノコは、
ヒラタケ・オオヒラタケ・カワラタケ・シワタケです。

この菌糸ビンの中で幼虫を飼育することで、クワガタも栄養を効率的に摂取できるようになり、大きく早く成長しやすいのが特徴です。

菌糸ビン飼育のメリットとデメリット。

メリット
成長が早くなりやすい。
大きく成長しやすい。
水分調節の手間が必要ない。
デメリット
マット飼育よりも費用が高くなる。
菌床飼育になじまない幼虫もいる。
ビン交換時に幼虫を傷つけやすい。

菌糸ビンで飼育しやすい国産クワガタ。

日本に住むほとんどのクワガタで【菌糸ビン飼育】が有効です。

ですが、一部【マット飼育】のほうが適しているといわれるクワガタがいます。

菌糸ビン飼育は、発酵が浅いものを好むクワガタに適していて、より土に近い高発酵のマットを好むクワガタにはマット飼育が適しています。

菌糸ビン飼育で育ちやすい国産クワガタ

ヒラタクワガタ成虫

オオクワガタ
コクワガタ
ヒラタクワガタ
ノコギリクワガタ
アカアシクワガタ
スジクワガタ
などほとんどの国産クワガタ
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菌糸ビン飼育で育ちにくい国産クワガタ

ミヤマクワガタのオス

ミヤマクワガタ

唯一菌糸ビン飼育で育ちにくいのがミヤマクワガタ。
自然のミヤマクワガタはもっと発酵の進んだ土に近い部分(根)で生活していることが多いです。

ノコギリクワガタも「根食い系」といわれ、発酵の進んだ場所を好みますが、菌糸ビンでもマットでも同じように育ちやすいです。

なので、少し劣化の進んだ菌糸ビンや他の幼虫で使った菌糸ビンをノコギリクワガタで使う人もいます。(やってみるときは自己責任で!)

どのキノコの菌糸ビンを使用する?

シイタケの原木栽培

国産クワガタはどのキノコの菌糸でも育ちますが、キノコによってちょっとずつ特徴が異なります。

ヒラタケ・オオヒラタケ
最も一般的で安価な菌糸ビンです。
どのクワガタもよく育ちやすいのが特徴です。
カワラタケ
クワガタが「より早く育ちやすい」といわれていることも。
ただし、ヒラタケ系よりも少し高く、高温に弱く扱いが難しいという難点も。
ヒラタケ系で育ちにくい外国産のクワガタによく使われます。
シワタケ
最近、新しく使用されるようになってきた菌種です。
キノコができない・大きく育つ・暴れ(無駄な体力の消耗)が少ない・劣化しにくいなど魅力的です。
あまり市場に出回っていない、高価なのが特徴です。

クワガタ幼虫を菌糸ビン飼育する方法。

オオクワガタの菌糸ビン飼育

①購入後は1~3日待つ!
②菌糸ビンの上部を取り除く。
③幼虫よりも少し大きく穴を掘る。
④幼虫を優しく入れる。
⑤幼虫が潜っていくのを待つ。

①購入後は1~3日待つ!

新しい菌糸ビン

菌糸は15℃以上になると活動が活発になります。そのため、お店で菌糸ビンが保管されているのは、冷蔵庫。

多少の移動時間があっても、内部はまだ冷たい状態の可能性があります。
そのなかにクワガタの幼虫を入れてしまうと、急激な温度変化に耐えられない可能性がありますよね。

なので、菌糸ビンは購入してから使用するまで1~3日使用する環境に置いておいて温度が均一になるのを待ちましょう。

ネットで注文した場合でも、夏場は「クール便」で発送されていることがほとんどです。
それ以外の場合でも一応、1日ぐらいは待ったほうがよいでしょう。

②菌糸ビンの上部を取り除く。

菌糸ビンはほとんどが上部まで詰まっています。
それにクワガタの飼育温度になると、菌糸は活発に伸びます。さらにはキノコが生えてきたりします。

このときに酸素を多く消費します。
上部までオガクズが詰まっていると上部の通気口も詰まりやすく、ビン内の酸素が足りなくなってしまうことも。

フタとの間に少し隙間があることで通気性を良くしておいてあげましょう。

③幼虫よりも少し大きく穴を掘る。

菌糸ビン

幼虫は地上に長くいることを嫌います。
天敵に食べられないように!ですね。

幼虫が潜りやすいように、幼虫を入れる前に少し大きめの穴を開けておきます。

④幼虫を優しく入れる。

幼虫を投入

人間の手には、常在菌や雑菌がたくさん存在します。中にはクワガタの幼虫が対応できないものもいるかもしれません。

なるべく幼虫には素手では触れずに、きれいなスプーンで優しくすくって菌糸ビンに入れてあげましょう。

このとき、頭を下にして先ほど掘った穴に入れてあげると潜りやすいです。

くれぐれも乱雑に扱わないように。

⑤幼虫が潜っていくのを待つ。

幼虫が弱っていたり、菌糸ビンの環境が悪いと潜っていかないことがあります。

そんなときにはすぐに戻せるように、きちんと幼虫が潜っていくのを見守りましょう。

菌糸ビンの飼育での注意!

菌糸ビンに潜る幼虫

菌糸ビンの飼育は簡単です。
ですが、いくつか注意点があります。要点を抑えて幼虫を元気に育ててみましょう。

①菌糸ビンの保管は冷暗所。
②衝撃は与えない!
③菌糸ビンは雑菌に弱い。
④投入前に菌糸ビンを常温にしておく。
⑤生えてきたキノコを取り除く。
⑥酸欠に注意!

①菌糸ビンの保管は冷暗所。

菌糸は、環境の変化によって活発に成長することがあります。
とくに15~18℃の温度では活発に菌糸を伸ばし、酸素・栄養を消費します。

菌糸ビンは時間が経てば経つほど劣化していくものです。使用する分だけ購入することが望ましいですが、やむを得ず保管する場合は冷暗所にしましょう。

温度が高い場所に放置すると確実に劣化します。

菌糸ビンの劣化
色が黄色くなってきたり、カビが生えたり、縮んでビンとの間に水が溜まったり。
クワガタが食べる栄養分がどんどん少なくなってしまいます。
またそうなると雑菌が発生して、クワガタの飼育環境に適さなくなることも。
★夏場の高温に要注意!
夏場に温度が高い状態(28℃以上)で飼育しなければならない環境では、菌糸ビンが劣化しやすいです。
このような環境で飼育をする場合は、
換気をよくする。
早めに菌糸ビンを交換する。
菌糸ビン飼育を諦めてマット飼育にする。
高温の状態が長く続くと、菌糸ビンの鮮度どころの話じゃなく、クワガタ幼虫の生命も危ぶまれます。まずは、成長よりも無事に羽化してくれることを優先しましょう。
エアコンで温度管理でいている場合は、28℃を超えないように設定しておきましょう。

②衝撃は与えない!

キノコは衝撃がきっかけに生えてくることがあります。
まだ幼虫が入っていない菌糸ビンでも丁重に扱うべきです。

キノコが発生するとクワガタの幼虫に必要な酸素と栄養がキノコにとられてしまうのです。

③菌糸ビンは雑菌に弱い。

菌糸によって、クワガタが分解できない「リグニン」を分解しています。
大切なキノコの菌糸は雑菌に弱いのです。

菌糸を扱う時は、触る手やスプーンを清潔にしておく必要があります。

④投入前に菌糸ビンを常温にしておく。

菌糸ビンは冷蔵庫で保管されていることがほとんどです。
前述しましたが、そのまますぐに使用してしまうと、幼虫が急激な温度変化についていけないことがあります。

冷蔵庫から出したら1~3日は常温にて温度を合わせておきましょう。

⑤生えてきたキノコを取り除く。

菌糸ビンからキノコ

菌糸ビン飼育をしていると、キノコが発生することがあります。
キノコを栽培するものを使っているので、それ自体は問題ありません。

ですが、そのままにしておくとキノコが通気孔を塞いでしまったり、栄養分を取られてしまうのです。

生えてきたキノコはこまめに取り除きます。

⑥酸欠に注意!

菌糸は、「購入してからの移動」や「幼虫を入れるために穴を掘る」などの刺激で壊れます。

さらに幼虫が菌糸ビンの中を掘り進むことによってさらに菌糸は壊されることになります。

菌糸は破損すると再生しようとして、熱を持ったり酸素を多く消費します。

クワガタも呼吸で酸素を必要とするので、クワガタが酸欠になる恐れがあります。

クワガタが潜らなかったり、上部に出てきてしまうようなら酸欠の恐れがありますので、取り出して、オガクズに穴をあけて酸欠を防ぎましょう。

このとき、すのこなどに載せて(通気孔を塞がないため)容器をひっくり返しておくと容器内の二酸化炭素が抜けやすくなります。

菌糸ビン交換の目安

交換時期が遅れた菌糸ビンちょっと交換が遅くなるとこのようにほとんど「食痕」状態に!

【菌糸ビン交換】について詳しく解説した記事はこちらです。

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○食痕(幼虫が食べ進んだ跡。黒っぽい)が2/3ぐらいになったら。

幼虫が菌糸ビンの中で食べ進んだ跡は黒っぽくなります。
ただ移動しただけだとオガクズの色になります。

黒っぽい部分が2/3ぐらいになったら交換の時期です。

○2~3ヶ月。

夏場は傷みやすいので2ヶ月ぐらい。
その他は3ヶ月ぐらい経ったら、まだ食痕が少なくても交換します。

クワガタの「暴れ」。菌糸ビン交換後などに起こる幼虫がケース内を移動し続ける行動です。交換後2週ぐらいで菌糸ビンの大部分がオガの色になります。詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

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○菌糸ビンの劣化

菌糸ビンの色が黄色っぽくなってしまったり、カビが生えてしまうと劣化の証拠。

ただし、青いカビは少し様子をみてもいいです。
上部に青いカビが生えたらその部分を削り取ってください。

それでも広がってしまうようなら新しいものにしたほうがいいかもしれませんね。

また、古くなってくるとなかの菌糸が回ったオガクズが縮んで容器の隙間に水がたまることがあります。

最後に。

菌糸の底に蛹室

クワガタ飼育は昔と違って、今では簡単に楽しめるようになりました。
菌糸ビン飼育が普及してから、多くの人が大きなクワガタを飼育できるようになったのです。

今でも、新しい飼育法を模索中の方々もいます。
大きくそして早く育てるために自分で工夫できるのもクワガタ飼育の魅力です。

菌糸ビン飼育は初心者でも簡単に大きなクワガタを育成できる手段です。

あなたも元気なクワガタを菌糸ビンで育ててみてくださいね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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