【オオクワガタ】繁殖の時期は?常温飼育のスケジュールを把握しよう!

こんにちは。ケンスケです。

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オオクワガタを繁殖させようと思っている方が気になるポイント。

「いつ産卵セットを組めばいいのか?」
「幼虫はどれくらいで羽化するの?」
「羽化した成虫で来年も繁殖させたい!」

ネットで探してみても、みなさんこだわりがあってさまざまですよね。

それもそのはず、み~んなそれぞれ条件が違うからです。
温度管理、マットの種類、オオクワガタの産地、住んでいる地域・・・。

ということで、【オオクワガタ】を繁殖させてみようと思っている方は、一度スケジュールをたててやってみるのはいかがでしょうか。

もちろん生き物の飼育は、スケジュール通りにいかないこともしばしば。
よ~く観察しながらスケジュールを組みなおして実践してみてくださいね。

幼虫

【オオクワガタ】繁殖の時期は?常温飼育のスケジュールを把握しよう!

オオクワガタスケジュール

 

常温飼育、幼虫は菌糸ビンで育成。

オオヒラタケの菌糸ビン

スケジュールをたてる時に、ご自分の飼育環境をみてみましょう。

夏季・冬季に温度管理するかどうか。
幼虫の飼育は菌糸ビンでいくか、マット飼育でいくか。

いろいろな組み合わせができると思います。
それによって飼育スケジュールが変わってきます。

まずは異論も出るかもしれませんが、今回は基本となる、

温度管理をしない(常温飼育)
幼虫は菌糸ビンで育成
とくに大きさは狙わず自然に任せる

という条件で提案してみたいと思います。

住んでいる地域によっても気温や季節の長さが変わります。今回は東京あたりを想定していますので、住んでいる地域の事情も考慮してみてくださいね。

ちなみに、冬場に菌糸ビンを加温すると羽化までの日数は短くなります。
菌糸ビンではなく、マット飼育にすると羽化までは長くなります。

【オオクワガタ】の繁殖が初めての方は、できれば約1年で(次の年の秋までに)羽化までいける菌糸ビン飼育がおすすめです。

この記事では5月に産卵セットを組むのを提案していますが、オオクワガタは5月~9月の暖かい時期であれば産卵します。
あなたに合ったタイミングでうまくスケジュールを組んでみてくださいね。

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ペアリング(交尾)の時期

ペアリングセット

オオクワガタの産卵する気温は、

20℃~26℃

少し高くても28℃ぐらいまででしょうか。

時期としては、20℃を安定して超えてくるのは5月初旬。
このころに産卵セットを組んでおきたいので、ペアリングは、

4月終わりごろ

に済ませておきたいですね。

それまでに成熟したオオクワガタのペアを入手しておきたいですね。

ペアリングの期間は3日~7日間ほど。
メスには高タンパクのゼリーを与えておきましょう。


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産卵セットを組む時期

産卵セット

4月後半の暖かくなり始めの時期にペアリングさせたオオクワガタのメスを産卵セットに投入してみましょう。

5月初旬

がおすすめです。

ちょうどゴールデンウィークのころですね。
この時期は暑い日も出てきて、25℃を超えることもあります。
メスも産卵しやすい気候です。

メスを投入した産卵セットは、暗めの静かな場所に置いておきましょう。

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メスを取り出す時期

オオクワガタメス

メスを取り出すのは、産卵セットにメスを入れてから約1か月後。

6月上旬

メスがエサを食べに地上に出てきているときに取り出します。

メスが潜ったまま出てこないときは無理に取り出す必要はありません。産卵セットはそのままにしておきましょう。

この時期には、セットに入れた産卵材にかじった後があったり、産卵材の木クズがケース側面に見えたら産卵している可能性大です。

そのような産卵の兆候が見られなければ、もう一度ペアリングからやり直してもいいかもしれません。

取り出したメスは、別のケースで高栄養のゼリーで回復させるか、新しい産卵セットに移してもう少し卵を産ませるかします。

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産卵セットの割り出し時期

産卵材の中の幼虫

メスを産卵セットから取り出してさらに1か月ほど待ちます。
この期間は、卵が孵化するのを待つのと孵化した幼虫を成長させる時間です。

7月上旬

いよいよ割り出しましょう。

幼虫も大きいものとまだ小さいものがいるはずです。
これは産まれた時期が違うのと成長速度の違いからくるものです。

割り出した幼虫たち

割り出した幼虫は1週間ほどプリンカップなどで経過観察します。
順調に成長しているか確認するためです。

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幼虫を菌糸ビンに投入

菌糸ビンに投入

割り出した幼虫を菌糸ビンに投入します。
あまりにも小さすぎる幼虫は、菌糸に負けてしまうことがあるので、もう少し大きくなってから(丸くなった状態で2㎝ぐらい)が無難です。

この時期は、500㏄~800㏄の菌糸ビンが最適です。

7月中旬

菌糸ビンは暑い時期は劣化しやすいので涼しいところに置いておきます。

幼虫よりも大きな穴を掘って、頭が下になるように置いてあげると自分で潜っていきますよ。


この菌糸ビンは値段も質もばっちり。オオクワガタ初心者の方にはピッタリです。

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菌糸ビンの交換

菌糸ビンの交換

菌糸ビンの交換の時期は3か月ほど。
または、菌糸ビンの黒っぽくなった部分が1/2~2/3ぐらいになったら。

9月下旬~10月上旬(1回目)

夏場は菌糸ビンの劣化が早いので、こまめに様子をみておきます。
800㏄の菌糸ビンを使います。

ビンの側面に水分がついてきたり、黄色っぽくなってきたりしたら劣化が始まっている証拠。この時期は食欲も旺盛なので早めに交換してたくさん食べさせておくと大きく成長してくれるかもしれません。

2回目の菌糸ビン交換は、3か月後に行いたいところですが!

気温も低い時期ですので、菌糸ビンの劣化速度も遅いはず。

気温が少し上がり始める

 

3月上旬~下旬

大きい幼虫は1400ccに、メスや小さめの幼虫は800㏄の菌糸ビンを用意します。
2回目の菌糸ビン交換では、中が観察しやすいように透明な容器を使うと蛹室を作る様子をみられるかもしれません。

4月中旬~下旬

幼虫が前蛹になっていなければ、もう一度交換してもいいです。
メスや成長の早いオスはこの段階で蛹室を作っている可能性があります。(透明な容器にするのは蛹室を確認するため)

蛹室を作っていそうな時は交換を見合わせてそのまま羽化まで待ちます。
菌糸ビンの劣化が激しい時やまだ蛹室を作っていないようであれば、交換してみましょう。

このとき、蛹室を壊してしまった場合は、人口蛹室に移します。
人工蛹室は羽化不全になる危険性が増すのでなるべく使わない方がいいのですが、蛹化や羽化を間近にみるチャンスでもありますよ。

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蛹化と羽化

オオクワガタ蛹

このスケジュールでいけると、

5月~6月には蛹化

7月ごろ羽化(蛹になって約1か月)

してきます。

気温や管理方法によっては1か月ぐらいは前後するかもしれませんね。

夏に羽化した個体は、その後、休眠期間に入り、気温の低い秋と冬をむかえます。

オオクワガタ羽化

この時期に羽化した個体は越冬させることで、翌年に性成熟して産卵することができます。
(エサを食べるなど活動を始めてもこの夏に繁殖に使うのは難しいです。)

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まとめ。

幼虫

ペアリング(交尾):4月下旬
産卵セット:5月初め
メスを取り出す:6月上旬
幼虫割り出し:7月上旬
菌糸ビン投入:7月中旬
菌糸ビン交換(1回目):9月下旬~10月上旬
菌糸ビン交換(2回目):2月上旬~下旬
菌糸ビン交換(3回目):4月中旬~下旬
蛹化:5月~6月
羽化:7月ごろ(蛹になって約1か月)

5月に「産卵セット」を組むメリットとしては、孵化したての幼虫の時期が6月~7月の暖かい時期にあたるので、成長が早いこと。

幼虫のいちばん弱い時期を早く成長させて大きくさせてしまう作戦です。幼虫が☆になってしまうことを「落ちる」といいますが、「落ちる」確立を下げることができます。

幼虫がある程度大きくなってから、暑い季節と寒い季節を乗り越えさせることができるんですね。

これが9月に産卵セットを組むと割り出しが11月。気温が低い時期は活性が下がっているのでエサもあまり食べず、大きくなることができません。

大きくできないまま冬をむかえることになるんですね。
その分、翌春の成長も遅くなります。大きく成長させるのが難しいのと、もしかしたらもうひと冬幼虫のまま過ごさなければいけないんですね。

最後に。

メスの羽化

なんとなくイメージできたでしょうか?

オオクワガタの繁殖でたくさん成果を上げている方々は、みなさんそれぞれで工夫や改良しながら楽しまれていますね。

もしかしたら、もっとうまいスケジュールがあるかもしれません。ご自分の飼育条件に合わせて「明るい繁殖計画」をたててみてくださいね!

私もがんばって追いつけるようにいろいろと工夫しながらやってみたいと思います。
そのときは、また記事にしたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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