こんにちは。ケンスケです。
カブトムシやクワガタの幼虫って、孵化したてはほんとにちっちゃいですよね。
でも、冬が明けてマット交換をしてみると長さも10センチを超えるぐらいの大きさになっていてびっくりしたことはありませんか?
幼虫は成長するために「脱皮」(だっぴ)を繰り返して、大きくなっているのです。
昆虫は幼虫時代から何度か脱皮します。
モンシロチョウやセミは4回
アゲハチョウやトノサマバッタは5回
キリギリスは6回
などなど、それぞれの昆虫で脱皮する回数が違うんです。
ということで、今回はカブトムシやクワガタについてみていきましょう。
『カブトムシ&クワガタ。幼虫の成長段階。初齢・2齢・3齢の見分け方!』
幼虫は蛹までに2回脱皮する。
↑産卵セットを割り出したヒラタクワガタの幼虫
幼虫が卵から孵化して、大きく成長して蛹になるまでに2回脱皮をします。
そして、最後にもう一度脱皮をして蛹になるわけです。
幼虫の成長段階に応じて「~令幼虫」と呼びます。
(正確には「齢」と書きますが今回は便宜上「令」で統一します。)
↓
1令幼虫(初令幼虫)
↓
2令幼虫
↓
3令幼虫(終令幼虫)
↓
前蛹
↓
蛹
↓
新成虫
卵から孵化したての幼虫を1令幼虫と呼びますが、「初令幼虫」といったりもします。
蛹になる前の3令幼虫のことは「終令幼虫」ともいいます。
成長段階を見分けるには「頭の大きさ」を見ろ!
何度か幼虫を飼育してみて、なれてくるとなんとなく見分けられるようになってくるのですが、最初は「幼虫が今、何令か?」分かりづらいですよね。
そんなときに見分けるポイントが、
頭の大きさ!
身体は成長してどんどん大きくなっていきますが、「頭」部分は脱皮をしない限り大きくなりません。
ってことは、頭の大きさをみればその幼虫の成長段階がわかるのです。
でも、成長段階での頭の大きさをわかっていないと見分けることができませんよね。
虫屋(昆虫好きの人々のこと)の人たちは「頭幅」(とうふく)といって頭の横幅で令数を判断しています。
だいたいですが、カブトムシ(国産)とオオクワガタ(国産)の頭の大きさを見ておきましょう。
飼育環境や遺伝によって幼虫の大きさはずいぶんと違いがありますので、参考程度にみてくださいね。
国産カブトムシ
頭幅2mmぐらい
1~2週↓脱皮
2令幼虫(体長2~3cm)
頭幅5mmぐらい
3~4週↓脱皮
3令幼虫(体長4~11cm)
頭幅8mm以上
国産オオクワガタ
頭幅2mmぐらい
2~3週↓脱皮
2令幼虫
頭幅5mmぐらい
3~4週↓脱皮
3令幼虫
頭幅8mm以上
※クワガタの大きさは種類によって、飼育環境によってかなりの違いが出ることがあります。
↑ヒラタクワガタ2令幼虫。
脱皮したばかりの幼虫は頭が白いんです!
時間がたつとオレンジ色に色づいてきます。
脱皮直後は身体のわりに頭が大きくみえますよね。
身体の大きさに惑わされるな!
カブトムシやクワガタの孵化したての1令幼虫はほんの数mmの大きさ。
2令から3令幼虫の時期には、エサをどんどんたべてかなり大きく成長します。
同じ2令幼虫でも初期(脱皮したて)と後期(脱皮後時間が経過)では、身体の大きさにすいぶん差があります。
↑写真はカブトムシの2令幼虫。大きさは違いますが頭の幅は同じぐらいですよね。
オオクワガタは結構わかりやすいです。
↑1枚めは身体は大きめですが、頭はちっちゃい。
↑2枚めは身体は小さいですが、頭幅が大きいです。(2令幼虫初期)
↑3枚めはなんとなくバランスがとれた感じの2令幼虫(中期)。
ほとんどが身体と頭幅は比例していきますが、身体の大きな2令幼虫、脱皮直後の3令幼虫では大きさはほとんど変わらなかったり、逆転していたりすることもあるので、間違えないようにしましょう。
カブトムシの成長
カブトムシの成長を画像でみていきましょう。
大きさや成長する期間については、飼育環境や地域差がみられるのであくまで参考までに御覧くださいね。
カブトムシの初令幼虫
卵から孵化して約2週間で脱皮して2令幼虫になります。
最初は体長3~4mmぐらいの弱々しい姿ですが、2週間ぐらいで体長も5倍ぐらいになります。
孵化したての幼虫の育て方
⇒カブトムシの幼虫。生まれたて(孵化)の時期に注意すること。
カブトムシの2令幼虫
孵化後2週間もするとカブトムシの幼虫は2令幼虫へと成長。
まだ気温の高い8月~9月にかけて食欲も旺盛。
どんどん食べて4週ぐらいでもう一度脱皮します。
この頃には体長も3cmぐらいになっています。
エサを切らさないようにフンが目立ち始めたら早めにマット交換をしておきましょう。
⇒【カブトムシ】幼虫。初心者でも簡単。マット交換と育て方を紹介!
カブトムシの3令幼虫
寒くなるまでにぐんぐん成長する時期です。
寒冷な地方だったり、産卵が遅かった幼虫たちはこの時期の成長が早いそうです。
寒くなるまでにある程度の大きさになっておく必要があるんですね。
冬季はあまり動かず、マットも食べずにじっとしていることが多いです。春になり気温が上がりだすとエサを食べてもう一段階大きくなります。
冬の飼育管理⇒カブトムシの飼育・冬の管理編
カブトムシ幼虫の越冬。飼育温度と準備。⇒国産カブトムシ幼虫。越冬中の温度はどれくらいがいい?加温の必要は?
カブトムシの前蛹
早いと4月後半、普通でも5月に入るとカブトムシの幼虫は黄色っぽくなります。
そしてエサを食べなくなり・・・少ししぼんだようになります。
足と口が固まったようになり、丸くなっていた身体が伸展してくると、
前蛹
蛹になる直前の段階です。
マット内に蛹室をつくり前蛹で1~2週間。
いよいよ「蛹化」(ようか)です。
長かった幼虫時代も終わり、地上で羽ばたく未来が待っています!
蛹の時期には注意が必要です。⇒【カブトムシの蛹(サナギ)】5月・6月の飼育管理とトラブルの対処法!
カブトムシの幼虫。春が来たらやること!⇒カブトムシ幼虫飼育。春が来たらやっておくこと。大きな成虫に育てよう!
最後に。
↑割り出したコクワガタの幼虫。1令から3令にまで成長していた!
カブトムシもクワガタも成虫でいる期間に比べて、幼虫の時代が長い種類が多いですよね。
その長い幼虫時代にうまく成長させることが、大きくて立派な成虫を育てるコツです。
そのためには幼虫をよく観察して、成長段階にあった飼育環境を提供することが大事になってきます。
この記事がカブトムシ・クワガタ飼育の助けになっていただければ幸いです。
オオクワガタ飼育も楽しんでみてくださいね!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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