こんにちは。ケンスケです。
カブトムシやクワガタを捕まえたいときに見る場所といえば・・・、
樹液の出ている木!
そう、正解です。
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ですが、場合によってはもっと採集できる可能性のある場所があるんです。
それは・・・
外灯まわり!
もちろん街中の外灯ではありません。
自然が豊富な地域の外灯です。
キャンプ場や山道の外灯、自動販売機に虫がたくさん集まっている光景をみたことありませんか?
夏場に活動する夜行性の昆虫たちの多くは、
「光に集まる習性」
があるんです。
どうしてなのか、気になりますよね。
『飛んで火に入る夏の虫。カブトムシやクワガタが光に集まる理由とは?』
灯りに集まる虫たち。
カブトムシやクワガタの採集方法に、
外灯採集
ライトトラップ
というのがあります。
生息地域近くの街灯や自販機の灯りに集まるカブトムシやクワガタを採集する方法。
灯りのない山の中で、強力なライトで虫を集めて採集する方法。
夏休みにキャンプをしていると、野外にある自動販売機にビッシリと蛾や羽虫がくっついている光景をよくみかけます。
そばには、その虫たちを狙うヤモリやカエル、カマキリたちの姿も。
実は、光に集まるのは山の虫たちだけじゃないんです。
夜間に堤防などで釣りをするとき、
「外灯周り」「光が当たる場所」を狙え!
な~んてきいたことありませんか?
漁船なんかに「集魚灯」っていうのもついていたりしますね。
イカ漁船の集魚灯
これは、「魚が光に集まる」わけではないんです。
プランクトンが光に集まる。
↓
プランクトンを食べに小魚がくる。
↓
小魚を食べに大きな魚がくる。
ライト近くに来た魚たちは食べる気満々なので、「よく釣れる!」ってわけですね。
話が逸れましたが、生き物の中には光に反応して集まってくる習性をもつものがいるんですね。
これを「走光性」(そうこうせい)っていいます。
カブトムシを飼育しているときに、夜間羽ばたき音が聞こえてくることがありませんか?
もしかしたら、どこかから漏れる光に反応して飛び立とうとしているのかもしれません。
ケース内であまり飛び立っているとフタなどにぶつかって弱ってしまうことがあります。
窓から漏れる光を遮断すると静かになることがあります。
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「走光性」(そうこうせい)とは?
光に集まる習性のことを「走光性」とか、「正の走光性」とかいいます。
カブトムシやクワガタ、蛾などの昆虫がそうですね。
逆に光を嫌う習性のことを「走暗性」(そうあんせい)とか「負の走光性」とかいいます。
「ミミズにライトを当てると、光から逃げる。」っていう実験をやったことありませんか?
これが「走暗性」ですね。
メダカは流れに対して、逆向きに泳ぎ、その場にとどまろうとしますね。
これは「走流性」です。
生き物には生まれつき、何かしらの習性があります。
「正の走光性」をもっているカブトムシやクワガタたちは、もともと「月の光」に対して一定の角度で飛ぶ習性があります。
月は空の遠くで上から地球を照らしています。
月の光は上方から地面に向かっている光なので、直角に飛ぶと地面に平行に直進して移動することができるわけです。
月の光を目印にして飛翔していると考えられているんです。
繁殖のためには、オスとメスが出会わなければなりません。
もしかしたら虫たちは、月の光が出ているときに林の中を出歩くことで、異性と出会えることを分かっているのかもしれませんね。
(あくまで私の仮説です。)
外灯(光)に集まる理由とは?
空から地面に向かって垂直に近い角度で、月の光は照らしていますね。
人工の光(外灯)は、月よりもよっぽど近い距離です。その光は光源から放射状に広がっています。
人工の光を昆虫たちは月と勘違いしてしまいます。
この光に直角に飛ぶと放射状に広がっているので、光の周りをぐるぐる回ることになるのです。(下図参照)
よく外灯を見ていると、蛾や小さい虫たちが外灯周りを狂ったようにぐるぐる回っているのをみかけます。
通常、月は遠いところにあるのでいくら飛んでも近づけはしないのですが、外灯には容易に到達してしまいます。
外灯近くは光がいろんな方向に広がっているので、混乱してぐるぐる回ってしまうようです。
回っているうちに螺旋状にどんどん光に近づいていってしまうのです。(光線に対して90℃以下の角度で飛ぼうとすると!)
そのうちに光源にぶつかったり、方向感覚がなくなったりして地面に落ちたりします。
「外灯採集」(灯火採集)では、人工の光に飛んできた虫を採集します。
このとき、見てほしいのが
光が当たっているところ。
だけじゃなくて、
その周りの暗くなっているところ。
飛んでいるときは、虫は光に向かう(走光性)のに対して、着地すると暗いところに逃げよう(走暗性)としていることがあるんです(夜行性だけあって)。
そう、「外灯近くの樹」についていることが結構多いんですよ。
外灯の近くの樹にいたコクワガタ
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LEDライトには集まりにくい!
どんな照明にも虫が集まるわけではありません。
ポイントは、
紫外線
少し前までは、野外の照明は蛍光灯や白熱灯が主でした。
ただ、この数年で外灯のLED照明が普及してきました。
「省電力化と交換頻度を抑えられる、虫が寄らない」ことで屋外の照明がLEDに変わっていっているんですね。
蛍光灯や白熱灯には、紫外線が含まれています。
LED照明には紫外線はないか、ほんの微量であることがほとんど。
月が光るのは、実は太陽の光を反射しているから。
ということは、紫外線も抜群に含まれているのです。
照明に虫が寄るのは、「近くの外灯が昆虫の方向感覚を惑わせているから」と述べました。
LEDには紫外線がほとんどないので、虫も惑わされずにすんでいるのです。
山間部のコンビニエンスストアなどでは、窓ガラスにUVカットのシートを貼ったり、駐車場のライトをLEDにしたりして工夫しているところもみかけます。
(実は山間部のコンビニがクワガタ採集のポイントだったのですが・・・。)
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夏に外灯周りを見てみよう。
外灯に飛んできたノコギリクワガタのオス
キャンプでカブトムシやクワガタ採集をしたい人はたくさんいます。
バナナやパイナップルでトラップ(ワナ)をしかけたり、樹液の出ている場所を探したり。
もっと簡単に採集しやすいのは、そう!
外灯周り。
トイレ棟の照明や駐車場の外灯などを周ってみてください。
意外な大物に出会えるかもしれません。
(道路の街灯をみるときは車の往来にくれぐれも注意!)
照明の種類でも多い、少ないの違いがでてきます。
私の印象では、
黄色・赤っぽい照明・・・少ない!(他に街灯がなければいる!)
LED照明・・・ほとんどいない!
こんな感じです。
見分けるコツは、遠くから見て照明周りに小さい虫が群がっているかどうか。
集まりやすい照明には、小さな蛾や羽虫たちが飛び回っているんです。
その周りの暗い場所もしっかりみてまわりましょう。
光の影に隠れていることも多いですよ。
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キャンプで焚き火をしていると、虫が火の中に飛び込んでいくのをみかけます。
まさに、飛んで火に入る・・・ですね。
これも「走光性」で説明できます。
今回は「虫が光に向かう理由」を考えてみましたが、あくまで人間が分かっていることで「説明」した、に過ぎません。
本当のことは虫にしかわからないのです。
もしかしたら虫も分かっていないのかもしれません。
でも、虫の気持ちになって考えていると楽しいんですよね。
これからもっと解明されていくことを期待しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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