カブトムシとクワガタの闘い。自然の樹液場での争いを研究した本を紹介!

こんにちは。ケンスケです。

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カブトムシとクワガタ。
どっちが強いと思いますか?

やっぱり、大きさで勝るカブトムシ!
いやいや、俊敏に下から挟んでしまえばクワガタでしょう!

そんな議論を少年のころ友達と話していた記憶があります。

当時、都会で暮らしていた私たちは、貴重なカブトムシやクワガタを闘わせるなんてことはできず、空想の中で夢の対決を楽しんでいたものでした。

そんな私たちの空想を何年もかけて、自然のなかで観察し続けた研究をした人がいます。

本郷儀人さん。

私が大好きな本【カブトムシとクワガタの最新科学】の作者です。

なかなか自然の中のカブトムシ・クワガタの生態を研究した本は少ないです。

みんなが知りたかった自然の中での甲虫たちの姿。
ぜひ、読んでみていただきたいです。

樹液酒場

カブトムシとクワガタの闘い。自然の樹液場での争いを研究した本を紹介!』


カブトムシどうしの強さを決めるのは?

カブトムシ角を交える

まずは、同種対決
カブトムシ同士がどうやって闘うのかに着眼です。

カブトムシを飼育していると、いろんな大きさのものがいることに気づきます。

よくよく見てみると、同じぐらいの大きさでも角が長いもの、短いもの、貧弱なもの、結構違っているんです。

この本を読むまでは、オス同士が出会ってしまうとすぐに取っ組み合いになってしまうと思っていました。

ですが、

カブトムシは無駄な争いは好まない!

オスたちが闘いにまで発展する条件があったのです。
じゃあ、どうやってメスはオスを選ぶのか、ってことになりますよね。

ここで「オスの角」が関係してくるんです。
どう関係するかは本を読んでのお楽しみ。

「進化論」も駆使してカブトムシの闘いの真実に迫っていきますよ。

カブトムシの角。どうして大きくなっていったの?

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カブトムシ対クワガタ。

カブトムシとクワガタの闘い

次は、異種格闘技
誰もが楽しみな対決ですよね。



ですが、

意外と闘わない!

著者の本郷さんは、虫たちが活動する時期の間ほとんどを雑木林で観察し続けます。

そんな人でもなかなかみられない対決。

異種格闘技。

ボクシングとレスリング。柔道と相撲。空手とテコンドー。
いろんな組み合わせがありますが、ルールによってずいぶん変わりますよね。

昔、どっちが勝つんだろう?ってドキドキしながらみていた対決も意外に噛み合わずに終わってしまうことも。

カブトムシ対クワガタもそんな感じでしょうか。

何例か確認できた対決では・・・・・・。

どっちが勝ったかは、本を読んでみてくださいね。

ミヤマクワガタ対ノコギリクワガタ。

ミヤマクワガタ対ノコギリクワガタ

こちらも異種対決
この対決はなかなか見てみたかった試合です。

身体の大きさ的にはミヤマクワガタ少々有利です。
ですが、体型も似ている、生息場所も生態も似ている両者。

ミヤマクワガタ

どんな闘いが見られるのでしょうか。

全ての対決をビデオに録画して観察します。
闘いの前段階から決まり手まで、全てを記録。

その結果からノコギリクワガタとミヤマクワガタの戦闘を分析しています。

ちょっとおもしろい結果が出ましたよ。(詳細は本を読んでね。)

さらに分析は続きます。

分析するのは「決まり手」
そこから導き出すのは両者の「闘いの習性」

虫好きの子供、大人も興味深い研究ですよね。

クワガタ相撲」って知っていますか?

クワガタ相撲

クワガタ同士を闘わせて、相手の背中を着けたり、3秒以上持ち上げたら勝ちっていう競技があるんです。

ここでは「パラワンオオヒラタクワガタ」「スマトラオオヒラタクワガタ」がやっぱり強いようですね。

でも、

クワガタの闘いの習性を分析していけば、もしかしたら日本のヒラタクワガタ、例えば長崎県の壱岐に生息する「イキヒラタクワガタ」でも勝てる可能性があるかもしれません!

もっとうまくすると、ノコギリクワガタやミヤマクワガタで勝利することも夢じゃない?!

わかりませんけどね。

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樹液に集まるムシたち

ケンカに弱くても生き残る!

ノコギリクワガタの闘い

カブトムシやクワガタは、エサ場や自分の縄張りを守るために闘います。
それは生きるため」というよりも「子孫を残すためなんです。

そしたら、ケンカに弱い、小さいオスは子孫を残せないのか?

っていうことになりますよね。

自然界では、大きなオスのほうが小さいものよりも子孫を残すことにおいては有利であることに代わりはありません。

ですが、小さければ小さいなりの戦法をとって、子孫を残そうとしているのです。

そうしないと世の中は大きな強い遺伝子をもった虫ばかりになってしまいますからね。

大きなオスは、天敵に狙われやすいんです。

この本では、雑木林での観察記録から「小さいオスの生き残り戦略」も考察していきます。

なんだか、人間の社会にも通用しそうなおもしろい戦略です。

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カブトムシとクワガタ、紳士的なのはどっち?

 

ノコギリクワガタのペアリング

本の前半は主にオスどうしの闘いに主眼をおいていますが、後半ではカブトムシ、クワガタのメスへの扱い方についても触れています。

こちらの項も非常におもしろい!

結論は本書に譲りますが、カブトムシとクワガタでは交尾後のメスの扱い方に大きな違いがあるんです。

しかも、それはなぜなのかを詳しく解説してくれています。

カブトムシやクワガタを飼育して、繁殖させようと思っている人にはぜひ読んでほしいですね。

ペアリングや産卵に非常に参考になります。

とくに、「カブトムシのメスが交尾を嫌がる理由」

カブトムシのペアリング

カブトムシのメスの80%以上がオスとの交尾を嫌がるのです。
その理由についてもかなり詳しく解説されています。

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オオクワガタオス

最後に。

ノコギリクワガタ

カブトムシやクワガタの飼育や採集のしかたを解説した本は数多く出版されています。

ですが、自然下での生態についてこんなに詳しく観察した本はほとんどみかけません。

【カブトムシとクワガタの最新科学】では、著者・本郷儀人氏は、何年もかけて、夜の雑木林にでかけて観察し続けてきました。

樹液に群がるカブトムシ

私もたま~に夜の雑木林に採集に出かけるのですが、見つけたら嬉しくなって観察どころじゃありません。

しかも夜の雑木林は、めっちゃ怖いんです。
本当に真っ暗。

そこに響き渡るブ~~~~ンっていう羽音

夜はスズメバチはいない、っていうけど巣の近くでは十分活動しているんです。

さらには、たまに現れる獣のガサッガサッていう音。
懐中電灯に向かって飛んでくる蛾の大群。
顔にまとわりつくクモの巣。
樹液場の小虫を狙いに来るムカデ。

相当なメンタルがないとなかなかできない研究です。

とにかくカブトムシやクワガタが好きな人なら楽しめること間違いなしです!

ちなみに、子供向けに編集された本郷儀人先生の本もあります!

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カブトムシとノコギリクワガタのエサの取り合い

最後まで読んでいただきありがとうございました。

カブトムシとクワガタの最新科学
本郷儀人 メディアファクトリー 2012年06月
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カブトムシ対クワガタ
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