本土コクワガタの越冬(冬眠)方法。コツは深めのマットと朽木の投入!

こんにちは。ケンスケです。

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コクワガタは野外で採集しやすいクワガタのひとつです。
アウトドア好きなら一度は捕まえてみたことがある人は多いのではないでしょうか。

コクワガタは一見、小さくて弱そうですが、クワガタの中でも長生きしやすい種類です。

一緒に捕まえたカブトムシが寿命で力尽きても、コクワガタは「まだまだ元気!」ってことも多いんですよ。

それもそのはず、コクワガタは個体にもよりますが、越冬して次のシーズンも活動することがあるんです。

今回は、そんな愛くるしいコクワガタを越冬させてみましょう。

コクワガタのメス

 

本土コクワガタの越冬(冬眠)方法。コツは深めのマットと朽木の投入!

採集したコクワガタを越冬させてみよう。

採集したコクワガタのオス

コクワガタは日本全国の多くの地域に生息していて、数も他のクワガタと比較して多いクワガタ。

飛翔性も強く、外灯まわりでもよく見かけるクワガタなんです。

コクワガタは意外に丈夫で飼育がしやすい種類で、クワガタ飼育初心者にもおすすめです。

野生ではその年に寿命を迎えてしまう個体も少なくないですが、飼育下では1年~2年も成虫でいられることもあります。

ということは、成虫のまま冬を越せるってこと。

コクワガタは温厚なクワガタなので、どうしても複数飼育(同じ容器に複数入れて飼育すること)しがち。

でも、越冬させるときは単独での飼育をおすすめします。

コクワガタが越冬態勢に入る時期

ウロに潜むコクワガタのオス

飼育している地域、飼育環境にもよりますが、だいたい気温が15℃を下回ってくると動きが鈍くなってきます。

10~12℃を下回るとほとんど活動せず(エサを食べない)、越冬態勢に入ります。

東京でいうと10月後半頃ですね。

越冬させる準備はできるだけ10月中旬ごろには、済ませておきたいところです。

もっと温暖な地域や住宅環境が「高密閉」で屋内が温かい場合は、飼育する環境の温度をみながら準備してみてくださいね。

越冬中はエサもほとんど食べません。
越冬前の9月後半ぐらいからは、栄養の多い「高タンパク」ゼリーを与えておくのもいいかもしれませんね。

クワガタ幼虫の冬眠についてはこちらを参考にどうぞ。

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越冬させるための飼育セットが必要?

飼育しているコクワガタのオス

野生のコクワガタが越冬する場所は、朽木(くちき)の中や朽木や木の根の下。木のウロ、樹皮の内側。

イノシシやタヌキなどの天敵から身を隠しています。
さらに、地上や地表よりも深くにいることで凍結から逃れていると考えられます。

夏場、コクワガタを飼育しているセットはどうなっていますか?

多くが薄めにマットを敷き、エサ台を置いているぐらいではないでしょうか。

実は、そのままでも越冬できないわけではありません。
コクワガタは体高が薄く、小さな隙間にも入り込める特技があります。マットが薄くしか敷いていなくても潜ることができちゃいます。

ただし、夏季と同じ飼育セットのままだと、どうしても飼育環境の温度や湿度に影響を受けやすいです。

冬は暖房などの影響で気温が急に上がってしまったり、湿度が急激に下がってしまったりするのです。

越冬セットを組むことで、コクワガタが冬季に活動してしまったり、乾燥してしまったりすることを防ぎ、きちんとした冬眠状態にすることができます。

クワガタは活動して体力を消耗させると寿命が短くなるといわれています。
冬季に越冬状態で活動させないことが次のシーズンに元気で活動してくれることにつながるのです。

越冬セットの作り方。

越冬セットの組み方越冬セットといっても、特別なものは必要ありません。
新しく用意するのは、マットと朽木(産卵木)ぐらいでしょうか。

マット


どんなものでも構いません。
ニオイやコバエ・ダニの発生が気になる人は、「針葉樹の粉砕マット」を使います。
「フィトンチッド」という物質が小虫の発生を抑制してくれるのです。

ただし、野生のコクワガタは針葉樹林にはいません。
もしかしたら、「フィトンチッド」を嫌っているのかもしれません。

長期間(冬の間)そのマットに潜っているわけですから、できれば広葉樹のマットを使用したほうがコクワガタには優しいかもしれませんね。

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マットの深さ。

深さは5cm以上を推奨します。

ケースの半分以上の深さにしておけると安心です。

朽木や産卵木。


なくてもかまいませんが、コクワガタが隠れやすいように入れたほうがいいです。

当たり前ですが、ケースに入るぐらいの大きさのものにしましょう。なければ、飼育に使用していたエサ台や登り木でもかまいませんよ。

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枯れ葉(お好みで)


マットの地上面に置いて使用します。
枯れ葉の下に潜ったり、マットの乾燥防止の役割をします。

ただし、雑木林に落ちている落ち葉をそのまま使うと、ダニや小虫が一緒に侵入することにもなりますので要注意です。

ちなみに私は枯れ葉ではなく、他のクワガタの産卵材で剥がした樹皮をとっておいて入れています。

昆虫ゼリー


冬の間でも温かい日にはエサを求めて活動することがあります。
昆虫ゼリーは一応入れておきましょう。

夏場と違って悪くなったり、小虫が発生することも少ないです。
ただ、乾燥しやすいのでフタのフィルムを十字に切るなどしておくと少し長持ちします。

1~2週間に一度はゼリーの減り具合と乾燥を確認しておきましょう。(交換)

また、越冬前には栄養のある高タンパクゼリーを与えておくのもいいかもしれませんね。

ポイントは深めのマットと朽木(くちき)

コクワガタの越冬セット

マットの量が多ければ多いほど、ケース外の環境変化の影響を受けにくくなります。

室内の環境によっては、暖房の影響を受けることがありますよね。
このときに急にケース内の温度が上昇してしまうと、越冬状態にあったコクワガタが活動状態になってしまいかねません。

また、マットが少ないと乾燥も気になります。
カラカラになったからといってすぐに弱ってしまうわけではありませんが、確実にクワガタの水分も失われていきます。

マットを深めに入れておけば、湿度の低下があったとしても潜って越冬しているコクワガタに影響はありません。

朽木(くちき)はコクワガタの隠れ家になります。

やわらかい材だと、コクワガタはかじって中に入り込んで越冬していることもあります。

材を水に浸ける必要はありません。
水に浸けると柔らかくはなるのですが、ほぼ確実に材がカビます。

材のなかに入らなくても、その下側に隠れて越冬していることが多いです。

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冬季の管理のポイント

○暖房の影響の少ない場所。
○静かな場所。
○ときどき加湿しておく。
○脱走に注意。
○単独飼育が基本。

暖房の影響の少ない場所。

クワガタが安定した越冬状態にあるのは、10℃以下。
さらに凍結しないようにしなければなりません。

ほとんどは屋内で飼育していると思います。
そうなると心配なのが「暖房の影響」です。

特別な飼育部屋がある人は別ですが、ほとんどの人が生活環境の一部分での飼育になるはずです。

飼育する場所をなるべく暖房の影響を受けない場所にしましょう。

静かな場所。

コクワガタが越冬状態にあるときはなるべく音や振動の少ない静かな場所が適しています。

越冬状態にあるコクワガタは、さまざまな器官が活動しておらず、振動や騒音で起きてしまう可能性があります。

越冬中はできるだけ掘り起こしたりせず、振動や衝撃は避けましょう。
加湿のときにもできるだけ静かに行ったほうがよいでしょう。

ときどき加湿しておく。

冬季に気をつけなければいけないのが「乾燥」です。
コクワガタは越冬しているときには、エサから水分補給ができません。

体内に蓄えた水分によって、生命を維持しているわけです。
ということは、マットやケース内の乾燥によって体内の水分を奪われてしまうことにもなります。

1週間から2週間に一度はマットの状態を確認して、表面が湿っている状態を維持しましょう。

脱走に注意。

越冬セットはマットを深めに入れます。
フタまでの距離は近づきますよね。

フタとの間に新聞紙を挟みますが、クワガタは簡単に破ってしまいます。

フタが強固に閉まるものを使用しましょう。


コバエシャッターだと新聞紙を挟む必要もなく、フタも頑丈に閉まるし、コクワガタが逃げ出しそうな隙間もないのでおすすめですよ。

単独飼育が基本。

コクワガタはクワガタの中でもおとなしい個体が多いといわれていますね。

野外でも多く採集しやすいコクワガタは複数飼育をしている人も多いです。

でも、オス同士、メス同士、オスメス混合でも争うことがあります。

複数入れていると越冬のタイミングが合わなかったときにエサと誤認してしまうこともあるんです。

クワガタは単独飼育が基本です。
越冬セットもできるだけ1頭ずつ飼育したほうが成功しやすいです。

越冬から目覚める時期

越冬から目覚めたコクワガタ

一度、越冬状態に入ったコクワガタは、翌年の5月~6月まで冬眠していることが多いです。

とはいっても、気温が高い日にはエサを求めて地上で活動することもあります。

だいたい気温が15℃を超えてきたら、昆虫ゼリーと加湿は絶やさないようにしておきます。

暖かくなって昆虫ゼリーの減りが増えてきたら、マット交換と通常の飼育セットに戻します。

コクワガタは個体によって越冬できずに寿命を迎えてしまうものもいます。
うまく越冬したコクワガタに会えたらうれしいものです。

もしオスとメスが元気でいてくれたら、産卵セットを組んでみるのもいいかもしれませんよ。

最後に。

コクワガタのメス

「越冬」というと難しそうに聞こえるかもしれません。
実際、コクワガタを多く飼育していると越冬できずに亡くなってしまう個体もいます。

ただ、その年に生まれた新成虫で、夏の間あまり消耗させずに飼育していた個体は越冬できることが多いです。

コクワガタはちょこまかと動き、かわいらしい種類なので、ぜひ越冬に挑戦して長生きさせてみてくださいね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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