コクワガタを産卵させる!採集した個体に卵を産ませてみよう!

こんにちは。ケンスケです。

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コクワガタは、全国各地の雑木林に生息していて、生息数も多いので、手に入れやすいクワガタです。

長生きするし、丈夫で適応範囲も広いので初めての方でも飼育しやすい入門種といえます。

自然の多い地域では、外灯や自動販売機にも飛んでくるのを見たことがある方も多いのではないでしょうか?

コクワガタが外灯に飛んでくる理由。

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夜間の照明

今回は、野外で捕まえたコクワガタを繁殖させる方法をご紹介していきます。

難しくないので、コクワガタを手に入れた方はぜひ挑戦してみてくださいね。

樹液に集まる昆虫

 

コクワガタを産卵させる!採集した個体に卵を産ませてみよう!

コクワガタは繁殖させやすい!

 

 

自宅で生まれたコクワガタ幼虫

コクワガタの性格は、それほど攻撃的ではありません。
威嚇している状態のときに触れれば、大アゴで挟んできます。
ですが、執拗に相手を攻撃するようなことは少ないといえるでしょう。

そのため、私は採集してきたコクワガタをオス・メス同居させてしまうことも多いです。(本当は別のケースで単独飼育したほうが安全です!)

その状態で、いつの間にか幼虫が生まれていたことが何度もあります。

メス1頭の産卵数

 

産卵セットを組むとメス1頭で10~15ほど幼虫が採れることが多いです。

採集したメスは交尾済みかも!

 

野外で採集したコクワガタのメスは、すでに交尾を終えていることも多いです。

樹液場で採集した個体もどこからか飛翔してきた個体も交尾を終えて産卵場所を探している最中だったりしますよ。

だから、採集に行って「メスしか採れなかった!」としても諦めないでください!

【産卵セット】といわれる朽ち木を入れたケースで飼育していると幼虫を手に入れられることがあるのです。

産卵の適応範囲が広い!

 

コクワガタは全国各地にたくさん生息しています。
さまざまな環境に適応できる丈夫さをもっているからですね。

いろいろな地域に生息できるってことは、繁殖している証拠です。
このため、少々厳しいような環境下でも産卵できる能力をもっていることになります。

飼育環境でも同じことがいえます。
広い適応範囲で産卵できるので飼育下でも繁殖させやすいのです。

コクワガタの性成熟

採集したコクワガタのメス

コクワガタは成虫になってからも越冬が可能なクワガタです。
そのため成虫になってからの寿命が2~3年ほどといわれています。

後食して3ヶ月

コクワガタの繁殖のためには、「性成熟」といって、交尾・産卵が可能になるまで成長していなければいけません。

よくいわれるのは、

後食してから3ヶ月

後食とは、エサを食べ始めることをいいます。
クワガタは羽化してから消化器官が先に機能して、その後に生殖器官が働くようになるといわれているんですね。

ただし、採集した個体に限っては、すでに性成熟していると考えられます。
野外で活動をするということは、「交尾相手を探して夜な夜なさまよっている」ってことですね。

おすすめは越冬させてから!

羽化する時期・気温にも左右されるのですが、羽化して活動を開始するまで約1ヶ月間は、休眠期間があります。

休眠期間を経てからエサを食べ始めます。

ってことは、1ヶ月休眠して、後食を初めてから3ヶ月。おおむね6月ごろ羽化した個体が性成熟するのは、9月ごろになってしまいますよね。

9月から産卵セットを組んで、ペアリング(交尾)、産卵を行うと、幼虫割り出すのは11月ごろになってしまいます。

11月に生まれた幼虫は、すぐに寒い時期がきてしまうので、ほとんど大きくならないうちに厳しい冬をむかえなければなりません。

なので、おすすめは羽化した年は、産卵を見送って翌年の春に産卵させてみましょう。
その頃にはコクワガタのオスもメスも充分に性成熟しているはず。

そうすることで生まれた幼虫は充分に大きくなった状態で冬を迎えることができるんです。

コクワガタの生態についてはこちら!

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産卵させる時期と温度。

野外のコクワガタ

5月~10月まで。

気温が23℃以上に安定している時期です。
20℃を下回るとコクワガタの活動が低下して産卵しにくくなります。

幼虫の成長のことも考えると7月ごろまでには産卵セットを組んでおくといいですね。

気温が30℃は超えないようにしましょう。
いくら適応範囲が大きいコクワガタといえども、住んでいるのは涼しい雑木林の中。
30℃以上の高温には強くはありません。

ペアリング!

コクワガタのメス

①ケース
小さい容器に薄くマット(どんなマットでもOK)を敷き、登り木と昆虫ゼリーを入れる。

②オスとメスを同居させる。3~7日間。
オスとメスを慎重に同居させる。
メスが攻撃されないかしばらく様子をみておくこと!
毎日様子を確認して、オスがメスを守るようにしていたら交尾済みの合図メイトガード)。メスを産卵セットに移しましょう。

メイトガードについてはこちらの記事で解説しています。

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クワガタの性成熟についてはこちらの記事も参考にどうぞ。(オオクワガタの記事ですがコクワガタもほぼ共通)

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産卵セットの作り方!

コクワガタの産卵セット

コクワガタは産卵材に卵を産む種類です。
クヌギやコナラの産卵材を使います。
コクワガタは材をあまり好き嫌いせずに卵を産んでくれるので助かりますよね。


産卵セットにメスを入れる前には、タンパク質を多く含んだゼリーを与えておきましょう。

産卵セットの作り方

①産卵材を2~3時間水に沈めたあと、陰干し(2時間ぐらい)。
②ケースの底に3cmぐらい固く詰めて、その上に産卵材を置く。
③埋め込みマットを産卵材が少しだけ出るくらいまで入れる。
④上に転倒防止材・昆虫ゼリーを入れる。
⑤ペアリング(交尾)済みのメスを入れる。
※ケースはM~Lサイズぐらいがいいです。

飼育セットに産卵材を埋めてもOK!

コクワガタの産卵セット

コクワガタは比較的温厚な種類なので、飼育セットに加水した産卵セットを埋めておいても産卵してくれることがあります。

ただし、メスが産卵に集中できなかったり、他の個体を攻撃したり、されたりするので、産卵セットを組むよりも採れる幼虫は少ないです。


コクワガタは産卵材をそれほどより好みをしないので、クヌギでもコナラでもOK。

産卵一番は埋め込みマットに最適です。粒子が細かくて、幼虫が産卵材から出てきてしまっても大丈夫!

産卵セットの管理方法

産卵しないときのチェック
○静かな薄暗い場所で温度は23℃~28℃
○メスのエサ交換、加水を適宜行う。
○産卵木をかじっている気配(削られた木くずが見える)があれば、1ヶ月ぐらいでメスだけ取り出す。(メスが地上に出ているとき)

スケジュールを頭に入れておく!

①産卵セットにメスを入れてから約1ヶ月で取り出す。
②メスを取り出してから1ヶ月ほどそのまま静かに待つ。
③割り出し(幼虫を取り出す作業)
④幼虫の飼育(マットでも菌糸ビン飼育でも可)

①産卵セットにメスを入れてから約1ヶ月で取り出す。

あまり長期間メスを産卵セットに入れっぱなしにすると、産んだ卵をメスが捕食してしまうことがあります。

産卵の徴候
○メスが長期間潜りっぱなし。
○産卵材がかじられている。
○産卵材の見えるところに産卵痕(※)がある。
※産卵痕
コクワガタは産卵材に卵を産み付けるときに⦿マークをつけます。
真ん中に産卵管の穴があり、周囲に丸く溝をついています。
どんな意味があるのかは謎です。

②メスを取り出してから1ヶ月ほどそのまま静かに待つ。

卵が孵化して少し幼虫が育つまで待つ時間です。
卵のまま割り出しをしてしまうと見落としたり、潰してしまったり、回収できても孵化できなかったりするためです。

1ヶ月ほどあれば、産みつけられたばかりの卵も孵化して幼虫になっています。

③割り出し(幼虫を取り出す作業)

産卵材の中の幼虫

産卵材を割って、幼虫を取り出します。
軍手・スプーン・マイナスドライバーを使って慎重に材を割っていきましょう。(ケガをしないように気をつけて!)

坑道(幼虫が通った痕)にフンが混じったオガクズがつまっているところには幼虫がいるはずです。
潰したり傷つけないように慎重に行いましょう。

埋め込みマットの中にも幼虫がいることもあります。忘れずに探しましょう。

割り出しの方法は、こちらの記事で紹介しています。(記事はオオクワガタのものですがコクワガタも同じ方法です。)

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④幼虫の飼育(マットでも菌糸ビン飼育でも可)

コクワガタ幼虫の菌糸ビン飼育

割り出したコクワガタの幼虫は、マットでも菌糸ビンでもよく育ちます。

羽化までは8~10ヶ月。

コクワガタはマットやボトルの交換は1回でも羽化させることができます。(マットや菌糸が劣化したらもっと交換しなければなりませんが。)

コクワガタの幼虫の飼育方法はこちらの記事で紹介しています。

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最後に。

生まれたコクワガタ

コクワガタは、昆虫飼育が初めての方でも飼いやすいクワガタです。繁殖もしやすいクワガタなので、産卵セットで挑戦してみてくださいね。


コバエシャッターはコバエが発生しにくく、マットも乾燥しにくいのでコクワガタの飼育にピッタリです。

コクワガタ成虫の身体の特徴についてはこちら!

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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