こんにちは。ケンスケです。
カブトムシやクワガタが蛹から羽化したら嬉しいものですよね。
ついつい触ってみたり、持ち上げてみたりしてみたくなっちゃいます。
でも、ちょっと待ってください!
羽化後まもなくは、まだ身体が完全にできておらず、触ったり持ち上げたりすると弱ってしまうことがあるんです。
キーワードは、
後食(こうしょく・ごしょく)
今回は、図鑑や飼育書、ウェブ上によく書いてある「後食」についての説明と羽化後の飼育管理について紹介していきたいと思います!
『カブトムシやクワガタの「後食」って何?羽化後の管理と注意点。』
後食とは?
カブトムシやクワガタは、「完全変態」といって、幼虫から蛹になり、蛹から成虫になるまでに姿・形がガラリと変わる昆虫です。
「完全変態」と「不完全変態」の違いは、
蛹の期間があること!
セミやトンボは幼虫と成虫の形はずいぶん違いますが、「不完全変態」。
蛹にならずに幼虫からいきなり成虫が出てくるんですね。
で、この「不完全変態」の昆虫たちは、羽化して、羽が固まるとエサを探して食べるようになります。
ですが、完全変態のカブトムシやクワガタは、すぐにエサを食べることができません。
どうしているかというと、蛹室(蛹になった空間)でジッとしているんです。
中で、羽や外殻(外側の部分、外骨格)を乾かして硬くなるようにしたり、まだ不完全な身体の器官を成熟させたりするための時間なんですね。
「後食」とは、エサを初めて食べることをいいます。
よく、「繁殖は後食して○ヶ月経ってから。」とか書いてあるのを見たことがありませんか?
エサを食べ始めてからでないと性成熟(繁殖できるようになる)しないのです。
後食までの期間はそれぞれのカブトムシやクワガタの種類によってさまざま。
成虫の寿命が短い種類ほど、後食までの期間は短くなる傾向にはありますが、ノコギリクワガタやミヤマクワガタは「休眠期間」が長いので、実は後食までの期間も長いこともあるんです。
なので、繁殖を考えている人は、羽化後どれくらいで後食を始めるのか観察している必要があります。
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種類によっての後食までの期間の目安。
「だいたい」ですが、羽化してから後食を始めるまでの期間を紹介しておきます。
目安なので、羽化後は昆虫ゼリーを置いておいて、食べている形跡があれば後食を始めたと考えていいでしょう。
カブトムシ 1週間~2週間
オオクワガタ 1~3ヶ月
コクワガタ 1~2ヶ月
ヒラタクワガタ 1~3ヶ月
ノコギリクワガタ 1~3ヶ月
ミヤマクワガタ 1~3ヶ月
※休眠期間(できるだけ夏季の長い期間に活動するために動き出すのを調節している)が長い種類だとエサを食べ始めるまでに1年も要することがあります!
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羽化直後もデリケート!
よく「蛹の時期は静かにして、振動もダメ!」っていいますよね。
実は羽化してから活動を開始するまでの期間もそうなんです。
蛹が蛹室で羽化してから動き出すまで、新成虫は蛹室でジッとしています。
羽化した直後は外骨格も柔らかい状態なのです。
また、内蔵である消化器官もまだ未発達でエサを食べることができません。
で、「後食」を始めたということは、消化器官がやっと動き出した証拠なんです。
そして、繁殖できる「性成熟」するまでは、さらに数週間の長い期間が必要なんです。
最初に「生きるための器官」が発達し、生殖器はその後にできるようになっています。
羽化直後は外骨格が固まっていないばかりか、運動能力も著しく弱い状態。
もしかしたら筋肉もまだ成熟していなかったり、運動神経が筋肉にまだ分布していないのかもしれません。
こんなときに無理やり他の個体と一緒にしてしまったり、触りすぎたりしてしまうと、確実に弱ってしまいます。
なので、羽化直後もあまりいじったり、振動や衝撃を与えることは避けましょう。
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羽化後にやること、気をつけること!
○マットの状態が良ければ自力で出てくるのを待つ!
○マットを少しだけ深め(5cmぐらい)に敷く。
○軽めに加湿しておく。
○昆虫ゼリーの上部に十字に切込みを入れて、置く。
○静かな場所であまり動かさずに管理する。
蛹から羽化して成虫になったら、「掘り出す」か「出てくるまで待つ」か問題っていうのがあります。
本当は自然に任せて自力で出てくるのを待つほうがいいのかもしれません。
ただ、マットや菌糸ビン内部の空間っていうのは、
カビやすい!
何度か経験があるのですが、無事に羽化してはいたものの、新成虫がカビにまかれて☆になっていることもあるのです。
なので、マットや菌糸ビンの状態がいいときにはそのままにしますが、カビやキノコが生えそうなときには思い切って(慎重に)掘り出します。
掘り出した新成虫はまだあまり活発に動かないことも多いです。
決して弱っているわけではなく、まだ運動能力が低いだけなのです。
取り出した新成虫は、マットを5cmぐらい敷いて、登り木・転倒防止材を入れて静かな場所で静養させてあげましょう。
加湿と昆虫ゼリーを入れておくのも忘れないように。
後食前の成虫だと無駄になってしまうのですが、いつ後食を始めてもいいようにしておくためです。(ときどき交換してください。)
昆虫ゼリーのフタにカッターで十字に切れ込みを入れておくと、少しだけ長くもちます。
新成虫がたまにひっくり返って動かないときがあります!
腹側を乾かしていると考えられているので、転倒防止材を近くに置いておいてあげましょう。
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繁殖は後食を開始後しばらく経ってから!
羽化した成虫が無事にエサを食べ始めて活動を開始すると、繁殖させてみたくなりますよね。
でも、繁殖できるようになるまではもう少し時間がかかるのです。
消化器官よりも生殖器官のほうが成熟するのに時間がかかるんですね。
オオクワガタは羽化後1~3ヶ月で後食を開始します。
性成熟は後食を開始してから3ヶ月後ぐらいといわれているんです。
一方、国産カブトムシだと、後食まで1週間、性成熟はその1週間後といわれています。
成虫で過ごせる時間が短いと成熟も早いんですね。
もちろん、性成熟前でも交尾をしたり、産卵したりすることはあります。
ただし、飼育下で繁殖させるときにはできるだけ避けるべきです。
というのは、交尾がうまくできず、オスに攻撃されたり、できても孵化しない卵を産み続けてしまったりすることがあるのです。
繁殖のポイントは「しっかり性成熟していること!」なんです。
オオクワガタの性成熟についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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最後に。
カブトムシやクワガタの羽化は神秘的で、何度経験しても感動的です。
ただし、一気に身体の作りが変わってしまうのですから、デリケートです。
でも、羽化までさせることができたら成虫の飼育まではもう少し!
忍耐と優しさをもってすればきっとうまくいくはずです。
楽しく飼育してみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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