こんにちは。ケンスケです。
わが家にはクワガタの幼虫がたくさんいます。
オオクワガタ
コクワガタ
ヒラタクワガタ
ノコギリクワガタ
アカアシクワガタ
全部成虫になったら、大変だ!
とは思いつつも、全部の幼虫が立派に育ってほしい気持ちです。
昔のクワガタの幼虫飼育といえば「材飼育」でした。
材飼育では、飼育材を用意するのが大変なこと、クワガタの成長に時間がかかること、幼虫の状態を確認できないなどの問題がありました。
クヌギやナラの朽ち木にドリルなどで穴を開けて、そこで幼虫を飼育します。幼虫はその材を食べて育ちます。幼虫が大きくなったり、状態が悪くなってくると新しい材が必要になります。
生存しているのかも蛹室を作って蛹になっているのかもわかりません。
成長も遅いため、羽化するまでに2年近く時間がかかるので、「まるで木を飼っている」ような気分になります。
最近ではクワガタの幼虫飼育は菌糸ビン飼育が便利で、優秀な結果を残しますが、わが家では全部のクワガタちゃんに菌糸ビンを用意してあげることはできません。
それに、ノコギリクワガタなどの少し発酵のすすんだマットを好むといわれている幼虫もいます。
ということで、
『クワガタの幼虫。知っておきたいマット飼育のコツと注意事項。』
いってみましょう。
クワガタ幼虫の飼育はカブトムシの飼育よりも少し難易度が高いですね。
でも、コツをつかめば大丈夫。
恐れることはありません。
マット飼育の特徴を知っておくことで、クワガタの羽化(成虫になること)も見えてきます!
マット飼育の特徴
②簡単にマット交換ができる。
③菌糸ビン飼育よりも成長が遅い。
④種類によっては大きく育てられる。
⑤マット交換のタイミングが分かりづらい
⑥状態管理が少し難しい。
⑦マットの準備が面倒。
マット飼育は、「菌糸ビン飼育よりも安全面で優れている」といわれることもありますが、加湿具合やガス抜き、交換時期の分かりやすさなどの面で、初心者の方には「菌糸ビン飼育の方が安全度が高い」ような気がしています。
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①数が多いと菌糸ビン飼育よりもコストが安く済む。
クワガタの幼虫飼育は単独飼育が基本です。
クワガタを菌糸ビンで羽化までもっていくには2~3本が必要。
800ccの菌糸ビンで1本400円ぐらいから。
それを3本使用すると1200円以上かかる計算になります。
幼虫の数が少ない場合は、菌糸ビンでもなんとかなりそうですが、幼虫がたくさん獲れてしまうと難しいですよね。
一方、マット飼育の場合は、10Lの一次発酵マットで600円ぐらいからあります。
飼育ボトルに硬めに詰めても10Lの発酵マットを飼えば、10本前後作れます。
これぐらいなら、状態が悪くなったら早めにマット交換できて、幼虫にもお財布にもやさしいですよね。
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マット飼育のコツ①
「できれば粒子の細かいものを選ぶ!」
クワガタの幼虫はマットや材をそのまま消化しているわけではありません。細かく自分のまわりのマットや材を細かく砕いて、発酵しやすくして、その発酵したものを消化して栄養にしています。
菌糸ビン飼育では、キノコの菌糸がオガクズの発酵を促して、クワガタがそれを食べることで成長を促進しています。
なので、
粒子の細かいマットを選ぶことで、発酵しやすく、消化もしやすい状態を実現するのです。
ただし、
「粒子が細かい」ってことは、ふるいにかける作業が必要ってことですね。手間がひとつ増えるわけです。
ということは、細かい粒子のものほど「値段が高い」ってこと。
そのへんの兼ね合いは、財布と家計と相談しましょう。
※自分でふるいにかけることもできますが、その分、量は減ってしまいます。私は、産卵セットを作るときにふるいを使います。
あと、カブトムシの幼虫のフンを取り除くときにも。
クワガタ育成におすすめのマット
②簡単にマット交換ができる。
菌糸ビンの交換って、ちょっと緊張するんですよね。
というのも、ほとんどの菌糸ビンは堅詰めされているので、掘り出すときに硬いんです。
掘り出しようのスプーンが曲がってしまうこともあるほど。
硬いとどうしても力が入ってしまいます。
そうすると、掘り出し中に菌糸ビンを落として衝撃を与えてしまったり、幼虫に余計なストレスを与えることになってしまいます。
また、幼虫の皮膚はすごく薄いので、力を入れた金属のスプーンで傷つけてしまうのも怖いですよね。
その点、マット飼育は固く詰めても菌糸ビンほど硬くならないので、掘り出すのも少しラクです。
さらに、
菌糸ビン飼育の場合、自宅で自分で作る方法もありますが、基本的に購入しなければなりません。
菌糸ビンは、自宅で保管できるのも長くても1か月程度。
買いに行くか、ネットで注文するかどちらかです。
そうすると、エサの状態が悪いから「すぐに交換」ってわけにはいきません。
その点、マット飼育の場合は、1か月程度なら余裕で保管できます。「ガス抜き」という作業をしておく必要はありますが、状態をみて悪ければすぐにでも交換可能ですよね。
私は、幼虫のマット交換をまとめてするときに、余ったマットをボトルに詰めて予備用にとっておきます。
そうすることで、幼虫やマットの状態が悪い時には、幼虫を掘り出すだけで交換することができます。
便利ですよ。
マット飼育のコツ②
「常に予備のマット5Lぐらいは用意しておく。」
マットも古すぎると発酵が進んでしまったり、カビが生えてきてしまったり、線虫が発生したりしますが、封を開けずに日の当たらない涼しいところ(温度変化も少ない方が◎)で保管しておけば、けっこう持ちます。
(夏場はあまり長く保管しない方がいいのですが)
古いマットを使うときは、しっかりとガス抜きをしましょう。クワガタも新しいマットの方が好みますので、備蓄はあまり多くない方がよさそうです。
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③菌糸ビン飼育よりも成長が遅い。
先述しましたが、菌糸ビン飼育では菌糸がマットの分解を促進することでクワガタが栄養を取り入れやすくなります。
マット飼育ではそれがない分だけ、成長が遅くなることが考えられます。羽化までの期間もそれだけ長くなることになります。
多くの種類で菌糸ビンの方が身体が大きくなるともいわれているのもこの理由からです。
ただ、オオクワガタの大型個体を目指しているマニアの方々の中には、幼虫が大きくなるまで菌糸で育てて、蛹になる直前にマット飼育に切り替える方法で飼育している方もいます。
これは「暴れ」を防ぐ方法です。
詳細はまだ解明できていないようですが、マットの方が「落ち着く」ってことなんでしょう。
蛹になる前に、幼虫が飼育ケース内を動き回ることで、エネルギーを無駄に消費して、身体が小さくなってしまうこと。クワガタは幼虫時代の大きさが成虫の大きさに反映されます。(成虫になると脱皮で大きくなることができないため)
「暴れ」によって身体が小さくなることを「縮む」っていいます。
マット飼育のコツ③
「気長に楽しもう!」
菌糸ビン飼育では1年ぐらいで羽化するクワガタも、マット飼育ではもう少し長くなることもあります。
温度管理で成長を早めることも可能ですが、「土を飼っている」つもりで気長に羽化を待ちましょう(笑)
④種類によっては大きく育てられる。
さきほど、菌糸ビン飼育の方が大きくなりやすいと書いたばかりですが、ノコギリクワガタなどではほとんど変わらないとも言われています。
ノコギリクワガタは、根喰い系といって根っこ近くの土や根そのものに産卵します。
自然界では根っこ近くの発酵の進んだ土や朽ち木を食べて、大きくなっているんですね。
なので、ノコギリクワガタは発酵のすすんだ(色が茶色っぽい)マットで飼育した方が育ちやすいのです。(菌糸ビンでも飼育は可能)
マット飼育のコツ④
「クワガタの種類によってマットを使い分ける!」
クワガタ用マットというと、一次発酵の薄い色のマットですが、ノコギリクワガタやミヤマクワガタでは二次発酵の茶色っぽいものを好みます。
オオクワガタ、ヒラタクワガタ、コクワガタは一次発酵の色の薄いものの方が育ちやすいです。
ノコギリクワガタおすすめのマット
⑤マット交換のタイミングが分かりづらい
菌糸ビン飼育では、幼虫が動いたところの色が黒っぽく変わってきます。
が、
マット飼育ではそれが分かりません。
それに、内部でカビが生えたり、ダニ・コバエが発生しても分かりづらいことが多いです。
菌糸ビンの交換のタイミングは3か月ぐらいといわれていますが、もう少しこまめに取り換えてもいいかもしれませんね。
マット飼育のコツ⑤
「マットの状態を見極める!」
ポイントは、
空洞(坑道)ができてきた。
化学的なにおい(再発酵でガスが発生)
色が赤っぽくなる。
など、異常を感じたら交換しておきましょう。
また、蛹室を作っているのもマット飼育では分かりにくいこともあります。
クワガタの蛹室は幼虫がマットを食べて作った坑道よりも大きくなります。坑道と違って大きな空間を作っている場合はマット交換を見合わせる必要があります。
幼虫の状態を見極めるには透明度の高い飼育ボトルが便利です。
透明度の高いおすすめの飼育ボトル
⑥状態管理が少し難しい。
菌糸ビンは水分がすでに調節されているので、ほとんど加湿の必要はありません。
マットで飼育する場合は、上部のフタの構造によっては乾燥してくる場合があります。
マットの湿度を適度に保ってあげる必要があります。
とはいっても、今度は加湿のしすぎにも注意が必要です。
以前私は、ノコギリクワガタをマット飼育していて、加湿をしすぎたためか、多くをなくしてしまったことがあります。
蛹室の中でカビが発生して、蛹がかびてしまっていたのです。その時の蛹室もカビだらけでした。
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他にも、再発酵のにおいやダニ・コバエの発生は菌糸ビン飼育よりも多いような気がします。
マット飼育のコツ⑥
「マットを硬めにつめる!」
マットを固めることで水分の蒸発を防ぎ、ケース下部の状態を保ちます。飼育ボトルを朽ち木の中と同じような環境にするイメージです。
すりこぎ棒や成虫の登り木などを使ってマットをガッチガチに押し固めて詰めましょう。
このとき、加湿しすぎていると酸欠になりやすいです。
マットを押し固める時に水が出るようであれば、加湿しすぎです。もう一度出して、水分調節をやり直した方がいいでしょう。
乾燥のしすぎは蛹室をうまく作れないこともあるし、加湿をしすぎるとサナギがカビます。
マット飼育のカギは、加湿加減にあります!
軽く握ったときに、水分がにじみ出ず、弱く固まるぐらいが最適です。
マットを詰める時は少しずつ水分を加えていって、細心の注意を払いましょう。
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⑦マットの準備が面倒。
いちばん面倒な作業がコレ。
「ガス抜き」
です。
でも、大事な作業です。
これをしないと「ケース内」でガスが発生したり、熱が発生したりして幼虫が☆彡になってしまうことになります。
何をするかというと、
マットの封を開けて空気にさらす。
大きめのタライなどの容器にマットを開けます。
多少加水して、3~7日間くらいおきます。ガスが発生するので風通しのいい屋外がいいでしょう。
置いておく間は1日に1回くらいかき混ぜておくとなおよろしい。
なので、
購入したマットは使うまでに3~7日必要なんです。
さらに、深刻なのがコバエ問題。
屋外で土を放置するわけですから、虫も発生します。
密閉しては意味がないのです。
私は園芸などで使う不織布で覆って予防しています。
効果は・・・なんともいえないですね。
クワガタ飼育ではコバエ・ダニとの戦いはつきものですから。
マット飼育のコツ⑦
「ガス抜き作業は省かない!」
やらなくても問題ない場合も多いです。
ですが、
やっておかないと後悔することもあるんです。
ボトルで飼育している方は、分かるかもしれませんが、ボトル内は保温性も保湿性もかなりのもの。
温かくて湿度の高いことで何が起こるか?っていうと、
再発酵
ガスと熱が発生します。
熱が発生すると飼育ボトルは熱を逃がしにくいです。
幼虫は低温よりも高温に弱いです。
もちろん、ガス抜きをしっかりやっておいても再発酵することもあります。
でも、やっておいた方がリスクを減らせるのは確実です。
大切なクワガタの命を守るためにもしっかりやっておきましょう。
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最後に。
クワガタのマット飼育。
コストが安い代わりにちょっと面倒なことも多いですね。
でも、ちょっとしたコツをつかんでしまえば大丈夫。
クワガタの幼虫は、羽化や成虫としての活動開始までに1年以上もかかることが多い生き物です。
長丁場になりますので、最初に持っていた愛情も薄れがちになりやすいです。
でも、羽化までいくと、かなりの感動を味わえます。
こまめに様子を見ること、手間を惜しまないことでより安全に羽化までもっていくことができます。
しっかりポイントを押さえて、元気な成虫に育ててみてくださいね。
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