カブトムシのツノや身体。大きくなる理由とその役割。

こんにちは。ケンスケです。

多くの子供たちが好きなカブトムシ。
カブトムシの最大の特徴は、そう「ツノ」です。

カブトムシのツノはどうしてついているのでしょう?
また、カブトムシを何頭か比べてみると体の大きさ、ツノの長さに結構な差がありますね。どうしてその差が生まれるのでしょうか。

ということで、

今日は

『カブトムシオスの角や身体。大きくなる理由とその効果。』

についてお話ししたいと思います。

 

カブトムシのツノの役割

みなさんご存じのカブトムシ。オスとメスは見分けられますよね。

そう、オスにはツノがあって、メスにはありません。
では、なぜオスにはツノがあるのでしょうか?

カブトムシのツノの役割を考えてみましょう。

ほとんどの生物たちは自分の子孫を残すことに多くのエネルギーを使います。カブトムシもそうです。
(ただ、例外はあってアリやハチなどの働きアリ(バチ)たちは子孫を残すことがありません。)

カブトムシのオスは樹液場などのえさ場でメスと出会い交尾をします。でも、全てのオスがメスと交尾をして子孫を残せるわけではありません。

同じえさ場でオス同士が出会ってしまった場合、メスと交尾できるのは1頭のみ。
ここでメスを争った戦いが生じます。
戦いといってもいきなり取っ組み合いになることは少なく、まずは身体の大きさ、ツノの長さで力量を測り合います。

ケンカは自分も負傷、または死んでしまう可能性のある行為なのでここで危険を回避するわけです。

ツノの長さに大きな差がある場合は、小さい方が撤退して試合終了です。大きなオスがメスをゲットします。
一方、ツノの長さに大きな差がないときはメスをめぐってオス同士のケンカが勃発します。

ケンカはだいたい、正面から相手の体の下にツノを差し込んで相手を足場から引きはがすように上後方に投げ飛ばします。

これもツノの長い方が有利ですね。

それにえさ場で出会うのは同じカブトムシだけとは限りません。カナブンや他のクワガタも樹液を狙っています。えさ場が他の虫に占領されていたらカブトムシのメスは寄ってこれません。

こんな時もカブトムシは大きなツノを使って相手を投げ飛ばします。

こうしてオスはメスをゲットして自分の遺伝子を多くの子孫に残そうとしているんです。もちろんメスも弱いオスより強いオスの方が自分の遺伝子を残すのに有利になるわけですから、強いオスと交尾することになります。

自然界のカブトムシは飼育下と違って広い林の中で生きています。メスに出会う機会も数少なく、出会ったとしても自分より強敵の存在で交尾できないまま寿命を迎えてしまう個体も多いことでしょう。

こうした自然選択によって、ツノの大きなカブトムシの遺伝子が受け継がれていて、次の年にもまたこのような戦いが行われて、大きなツノの遺伝子が受け継がれているんですね。

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ツノや体が小さくても生き残る方法

生き残るのに有利なのはツノや体の大きなカブトムシというのは分かりました。
ですが、ツノや体が小さいカブトムシも実際は林の中で生き残っています。
どうやって生き残っているのでしょうか?

答えは・・・

「ニッチ」

です!

ニッチつまり「すき間」です。
ツノの小さなカブトムシのオスたちはうまくスキをついてメスと交尾します。

例えばえさ場で大きなカブトムシと出会っても小さすぎると力の差は歴然。したがって大きなカブトムシは相手にもしないことが多いのです。
小さなカブトムシはそのスキをついてメスと交尾してしまいます。大きなオスが他の相手と戦っているときは大チャンス。
こうして自分の遺伝子を残すことができているんですね。

また、採集に行くと夕方の早い時間や朝日が昇ってから捕まえられるカブトムシは小さかったという経験はありませんか?

6月の早い時期や8月後半の遅い時期にも小さいカブトムシが採れることがあります。

これらは大きいカブトムシはメスと出会う確率の大きい時期・時間帯を狙って活動しています。でも小さいカブトムシはその時期や時間帯に大きなカブトムシに太刀打ちできません。
ですので、小さいカブトムシは時期や時間帯をずらして交尾の機会を狙っているようです。

もう一つ、憶測ですが飛翔能力もひとつの強みになっているのではないかと考えられます。大きなツノや身体は素早く動いたり遠くへ飛んだりする能力が低いと考えられます。
これにより、タヌキやカラスなどの天敵から逃れやすくすること、それに遠くまで飛べることで別の地域へ遺伝子を拡散することも可能になり得ますね。

カブトムシのツノと農業の関係

ツノの役割はずばり「強さの象徴」でした。ツノ自体に生命活動の役割はあまりありません。そしてツノを作るのには大量の栄養が必要です。

ツノは外殻が隆起してできています。
〈サナギになる前の前蛹の時期にしぼんだ状態の角が膨らむ〉(名古屋大学研究グループが発見!)ことでツノが発生します。
ジェット風船を膨らませる要領ですね。

カブトムシのツノは非常に硬いです。きっと密度も濃いのでしょう。これを作るためには多量の栄養を摂取する必要があります。幼虫は土を食べて成長します。このツノを作るのにはかなりの量の土が必要です。

農家の方が培養土を作るときに落ち葉などを置いておく場所にカブトムシが大量発生しているとよく聞きます。
ここは栄養がたっぷりの土なんでしょう。「ゴロゴロ」出てくるそうです。

一方、自然の中ではもっと生息密度は低いようです。それに大きさは小さい。

ということは、子孫を残すのに有利なのはやっぱり農家出身のカブトムシということになりますね。

農業用の土は栄養が豊富なので大きなカブトムシが大きなツノを作るのに適しています。
こうして、自然選択と人間の農業が現代のカブトムシのツノを大きくしていったのではないでしょうか。

ちなみにわが家へ最初に来たカブトムシも農家出身です。
今では大量に増えています。そして飼育個体はやっぱり野外で捕まえられる個体より断然大きいです。

やっぱりカブトムシの大きさはヒトの生活となにかしら関連しているようですね。

 

カブトムシメスの大きさ

カブトムシのメスにも体の大小はあります。
でも、オスほどの大きな差異は見受けられません。幼虫時代の栄養の差ぐらいではないかと考えられます。

もちろん卵を大量に産めたり、大きな卵を産むためには大きな方が有利です。

また、えさ場をめぐってメス同士の小競り合いも多いし、他の虫との生存競争では大きな体は強みではあります。

オスほど大きさに差が少ないのは、カブトムシのメスは卵を産むことに自身のエネルギーを多く費やしているからだと考えられます。

メスは多くの卵に栄養を送るために非常に大食いです。それにオスに交尾で乗りかかられながらも樹液をなめている様子がよく見られます。

これは少しでも卵を育てるために必要な行動なのでしょう。

またツノがないのも、卵を育てるために栄養を使うためということと、土に深く潜って産卵するために邪魔になるからなんですね。

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まとめ

〇カブトムシのオスのツノは自分の遺伝子を多く残すために大きくなった。

〇ツノが小さくても子孫を残す方法がある。

〇カブトムシの繁栄や大きくなった要因の一つに農業の影響がある。

〇カブトムシメスは卵を産むことを優先してツノがない。

カブトムシの身体、カッコいいと思っていましたが、そこにはいろんな秘密があったんですね。

これからもカブトムシのツノについて分かったことがあったらどんどん追記していきたいと思います。

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