こんにちは。ケンスケです。
シーラカンスのはく製って見たことありますか?
私はまだ小学生のころ、東京にある「よみうりランド」ってところで見て、すっごく印象に残ったのを覚えています。
それから、しばらくは忘れかけていたのですが大人になってから、シーラカンスがいまだに棲息していて、その「泳ぐ映像が撮影された」ことを知りました。
これって、実はすっごいことなんですよ~!
シーラカンスはメチャメチャ昔(3億8千万年前とか)の地層から化石として見つかっていました。
が、
6500万年に生物の大量絶滅があって、それ以降は見つかっていなかったんです。
恐竜と一緒に絶滅したと考えられていました。
それが、
1938年アフリカで生きたまま発見されたんです!
その後もポツポツと見つかって、まだまだ生存していることが分かったのです。
2006年にはインドネシアで、生きたシーラカンスの撮影に成功します。
生きているシーラカンスが海中で泳ぐ姿を見られるなんて、感動的だと思いませんか?
ということで、
『【シーラカンス】の魅力を紹介!生き残った秘訣を考えてみる。』
それではいってみましょう!
シーラカンスのはく製はどこで見られる?
深海に棲む魚で大変貴重な魚なので、飼育も困難で、水族館などで生態を展示しているところはありません。
でも、
日本にははく製や冷凍標本があるんですねぇ~。
私が調べたところ日本で本物のはく製が見られる場所は3か所!
(化石は国立科学博物館や鳥羽水族館でも見られるようです。)
1、沼津港深海水族館・シーラカンスミュージアム
シーラカンスに興味があったら絶対に行っておきたい場所です。
な、な、な、なんと、ここにはシーラカンスの標本
5体!
それもそのうち二つは冷凍標本です!
解凍したら、新鮮?!
ん~。冷凍だとなんだかマグロっぽくないですか?
な~んて思いながら、いろいろ観察できます。
それにシーラカンスの体や生態についての展示もかなり詳細。
おもしろいのは現地の生活や風景も展示していて、現地に調査に入った気分で楽しめるところですね!
CTスキャンで体内まで映像化しているところがスゴイ!!!
沼津港深海魚水族館を紹介した記事
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2、アクアマリンふくしま
こちらでは、世界で現在も生息している2種類(インドネシアとアフリカ)のシーラカンスの標本があります。
両方が展示されているのは、ここだけ!
とはいっても、インドネシアシーラカンスの展示は2020年5月まで!
そう、もう時間がありません。外出自粛期間が終わったら見ておきたいですね。
アクアマリンふくしまは2000年に開館してから、シーラカンスの調査プロジェクトを進めていて、
2006年にはインドネシアで生きた個体を
初めて撮影に成功!
他にもアフリカでも群れを撮影しています。
なので、アクアマリンふくしまもシーラカンスは詳細な解説が展示されています。
調査に使われている「ROV」という自走式のカメラも展示されているので、昔「水スぺ」をみて心をワクワクさせていた私たち世代は、探検隊になった気分で楽しいですよ!
さらに、現在も生き残ったシーラカンスのほかに、本物の「化石」の種類が豊富で、大きなものから小さなものまでたくさんの種類がみられます。
アクアマリンふくしまを紹介した記事もどうぞ!
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3、市立しものせき水族館・海響館
こちらは、私は行ったことがありません。
私が幼いころ「よみうりランド」でみたシーラカンスの標本がこちらにあるようです!
ちょっと東京から遠いのですが、また再会できるのを楽しみにしています。
シーラカンスはどんな魚?
ヒレの形状
シーラカンスの最大の特徴は、
ヒレ!
魚を丸ごと食べたことがある方は分かると思いますが、普通の魚はヒレは身体から直接生えていますよね。
シーラカンスは、まず「腕」や「脚」のような骨があって、その先にヒレが付いています。
オールの柄みたいな感じでしょうか。
これを持っているのは、「ハイギョ」のみ。
魚類と両生類やは虫類への進化を考える時に重要な存在だと考えられています。
シーラカンスの海中での映像を見ると、この「腕」や「脚」を左右交互にねじりながら水流の中でも静止しているように見えます。
肺の存在
現在生き残っているシーラカンスは完全にエラ呼吸をしています。でも、解剖の結果、退化したと思われる肺が発見されました。
現代のシーラカンスは深海に棲んでいますが、化石で見つかったシーラカンスたちは浅瀬や河口からも見つかっています。
浅瀬や河口に棲んでいたシーラカンスもいたんですね。
それらは、「ハイギョ」のように肺でも呼吸していたのかもしれません。
オーストラリアハイギョ:アフリカにいるものと違ってウロコがある!
ハイギョが棲むアフリカやオーストラリアでは、雨季と乾季があります。雨季に沼だったところが、乾季には水たまり程度になることもあります。
ハイギョはこの環境に適応して、肺で呼吸することで現代でも生き残っています。
先述しましたが、6500万年前になんらかの環境激変が起こります。
このとき浅瀬や河口に棲んでいたシーラカンスは、その環境変化に耐えられず、恐竜とともに絶滅してしまいます。
が、
深海は環境変化の影響を受けにくい場所です。
浅瀬から深海に戻っていた現代のシーラカンスの祖先たちは、環境激変から免れたのかもしれませんね!
「肺の痕跡が見つかった」ってことだけで、
環境激変の影響も少ない深海で生活していたおかげで生き残ることに成功したってことが推測できるんですね。
骨格の違い!
なんと、背骨がないんです。
全くないわけじゃなくて、脊柱のような軟骨はあります。
さらに、肋骨がなかったり、先述したヒレに骨をもっていたり、とそこら辺の魚とは違った骨格を持っていることも興味深いですね。
生き残りの秘訣!
生息地
深海は環境変化を受けにくい場所ということは先述しました。
さらに、シーラカンスは岩礁地帯に生息しています。
ということは、身を隠せる場所が豊富にあるってことですね。
現存するシーラカンスは全長1メートル以上もある大きな魚。
遊泳性はあまり強くないのですが、岩礁地帯ではシーラカンスより大きな天敵はほとんどいないし、いても見つかりにくい。さらに隠れやすい!
たぶんですが、あまり捕食されることがないんじゃないかと推測できます。
しかも。
1938年まで人間にも見つかっていません。
(たまに地元の漁師の網にかかることはあった。)
調査でもなかなか見つけられない魚です。
卵胎生魚
卵胎生とは、繁殖のときにメスの体の中で卵がかえり、生まれる時は幼魚の姿で生まれます。
身近にはグッピーがいますね。
この卵胎生の特徴は生存率が高いこと!
魚の卵の大部分は卵黄といって、仔魚がエサを食べられるようになるまでの栄養分が入っています。
これがあると、ほとんど泳げないんですね。
でも、卵胎生の魚はお母さんから生まれてくるころには、この卵黄嚢がほぼ吸収されていて、すぐに泳げる状態。
生まれたそばから他の魚に捕食されるっていう確率は格段に下がります。
シーラカンスが親から生まれる時の大きさはなんと、
30㎝ぐらい!
これなら、そこらへんの魚じゃ、捕食できません。
解剖したシーラカンスの腹部から30㎝の幼魚が30匹くらい出てきた記録があります。
シーラカンスがどれくらいで大人になるのかは分かっていませんが、繁殖できるまでに成長する確率は高いことが、生き残る秘訣だったのではないでしょうか。
長寿の魚?!
見てほしいのが、ウロコ!
大きいですよね。
さらに硬そう。(触ってみたことはないのですが・・・。)
たぶん防御力もなかなかのものなんじゃないかと。
口も大きく、待ち伏せ型の丸のみ系っぽいですね。
攻撃力もまぁまぁだったんじゃないかと。
しかも生息域は深海の岩礁地帯。
捕食される確率はかなり低そうですよね。
で、生まれる大きさが30㎝で、大人の大きさが180~200㎝。
エサも少ない深海でそれだけ成長するってことは、それだけ長く生きているってこと。
かなり長生きできる魚なのかもしれません。
最後に。
いかがでしたか?
「なんか、シーラカンスに興味を持ってきた。」っていう方がいてくれたら、嬉しいですね。
シーラカンスっていうと「未知の魚」とか「生きた化石」とか、渡しにはワクワクする印象が強いですね。
3億年以上も前から変わらぬ姿で、今も人知れずひっそりと暮らしているシーラカンス。
もう少し詳しく調べて、また記事にしたいテーマです。
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この著者の岩田雅光さんはアクアマリンふくしまでシーラカンスのプロジェクトをされている方で、本物の生きている映像を撮影された方。
シーラカンスを探し続けるドキドキと夢を叶えていくワクワクが詰まった本です。
よかったら読んでみてくださいね。
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