こんにちは。ケンスケです。
2011年の3月11日。東日本大震災。
日本の太平洋沖を震源とするマグニチュード9.0の大地震が起きました。
宮城県では震度7、福島県いわき市では震度6弱を記録しました。
その後続く大津波の数々。
たくさんの命が奪われました。
さらに、悲劇は続きます。
福島県の原発事故。
電気、水、ガスなどのライフラインはストップし、生活物資の不足は何か月も続きました。
【アクアマリンふくしま】も地震・津波・原発事故で被災した施設のひとつです。
当時、飼育していた9割の生き物の命も奪われました。
そして、2011年7月。アクアマリンふくしまの関係者の方々や協力してくださった方々の尽力により、開館を再開できました。
今、こうして素晴らしい施設を見学できるのもこの大災害を乗り越えて復興した方々のおかげなんですね。
【アクアマリンふくしま】は水族館の展示を通して、地球環境を考えさせる取り組みを行っています。
私たちが暮らす地球って、さまざまなことが影響し合って絶妙なバランスで成り立っているんですね。
メチャクチャ勉強になります。
さぁ、水族館レポートいってみましょう!
『震災から復興。【アクアマリンふくしま】で地球環境を学ぼう!』
です。
環境水族館
突然ですが、質問です。
地球の面積で「海」の占める割合はどれくらいだと思いますか?
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答え 約71.1%
地球の自然環境を考えるなかで、「海」ってかなりの重要な役割をもっているんですね。
陸地に住む私たちヒトの生命活動の影響は、巡りめぐって「海」にたどり着きます。
【アクアマリンふくしま】では、ヒトが住む里山から海までの自然環境を所々再現して、どのような生態系が生まれているか、ヒトの生活が地球にどんな影響を及ぼしているかを学ぶことができます。
「学ぶ」っていうとちょっとお堅いイメージがありますが、それぞれの環境に住む生き物たちを観察しながら、地球を考えていけるのでめっちゃ楽しいです。
基本的に屋内施設なのですが、実は屋外施設も充実しています。
「縄文の里」「蛇の目ビーチ」「BIOBIOかっぱの里」「日本庭園」は屋外にあるので、季節の変化が楽しめます。
来館する季節によっても、生き物や植物の種類が変わるので、まるで違った景観に見えたりします。
屋内施設の珍しい生物たちに気をとられがちですが、日本の風景の中で生き物たちを探すのもおもしろいポイントです。
充実のシーラカンス展示!標本も化石も生体映像も!
アクアマリンふくしまには、シーラカンスの標本を2種類も展示しています。
実はここに来たのもこれが見たかったからでもあります。
まず、1体だけでも珍しいのに、違う種類の標本がもう1体!
よ~く見ないとわかりませんが、アフリカとインドネシアで顔が微妙に違うように見えます。
東京にある「よみうりランド」に展示されていた標本をみたのがきっかけでした。
当時は「生きた化石」として、しかも絶滅してしまった魚がみつかったということで、子供心に感動したのを覚えています。
シーラカンスの化石も小さいものから大きなものまで多数展示されています。
さらに【アクアマリンふくしま】は、シーラカンスの生態調査にも力を入れていて、海中で生きている生体の撮影にも何度も成功しているんです!
「シーラカンスの世界」のコーナーで見ることができますよ。
シーラカンスについて詳しい記事もご一緒にどうぞ!
こんにちは。ケンスケです。シーラカンスのはく製って見たことありますか?私はまだ小学生のころ、東京にある「よみうりランド」ってところで見て、すっごく印象に残ったのを覚えています。それから、しばらくは忘れかけていたの[…]
入口から順路に従って進んだ「海・生命の進化」コーナーでは、他にもカブトガニやオーストラリアハイギョの生体も展示されています。
魚類と両生類の進化についても詳しく解説されていますよ!
ここでも環境問題が!
環境の違う水槽の種類も豊富
いろんな生物を展示している水槽がある屋内は、自然光を取り入れた温室のようになっていて、ところどころに解説員の方がいて水槽を解説してくれたりします。
擬態していて、普通なら通り過ぎてしまいそうな生き物も、解説されて初めて分かることもあって、嬉しい配慮ですね。
日本沿岸の太平洋を流れる黒潮と親潮がぶつかるのが、福島県沖。
なので、
こちらではその「潮目」を再現した水槽もあって、イワシの大群やカツオなどの回遊魚が泳ぎ回っています。
水槽にはトンネルがあって、海中にいるような感覚になります。多くの人が記念写真を撮影していました。
ナマコやメバルも水族館の水槽で見ると美しく見えるから不思議です。
陸地からは見えない水中を再現することで、海中の環境を想像できますね。
私もたま~に釣りに行くのですが、まだまだ考えなければならないのが「ごみ問題」です。
漁港で竿を出すことが多いのですが、やっぱりビニール袋やペットボトル、包装プラスチックなどが海に浮いていることが多いです。
陸の上から見えない水中にはたくさんの生物が暮らしていることを忘れてはいけないってことにまた気づかされました。
海獣・海鳥ゾーン。世界でも珍しいクラカケアザラシ!
海獣ゾーンでは、今まで水族館でほとんど展示されていなかった「クラカケアザラシ」と会えます。
水温の低い場所で生息しているため、【アクアマリンふくしま】では冬季のみ展示されています。
(12月~5月ごろまで展示)
白と黒のパンダのような色づかい。
白い模様が「馬に乗るための鞍」に似ているので名づけられた。
冷たい環境で生息しているので、暑さに弱く飼育が難しい。
そのため、生態もまだよくわかっていない種。
私もいろいろな動物園・水族館に行きましたが、存在を知ったのも、姿を見たのも今回が初めて。
元気に水槽の中を泳ぎ回っていました。
大人になると体長180㎝、体重100㎏以上にもなる大きなアザラシなんです。
陸地にはあまり近づかず、流氷の上で出産します。
一時、生息数も減少していましたが、回復してきています。
他には、ゴマフアザラシやトドがいました。
トドは本当に巨体!
ガラス面の近くでウトウトしていました。
震災時には、セイウチ「ミル」も飼育されていましたが、繁殖のために香港の水族館へ旅立っていきました。
寂しいですが、そこは環境水族館である【アクアマリンふくしま】。種の保存を優先してくれたんですね。
ヒトによる乱獲の影響で生息数が減少している種がいるのは周知の事実ですね。
温暖化の影響で寒冷地に住む流氷や氷河の融解によって、繁殖地を奪われる種もあります。さらには、温暖化によって、今まで出会わなかった種どうしが出会い、交雑してしまう例もあります。
天敵が増えることによって生態系が変わってしまう恐れもありますね。
「環境水族館」
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いろいろと考えさせてくれますね。
オセアニック・ガレリア(学習ゾーン)
ヒトと海の関わりの歴史の展示があります。
日本では昔から捕鯨の文化がありました。どんな風に行われていたかが、当時の絵によって解説されていたり、
海で獲れた魚が食卓に並ぶ過程を解説していたり、
原発事故による魚への影響を解説していたり、
島国である日本の生活が海とふか~いつながりがあるってことがよくわかります。
メチャクチャ勉強になりますよ!
熱帯気候ゾーン
じゃん。
スマトラオオヒラタクワガタ!
私も飼育してみたいクワガタがここにいました。
コーカサスオオカブト!
やっぱり強そうでカッコいいですね。
熱帯気候の生物たちはカラフルなものが多いですね。
写真撮影する人も多くいましたよ。
熱帯雨林は生物の宝庫。
現代では熱帯雨林がどんどん減少しています。
こちらもヒトの生活と深い関りをもっています。
ナポレオンフィッシュ。和名をメガネモチノウオ。
不思議な形のいきものがたくさん深海ゾーン。
深海の生物って、私たちから見たら奇妙な形をしていますね。
でも、
その形は環境に適したかたちに
「進化」と「退化」
を繰り返してきた結果なんです。
深海の生物をみているとなんだか
「宇宙人みたい」
って思ったことありませんか?
インベーダーゲームでは「クラゲ」
映画「エイリアン」はなんか「タカアシガニ」に似ているし、
ウルトラマンに出てくる「バルタン星人」は「イセエビ」
昔からイメージされる宇宙人は「タコ」
昔から私たちが「地球外生命体」「宇宙人」を表現するときって、深海生物をモチーフにしてきたので、そういうイメージになったのかもしれませんね。
もしかしたら、地球の未来は「深海」のようになっているんじゃないか?!
そんなことを考えながら、深海生物たちを見ていました。
よく見ると本当にいろんな形や色をしていておもしろいですよ。
アクアマリンエッグで体験型学習
釣り堀があったり、缶詰づくり体験があったり、四方から観察できる水槽があったりと子供や大人も楽しみながら生き物を観察できる施設です。
「蛇の目ビーチ」では干潟や浜辺、磯が再現されていて身近な海を体験しながら生き物を観察できます。
「BIOBIOかっぱの里」ではメダカやカエルなどが棲む里地を再現していて、季節によって表情を変えた自然を観察することができますよ。
華麗な金魚たちの「金魚館」
金魚はヒトが「フナ」を改良した魚たち。
キレイな色、さまざまな形に魅了されますよ。
基本情報
地図
福島県いわき市小名浜字辰巳町50
駐車場は無料で周辺商業施設と供用になっています。広大な駐車場がありますが、夏休みやゴールデンウィークは混雑します。
休館日
年中無休です。
開館時間
通常期 3月21日~11月30日9:00~17:30(16:30までに入館)
冬季 12月1日~3月20日9:00~17:00(16:00までに入館)
料金
大人 ¥1850
小~高校生 ¥900
幼児 無料
年間パスポート
1年間入園できる他、さまざまな特典があります!3回以上行ける方は絶対オトク!
大人 ¥4250
小~高校生¥2100
最後に。
【アクアマリンふくしま】では、さまざまな展示を通して、地球とヒトとの関係を学ぶことができます。
地球温暖化、マイクロプラスチック、乱獲、原発事故・・・
地球とヒトの共生の間には数多くの課題が残されています。
環境への理解を深めることで少しずつでもそれらの課題を解決して、ヒトにとっても地球にとっても明るい未来にしていきたいですね。
東日本大震災によって壊滅的被害を受けながらも立ち直ったアクアマリンふくしまのように、地球環境もみんなの努力で立ち直らせなければなりませんね。
あなたも環境水族館でもういちど地球環境のことを考えてみませんか?
もちろん、ここでもお土産購入!
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