カブトムシは昼間、どこに隠れている?双眼鏡があるとみつけやすい?!

こんにちは。ケンスケです。

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カブトムシを捕まえに行きたいんだけど、

夜の雑木林ってこわい!

そうなんです。
雑木林にいるのは分かっているんです。
でも、暗い雑木林に入っていくには怖いし、実際に危険も伴います。

じゃあ、明るいうちに採集に行けばいい!

ってことで、探してみましょう。

昼間のカブトムシ。

昼間枝で休むカブトムシ

カブトムシは昼間、どこに隠れている?双眼鏡があるとみつけやすい?!

カブトムシは基本的に夜間に活動する!

枝にしがみつくカブトムシのオス

カブトムシの活動が活発になるのはやっぱり夜。
夕方、薄暗くなってくると樹液の出ている場所に集まり始めます。

樹液が出る場所は、エサ場であると同時にオスとメスの出会いの場所でもあるのです。
活動する時間を合わせることで、子孫を残すことに役立っているわけですね。

自宅で飼育しているカブトムシたちも、昼間はおとなしいのに夜間になると活発に動いて、少々うるさいぐらいです。

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鳴くカブトムシ

カブトムシが成虫として活動するのは、6月ごろから8月初めごろ。
日本では気温がかなり高くなる時期です。

カブトムシは夏に活動しますが、実はあまり高温に強くありません。
だから少し気温が下がった夜間に活動しているんですね。

さらに、夜の間は、最大の天敵であるカラスは活動していません。
もしかしたら、これも夜間に活発になる理由のひとつなのかもしれませんね。

ただ、最近おもしろいことが発見されました。
外来植物のシマトネリコ。

シマトネリコの花

シマトネリコにカブトムシがよく集まるのは、有名な話ですね。

このシマトネリコに集まるカブトムシは昼間でも平気で活動するということが発見されたのです!

それも発見したのが小学生なんです!

詳しくは、カブトムシ研究の専門家・山口大学の小島渉先生が発表されています。
外部リンク⇛外来植物がカブトムシの活動リズムを変化させる – 山口大学

シマトネリコで樹液を吸うカブトムシのメス

シマトネリコに集まるカブトムシ。
実は自分で樹皮に傷をつけて滲出液をなめているんです。
本来、日本のカブトムシは出ている樹液を探して集まっていました。

新しい生態を発見できたと同時に、外国の植物を植えることで生態系に与える影響も考えさせるニュースですね。

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ヒラタクワガタのオス

夜のほうが樹液が多くでる!?

昼間に樹液を吸うカブトムシ

たくさんの昆虫の餌となる樹液。
実は植物の「師管液」「導管液」が混ざったもの。

師管液葉が光合成をして作り出した栄養たっぷりの液体
導管液根から吸収した水分とミネラル。

植物は昼間は水分を葉から蒸発させて温度の上昇を防いでいます。
夜間はその蒸発が抑えられています。

水分の蒸発がなくなるってことは、植物の通る管の内圧が高まるのです。
ってことは、夜間のほうが昼間たっぷり光合成をして作り出した栄養たっぷりの樹液が多く出る!ってこと。

もちろん昼間も樹液は出ています。
ですが、昼間の樹液は夜よりも少なく感じます。

昼間はカナブンやスズメバチが小さい隙間に頭を突き合わせるようにして、樹液を吸っています。

一方、夜間になると樹液の滲出する量が多いので、昼間よりも樹液場の面積は少々広くなっていることも多いのです。

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樹液に集まるムシたち

昼間はどこにいる?

枝に隠れて休むカブトムシのオス

カブトムシは夜に活動が活発になるのですが、昼間はどうしていると思いますか?

答えは、

休んでいることが多い!

私はキャンプに行ったとき、夜2~3時間おきに樹液の出る樹を観察しに行ったことがあります。

夜間の間はカブトムシが何匹も樹液を吸いに集まっていたのですが、空が明るくなる4時頃になるとちゃんといなくなっていたのです。

で、どこに行ったのかと探してみると、意外と近くにいるんです。

昼間のカブトムシは高い樹の枝に!

樹液の出ている樹の高いところ!

枝が生い茂って、葉も密になっている枝の下側に掴まっているんです。

よく、「樹の根元に潜っている!」といわれます。
採集に行くと掘り返した跡があることも。

採集時に根元を掘り返した後は必ず埋め戻してくださいね。
樹や根がそこから傷んで、倒れてしまう危険もあるんです。

ただし、木の根元を掘り返しても見つからないことが多いです。
オスは樹の高い場所や枝の方で休んでいて、メスはどこか土の柔らかい場所や枯れ葉が溜まった場所に隠れています。

気温の高い時間はなるべく涼しい場所で、天敵に見つからないように隠れているんです。

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昼間のカブトムシはここを探せ!

休んでいるカブトムシのオス

昼間に採集に行くときに探したい場所を紹介しておきます。

日中でも太陽の当たらない涼しい場所で、樹液の出ている場所からそれほど離れていないところがおすすめです。

☆樹液の出ている樹の高い場所。または近くの樹。
○風通しのいい場所で、枝の根元。
○枝先の方で陽の当たらない場所。
☆堆肥を作るために貯められた枯れ葉の中。
○メスは産卵場所を探して柔らかい場所に潜る。
☆樹液場。
小さいカブトムシや力の弱いカブトムシは他の個体と時間をずらして、昼間に樹液場にいることもあります!

昼間の採集は、夜間よりも採集できる数や確率は下がりますが、見つかることもあるんですよ!

昼間の樹液場は夜とは違うメンバー

昼間の樹液酒場

夜の樹液場は、カブトムシやクワガタ、ガなどが多いです。
一方、昼間は夜間とは違ったメンバーが見られます。

スズメバチ
攻撃的な超危険生物。刺されるとアナフィラキシーショックを引き起こすこともあるので近づかないこと。
近くに目当てのムシがいても潔くあきらめましょう!

カナブン
アオカナブンやクロカナブン、シロテンハナムグリなどきれいな甲虫たちが昼間はみられます。

チョウ
オオムラサキは見たことありませんが、けっこうきれいなチョウも樹液を吸いにやってきます。

カミキリムシ
ミヤマカミキリは夜でもよくみかけますが、シロスジカミキリやスズメバチに似せている「ヨツスジハナカミキリ」っていうのをみたことがあります。

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昼間の昆虫観察は双眼鏡が便利!

樹の枝でじっとしているカブトムシ

昼間のカブトムシは、意外と探せば見つかるところにいることもあります。

ただし、かなり高いところで休んでいるので、採集は難しいことも多いんです。

観察するなら双眼鏡があると便利です。
ただし、あまり大きいと持ち運びがかなり重たいので、コンパクトなものを選びましょう。

高所のカブトムシをみるとき。
樹液場にスズメバチがいて近づけないとき。
遠くになにかいるけどよく見えないとき。
雑木林に入ったら野鳥の声が聞こえたとき。

いろんな場面で役立ってくれる双眼鏡。
ひとつもっておくと楽しい場面が見られるかもしれません。
必ず安全な場所で立ち止まって使いましょう。


↑この双眼鏡は少し大きいですが、スペックは抜群。
値段もお手頃で、スマートフォンを装着して撮影できるところがおもしろいですよ。

最後に。

雑木林のイメージ

昼間にカブトムシを探しに行ったり、夜間採集の下見に行ったりすると、運がよければ昼間にも活動するノコギリクワガタやミヤマクワガタに出会えるかもしれません。

お子さんと行くにはやっぱり「昼間が安全」という方は、散歩がてら探しに行くのも楽しいですよ。

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