【カブトムシ成虫】ひっくり返る理由と対処法。転倒防止のススメ。

こんにちは。ケンスケです。

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カブトムシを飼育していると絶対に見られる光景があります。

ひっくり返っている!!!

そう、カブトムシが亡くなる原因もこの「ひっくり返る」ことが原因のひとつだったりもします。

カブトムシは、平面な地形でひっくり返ってしまうと自力で起き上がることが困難です。

カブトムシを飼育したことのある方ならご存知だと思いますが、よくあお向けになってもがいていますよね。

カブトムシたくさん

転倒防止のため、起き上がるための足掛かりとして、小枝や朽ち木を飼育ケースに入れていると思いますが、今回の記事ではその必要性と入れる数などを解説していきましょう。

【カブトムシ成虫】ひっくり返る理由と対処法。転倒防止のススメ。

カブトムシが成虫になってからの平均的な寿命は、

1か月半から2か月

少しでも長く、元気に生きてほしい方はぜひ参考にしてみてくださいね。

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カブトムシがひっくり返る理由。

ひっくり返ってもがくカブトムシ

起こしても起こしても、す~ぐひっくり返るカブトムシ。
カッコよくて力強いカブトムシがどうしてひっくり返るんでしょうか?

カブトムシの体の特徴から推察してみましょう。

カブトムシの秘密①「実は地面を歩くのが苦手!」

カブトムシしがみつく

普段カブトムシは地上にいる時、何かしらにしがみついて生活していますよね。

しがみつく力は相当なもの。
間違ってじゅうたんや洋服にくっついてしまったら、引きはがすのにも苦労します。
枝木などにつかまらせてあげると持ち上げやすいですよ!)

自然界では、地上を歩いていることってあんまりないんです。
(外灯などに飛んできた場合を除いて)

カブトムシは基本的に雑木林に住んでいます。
夜は樹液の周りをうろついていて、昼間は木の枝で休んでいることが多いです。
(「土の中に潜っている」という説もありますね。)

脚にある鋭い爪で、木の枝や幹にしがみついているんですよね。

カブトムシのツメ

なので、

ツメがひっかからないツルツルした面やつかめない土や砂の上では、うまく歩けないんです。

羽化したばかりの成虫は、身体の腹側を乾かして、硬化させるためにあお向けになっていることがあります。一応、うつ伏せの状態に戻してあげて、様子をみましょう。

カブトムシの秘密②「体の重心が背中側」

カブトムシのメス

カブトムシは他の昆虫類と比べると体重が重いです。
その分、力も強く、鋭い爪も持っているのですが、掴めない地面を歩くのが苦手、というお話をしました。

重心が背中側(羽側)にあるので、バランスを崩しやすいんですね。
よく後足で立ち上がるようにケース側面を登ろうとします。
脚の爪が何かに引っかかって掴まっていられるといいのですが、ケースの側面にはツルツルしていて掴まれません。

転倒しそうなカブトムシ

そうすると身体の重心が後方にあるカブトムシは、

後ろに転倒

ひっくり返って起き上がれない

状態になりがちですよね。

カブトムシの秘密③「身体がかたい!」

まぁ、秘密でも何でもないのですが、カブトムシは「昆虫」です。

そう、昆虫の身体には骨がありません。

『外骨格』といいます。

外骨格は、硬い皮膚で「身体の器官を外力から守る」ことができますが、身体を折り曲げたり、ねじったりすることは苦手です。

猫のように体をひねって見事に着地!

ってことができないんですね。

しかも体が硬いのでひっくり返ったら、体幹をねじって起き上がることもできませんよね。

カブトムシの秘密④「体高があって、脚が下側から生えている」

起き上がれないカブトムシ

これも秘密でもなんでもなく、見たままです。
ひっくり返ると足が地面に届かないんです。

カブトムシの秘密⑤「老化・麻痺・欠損」

カブトムシオス

カブトムシは老化してくると、脚がマヒしてきて動かせなくなったり、脚が取れやすくなったりします。

そうすると、当たり前ですが、ひっくり返りやすくなってしまいます。

ひっくり返ると・・・どうなる?

カブトムシ

平地で運悪くひっくり返ってしまうと、基本的には自力では起き上がれません。

最悪、もがき続けます。

もがき続けると消耗します。消耗し続けても、ひっくり返ったままではエサも食べられません。

そう、星になってしまうんですね。

見ているとたまに足でもがいて勢いをつけて側方に起き上がる器用な個体もいますが・・・。

運よく何かに足が引っかかって起き上がれたとしても



カブトムシの体は重いですよね。
そして、カブトムシの脚はとれやすいんです。

1本の脚で重い身体を持ち上げることになります。
そう、脚の欠損の原因にもなってしまうんです!

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カブトムシの交尾

メスは卵を産むために土に潜ります。潜るときには前足の脛節(爪の上部・人でいう前腕)をシャベルのように使って潜ります。

中足・後足はそれほど影響は与えませんが、前足の欠損は繁殖に影響を与えてしまうんです。

カブトムシの老化を遅らせる方法を検証した記事です。

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ひっくり返る。対処法。

カブトムシの飼育セット例
〇なるべくマットだけの平面を作らない。
〇転倒してもすぐ起き上がれる環境をつくる!

ことが大事です。
そのための方法は、

①転倒防止用の枝木、朽ち木を入れる。

カブトムシは何かに掴まっていたい生き物です。
掴まれるものを入れておいてあげましょう。

転倒したときにも足を引っかけて起き上がれます。

エサをひっくり返すのも得意ですので、昆虫ゼリーをはめられる穴の開いた枝木も売っていますね。

野外に落ちている木でもいいのですが、雑虫などが住み着いている可能性もあるので購入したものの方が安心です。



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②マットを露出させない!

マットが露出しているとカブトムシのツメが引っかからず、転倒の原因になることは先述しました。

登り木や小枝のすき間を枯葉や樹皮で埋めてあげます。
なければ、新聞紙やキッチンペーパーでも代用できます。

転倒防止にも起き上がりの足掛かりにもなります。
さらに、マットの乾燥防止にもなるのでなるべく入れておきましょう。

カブトムシは枯葉のすき間に隠れることもできて、落ち着いた環境にもなるので便利ですよ。

③ハクスチップを使う。

ハクスチップとは、ヤシの実を細かくチップ状にしたもの。

産卵させないのであれば、ハクスチップをマットの代わりにしてもいいですね。

産卵させるのであれば、マットの上にハクスチップを撒いてもOKです。



④レイアウトの崩れを修正

密です!

転倒しないように登り木や小枝、枯葉をせっかく置いてもカブトムシは一晩でグチャグチャにしてしまいます。

こまめに様子をみてあげて、転倒しにくいレイアウトに直してあげてくださいね。

カブトムシの成虫の飼育法の記事も参考にしてみてくださいね。

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カブトムシは死ぬときにひっくり返る?!

余談ですが、

「カブトムシの死骸はだいたいひっくり返っている」

ことから、死ぬときにひっくり返るんじゃないか?

っていう疑問がありました。

私の推測ですが、たぶん「ひっくり返ったまま」死んでしまったのではないかと思います。

また、「拘縮」といって、神経がマヒすると屈側(関節を曲げる方向)に関節が曲がってしまう現象があります。

これによって脚が腹側に屈曲してしまって、ひっくり返るというのも考えられますね。

脚が拘縮した死骸

(写真はクワガタですが、脚が腹側に丸まってしまいます。)

どちらにせよ、カブトムシは老化によって、脚の麻痺や欠損によってひっくり返りやすいのが、死んでしまう原因のひとつですね。

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まとめ

カブトムシ飼育

カブトムシは身体の特徴によって、地面を歩くのが苦手だったり、転倒しやすかったり、起き上がれなかったりします。

防ぐには、

登り木・枯葉・樹皮などで掴まる環境をつくることが必要です。
新聞紙やハクスチップなどで起き上がりやすくしてあげるのも大事です。

そして、老化したり、弱っていたりすると転倒したり、起き上がりずらくなったりするので、日頃から元気に育てておくといいですね。

今回ご紹介したのは、一例ですので参考にしてみてくださいね。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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