こんにちは。ケンスケです。
国産のカブトムシはほとんどが寒い冬を越せずに寿命を迎えます。
でも、国産クワガタの中には冬眠(越冬)をして春を迎え、次のシーズンにも活動する個体がいます。
とはいっても、冬はクワガタにとっても厳しい季節であることに変わりありません。
自然界では、うまく秋口まで生き残っても、冬季に命を落としてしまう個体も少なくありません。
飼育下では自然界よりも越冬の生存率は高いです。
せっかく飼育しているクワガタですから長生きしてもらうために、越冬させてみましょう!
『国産クワガタ「成虫」の冬眠(越冬)。準備して寒い季節に備えよう!』
国産のクワガタは加温して18℃以上を保てば、越冬せずにずっと活動状態にすることができます。
しかし、活動状態が長期にわたると寿命が短くなったり、うまく産卵できないなどのデメリットもあります。
ただし、お住まいの家全体に暖房が影響して、寒い環境を作れない人は冬眠させずに加温する方法の選択も視野にいれてもいいかもしれませんね。
幼虫の冬眠についてはこちらの記事を参考にどうぞ。
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越冬する国産のクワガタ代表種
日本に住んでいるおもなクワガタの中で越冬するものは、
コクワガタ
ヒラタクワガタ
アカアシクワガタ
黒っぽくて、平べったいタイプのクワガタ(ドルクス属と呼ばれる)です。
一方、活動を始めると基本的に冬を越せないといわれているクワガタは、
ミヤマクワガタ
ただし、羽化してからまだ活動を始めていない(エサを食べ始めていない)個体は、そのまま越冬して次の初夏から夏にかけて活動を開始します。
クワガタやカブトムシは、蛹室で羽化してから活動を開始するまでに1ヶ月~数ヶ月ほとんど移動せずに過ごします。
この期間を「休眠」と呼びます。
活動を開始してエサを食べ始めることを「後食」といいます。
[「後食」については⇒カブトムシやクワガタの「後食」って何?羽化後の管理と注意点。]
ってことは、ノコギリクワガタやミヤマクワガタは、
休眠期間であれば越冬する!
ってことです。
詳しくはこちらの記事も参考に読んでみてくださいね。
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冬眠(越冬)に入る時期・温度
↑コクワガタのメス(コクワガタも越冬する!)
時期は、飼育している地域にもよるので一概には言い切れません。
ただし、気温が15℃を下回るとほとんどのクワガタが越冬、または越冬準備の段階に入るといわれています。
※高地性のアカアシクワガタなどはもっと気温が低くなってから。10℃ぐらいでも活動している個体もいるほどです。
私が住んでいる東京では、だいたい10月の後半ぐらいには、越冬させる準備をします。
低山性のクワガタは、だいたい18℃前後で活動が鈍くなってきて、15℃以下になるとあまりエサを食べなくなります。
そして、10℃以下になるとほとんど動かずに消耗を抑えて冬眠状態になります。
ただし、気温によってはエサを食べるために活動することもあるので、10月~11月ごろはエサを切らさないようにしましょう。
20℃~26℃ クワガタは快適に活動
18℃前後 活動が鈍くなる
15℃以下 越冬の準備段階
10℃以下 越冬(冬眠状態)
ちなみにカブトムシやクワガタの場合、「冬眠」とはいわず、「越冬」といいます。
仮死状態にならず、気温の高い日は活動するからのようです。
オオクワガタの越冬のやり方。ほとんどの国産クワガタと共通です。
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コクワガタの冬眠についてはこちら。
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越冬レイアウトの参考例
私が冬場にやっているレイアウト例です。
参考にしてみてくださいね。
朽ち木または産卵木
↑産卵させるわけではないので、安いものでOK!
自然界でクワガタが越冬している場所は、多くが雑木林や河川敷の朽ち木の中。
飼育下でも越冬するときは朽ち木の中や下に潜っています。
もちろん、マットだけでも越冬は可能ですが、隠れ家となる朽ち木を入れてあげましょう。
マット
マットの深さは、最低でも5cmはほしいところ。
もっと深くてもかまいません。
マットの種類はどんなものでも構いません。
広葉樹の発酵マットが無難ですが、ダニの繁殖が気になる人は針葉樹の粉砕マットがいいかもしれません。
飼育ケース
飼育ケースは深さが10cm以上あって、フタがしっかり閉まるものが必要です。(夏場に使用していたケースで構いません。)
マットを深く入れるのと朽ち木を入れるので、脱走のリスクが高まるためです。
潜るマットの量が多ければ、温度変化が緩やかになります。
なので、大か小か迷ったら大きい方のケースを選択したほうが無難です。
↑飼育ボトルも利用可能です。温度変化が少なく乾燥もしにくいのでおすすめです。
新聞紙またはディフェンスシート
フタとの間にはさみます。
乾燥の抑制とコバエの発生を抑える目的です。
フタに挟んだらフタが開いてしまわないか確認しましょう。
オオクワガタなどは力も強いので、フタを自力で開けてしまうことがあります。
ケースのフタの通気孔が小さい場合(コバエシャッターなど)は、なくても大丈夫です。
エサ
まだ気温が安定せず、暖かい日はエサを食べることがあります。
一応、昆虫ゼリーは置いておきます。
ゼリーのフタを完全に剥がさず、カッターで十字やY字に切り込みを入れておくと少し長持ちします。
頻繁に交換する必要はありませんが、乾燥したりカビが生えたりするので3~7日ぐらいで取り替えます。
真冬になって、室温が10℃にならないような場所で管理している場合はエサはなくても大丈夫です。
枯れ葉や樹皮
マットの上に枯れ葉を敷いておくと乾燥防止や隠れ家にもなります。
寒い季節の管理方法
冬眠中はほとんど世話をする必要がありません。
ただし、乾燥には注意しましょう。
越冬時の管理
○暖房の影響のない場所に。
温度が高くなると活動してしまうことがあります。
あまり温度変化が大きいとクワガタも消耗して寿命が短くなってしまうので、できるだけ涼しい場所に置きましょう。
○屋外はダメ!
屋外では、寒さや積雪で凍結してしまう恐れがあります。
また、日光が当たると温度が急上昇してしまう恐れもあります。
○乾燥のしすぎに注意。
私の場合、飼育ケースに新聞紙やシートを挟んでいれば、ほとんど加湿しないことが多いです。
ただし!管理する場所によっては、乾燥してしまう場合もありえます。
ときどきマットの湿り具合は確認しましょう。
(表面が湿っていれば大丈夫)
○静かな場所に。
振動や衝撃は、冬眠しているクワガタにとってストレスになります。なるべく動かさないでいい場所に置きましょう。
冬眠が明けたら!
↑越冬中のオオクワガタ
冬が明けて、だんだん暖かくなってくる3月下旬、越冬していたクワガタが動き出す時期です。
ただし、個体によって活動を始める時期はまちまちで、3月下旬まだ肌寒い時期に動き出すものもいれば、4月後半になって動き出すものもいます。
どちらにせよ、いつ活動を始めてもいいようにしておきましょう。
エサはいつからあげる?
気温が安定しないうちは、あまりたくさんは食べません。
気温が上がった日に動き出して食べているようです。
春になって気温が15℃を超えてくる日が増えてきたら、2~3日おきには様子をみて昆虫ゼリーを交換しましょう。
クワガタが活動を始めたかどうかは昆虫ゼリーの消費量で推測することができます。
エサを最初に食べたときから消費量が増えてきたら活動を始めたしるしです。
水やり(加水)は忘れずに。
↑越冬明けの飼育セット。表面は乾燥しているがマットの中はまだ湿り気がある。
冬場はあまり加水しなくても、マットの深い場所は湿度が保たれている状態です。
ですが、春になってクワガタが動き始めると、地上や浅い場所に移動します。
上部の方はどうしても乾燥しがちですので、マット表面はなるべく湿っている状態を保つようにしましょう。
水やりの頻度は?
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冬眠明けのマット交換。
冬季のマット交換は不要です。
クワガタはほとんど活動していないので、エサで汚れることも排泄物で汚れることもなく、ダニやコバエも発生しにくいからです。
(暖房のある部屋で管理している場合は汚れている可能性もあります。)
ただし、湿ったマットを長期間放置するわけですから、必ず劣化はしています。
クワガタが活動を始めたら(昆虫ゼリーを食べる量が増えてきたら)マット交換をしましょう。
このときは越冬セットのようにマットを深く敷く必要はありません。(3~4cmぐらい)
エサを食べ始めるまでは無理に起こさない!
越冬明けのクワガタは非常にか弱い状態です。
冬にあいだ、身体の中の水分と栄養を使って生命を維持していたわけですから。
できるだけ掘り起こさずに自分から地上に出てエサを食べるまで待ちましょう。
越冬できずに死んでしまう個体もいる!
残念ながら越冬に入ったクワガタ全部が無事に春を迎えられるわけではありません。
なかには冬を越せずに寿命を迎えてしまう個体もいることでしょう。
とくに野生のコクワガタやヒラタクワガタは、活動を始めた年に寿命を迎えてしまうものも多いようです。
採集個体や産卵させたメスは、越冬できないこともあります。
最後に。
↑越冬明けのオオクワガタのオス
越冬できる国産クワガタの多くは、性成熟まで時間のかかることが多いです。
繁殖させるためには性成熟が必要です。
オオクワガタやヒラタクワガタは、羽化した年に産卵させるよりも越冬後に産卵させたほうが成功しやすく、産卵数も多い傾向にあります。
うまく越冬を使うことで、累代飼育も楽しむことができるのです。
なによりも大切に育ててきたクワガタが次の年も活動して、長生きしてくれると嬉しいですよね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
オオクワガタの越冬のしかた。
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