富樫倫太郎著【土方歳三 上中下】鬼じゃない副長の人間味が心に沁みる小説。

こんにちは。ケンスケです。

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私は最近は本を電子書籍で読んでいます。
充電さえ気にしていれば、タブレットや電子書籍リーダーで、本棚まるごと持ち運べる!

電子書籍リーダー

で、

電子書籍やネットショップで本を買えるのって便利ですよね。
作家のところにリンクが張ってあって、クリックするとその著者が執筆した本が一覧で出ます。

私が好きな作家さんのひとり、富樫倫太郎さん。
最初は「SROシリーズ」(警察小説)を読んだのですが、意外と歴史小説もたくさん書いているんですね。

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私が好きな幕末、新選組の小説もありました!

【土方歳三 上中下巻】富樫倫太郎 (角川文庫)

今回は私の好きな土方歳三の小説を紹介します。




『富樫倫太郎著【土方歳三 上中下】鬼じゃない副長の人間味が心に沁みる小説。』

こんな方に読んでほしい!
〇新選組が好きな方
〇土方歳三が好きな方
〇もっと幕末を知りたい方
〇「幕末」初心者
〇歴史を知りたい女性

それでは、レビューいってみましょう。

幕末・新選組初心者におすすめ。

初心者にもおすすめ

歴史時代小説というと

「漢字が多く、難しい言葉だらけで読みにくい!」

ってイメージありませんか?

確かに今とは違う時代なので、今では使わない言葉だったり、役職だったりで分かりにくい小説が多いですよね。

でも、この小説では「会話」が多く、しかも現代風になっているのでスラスラと読めてしまいます。

そして、富樫倫太郎さんの小説はあまり難しい言葉を使わず、複雑なところはうまいこと簡単にして物語が進行していくのでテンポよく読み進められるんです。

「幕末」って、いろいろな藩や思想や組織が出てきてほんっとに複雑で分かりにくいです。

本書では、徹底して土方歳三の目線で描かれていて、他の組織のことはほとんどなし。

幕末に詳しい方は、この辺が「物足りない!」というところかもしれませんが、主人公の目線で物語に入っていけるのでメッチャ読みやすい仕様になっているんですね。

それに!

敵味方がはっきりしている!

これ大事。

土方歳三のつまようじアート

土方歳三の目線で物語が進行するので、好き嫌いがハッキリしています。
基準は簡単。

「新選組に害をなすものは敵!」

「仲間を大事にする!」

分かりやすいでしょ。

思想や立場が複雑な幕末時代、いろいろな出来事を多角的にみるのもおもしろいのですが、ひとつの立場で徹底してみることで分かりやすい、読みやすい小説になっています。

なので、歴史に詳しくない子供や女性にもおススメできます。

土方歳三の生涯。

土方歳三の像

先ほども述べましたが、主人公は土方歳三。
歴史小説といっても今から150年ちょっと前のお話。
戦国時代とは違って記録もたくさん残っています。

なので、どうしても土方歳三や新選組の小説って似てきてしまうんですね。
作者のポリシーなんかもあるのかもしれませんね。
人によっては、記録も無視して全く違う展開にしてしまう方もいます。そもそも記録が不正確な場合もあるわけだし。

で、この小説。
楽しいのが実は、「壬生浪士組」として京都に行く前の物語。

佐藤彦五郎との絆
近藤勇との出会い
清河八郎との因縁
伊庭八郎と遊興
江戸での恋
などなど

みどころがたくさん。この時期はたぶん記録も少ないので作者も創造して思い通りに描くことができたのではないか、と思うのです。

この時期の「鬼」ではなかった時代の副長が活き活きと描かれている部分がおもしろいです。

江戸に行く前に歳三がよく暮らしていたのが佐藤彦五郎宅。

佐藤彦五郎新選組資料館。新選組の始まりと終わりが見られる場所!

誠の提灯

また、他の小説では結構サラッと描かれてしまうような場面もかなり詳しく描かれているので読みごたえも充分です。

印象に残っているのが、

山南敬助、伊藤甲子太郎、藤堂平助の性格。

ほとんどの小説ではうまく悪役にしきれていない感がありましたが、この小説ではどんな風に描かれているのでしょうか。

読んでみてのお楽しみです。

箱館時代の記述も多いのが特徴です。
戦闘についても描かれているのですが、もっとおもしろいのが一緒に戦う指揮官との交流です。

「鬼の副長」といわれた土方歳三が、登場人物たちと人間味のある会話を繰り広げます。
数でも装備でも劣る箱館軍で「常勝将軍」と呼ばれるようになるまでを描いているのもみどころです。

土方歳三という実在した男の生涯を追っていく、人間ドラマ。
新選組初心者の方も新選組ベテランの方も絶対に楽しめる小説です。

土方歳三の生涯に興味を持った方はこちらの記事もお読みください。

東京都日野市にある「土方歳三資料館」。新選組好きには絶対見て欲しい!

登場人物たちの魅力。

壬生寺

登場人物も魅力的です。
とにかく土方歳三からの視点なので、仲間はみ~んな魅力的に見えるし、敵役は憎らしく書かれています。

清河八郎はもう最初っから怪しさ満点で登場するし、沖田総司とのやりとりなんかはいつも微笑ましい。

私が気に入っているのは、

伊庭八郎。

伊庭八郎は土方歳三の悪友として描かれていて、新選組の面々とは違った「親友」。

新選組では「鬼」とよばれた歳三が外部の人に気を許すのは珍しかったに違いない。

などと勝手に妄想しながら読むのも楽しいです。

もう一人。

人見勝太郎。

登場する場面は非常に少ないのですが、魅力的に書かれている人物です。

もちろん、沖田総司や近藤勇との関係は良好です。
とくに沖田総司への思いは読者の胸を熱くするものがあります。
他の隊士たちとの関係も気になりますよね。

また、京都時代での恋。
主人公目線で物語に入り込んでしまうので、土方になったつもりでドキドキしちゃいますよ。

土方歳三を主役にした小説は数多くあります。

が、

作家によって、人物像の描き方や土方歳三との関係性に違いがみられます。作家さんの好き嫌いもあるのでしょうね。

だから、

どんな歳三が書かれているのか、他の人物はどんな風に書かれているのか、ついつい読んでしまうんですよね。

こちらの土方歳三もかっこいいですよ!

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ふるさと資料館にある土方歳三の絵

外伝も読みたい。

五稜郭

他の方のレビューでも書かれていますが、この小説は箱館時代を詳しく描いています。
ほとんどの小説が京都時代の新選組が中心になっているのですが、この小説のクライマックスはやっぱり「箱館」。

それもそのはず、作者富樫倫太郎さんは「箱館三部作」っていうのを書いているんです。

箱館売ります(2013年4月 中公文庫【上・下】)
松前の花(2013年6月 中公文庫【上・下】)
神威の矢(2013年8月 中公文庫【上・下】)

どれも土方歳三が主役なわけではないのですが、土方歳三が重要人物として登場します。

おもしろいです。
【土方歳三 上中下】とは、全く趣が違っている小説です。
なかなかファンタジー要素も入っていて楽しめましたよ。
土方歳三ファンなら読んでみたい小説です。

今度レビューの記事も書きたいと思います。

最後に。

読書

非常に長い小説なので、ボリュームは充分。
会話が多くて、さらに会話が魅力的なので読みやすくて、長編小説だけれど結構サラッと読み進められちゃいます。

悪ガキだった少年だった歳三。
近藤勇と出会って試衛館に。
試衛館時代の歳三。
京都で鬼の副長として活躍。
戊辰戦争での激闘。
箱館での人間、土方歳三。

土方歳三の生涯を読みたいならコレ!っておすすめできます。

土方歳三の小説では司馬遼太郎「燃えよ剣」もおもしろいです。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

土方歳三 上下
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