「本能寺の変」を知りたいあなたにおすすめの小説【信長の棺】加藤廣著

こんにちは!ケンスケです!

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昨日テレビを見ていたら、

「明智光秀は近江の国出身だった!」

という話題をやっていました!

みんなが知っている

「本能寺の変」

現代、いろいろな学者の方たちがたくさんの説を唱えています。

そんな中、

2005年に今から15年も前ですが、単行本と文庫本合わせて250万部も売れた

【信長の棺】加藤廣 著(文春文庫)

が刊行されました。

明智光秀イラスト

現代では多くの作家さんたちが、当時の状況を踏まえて、ホントにたくさんの説が出てきていますよね。

でも、昔、私が学校で習ったのは、

「天下獲りへの野望による犯行」
「信長への恨みによる犯行」

というような説が主だったように覚えています。

なので、当時私が読んだときに

「今までとは全然違う新しい説!」

って、感動したのを覚えています。

本能寺の変を扱った小説はこちらの記事でも紹介しています。富樫倫太郎【信長の二十四時間】読む前に知っておきたい4つのこと!

今となっては、もっともっと興味深い説もたくさん出ているので、目新しくは感じませんが、当時メッチャハマって一気に読み上げたのを覚えています。

現代になって読んでも充分おもしろい小説です。
戦国時代ファンなら絶対に楽しめる小説なので、ぜひ読んでみてくださいね。


『「本能寺の変」を知りたいあなたにおすすめの小説【信長の棺】加藤廣著』

信長の棺 表題

以下のことに興味がある方におすすめの小説です。
〇本能寺の変の時代背景!
〇明智光秀がなぜ本能寺の変を起こしたのか?
〇秀吉の本性。
〇信長の先見の明。
〇阿弥陀寺と織田信長。
〇本能寺の変後、信長はどこに?
〇桶狭間の戦いの真相は?

著者の加藤廣さんは、【信長の棺】を執筆したとき、なんと74歳!
残念ながら2018年4月に86歳で亡くなられてしまいました。
【信長の棺】以外にも、続編の【秀吉の枷】【明智左馬助の恋】など多くの作品を遺しています。
いずれもおもしろい小説です。また紹介しますね。

それでは、ネタバレなしでご紹介していきます!

★主人公は「太田牛一」

弓を持った武士

主人公の太田信定は、もともと柴田勝家の家来でした。
弓矢がうまく織田信長にその腕を買われて、直属に出世。

織田家と斎藤家との戦でも活躍します。信長に気に入られ、側近として書記を務めることになります。この時代に信長に関する記録をとり続け、後に信長の伝記本「信長公記」を執筆します。

「本能寺の変」が起きたとき、安土城にいましたが、戦乱を逃れ(加賀に蟄居)、後に豊臣秀吉に仕えることになります。
「本能寺の変後」は名前を「太田牛一」として、信長・秀吉・秀頼・家康などの伝記や軍記を執筆している実在したすごい人なんです。

本作のテーマは「信長の遺骸」なのですが、その謎解きをさせる人物として、この「太田牛一」を主人公とするんです。

太田牛一は信長の伝記「信長公記」を執筆した人物。さらに秀吉にも仕えて「大かうさまくんき」も書いています。
信長の天下布武から秀吉の栄華までを側近として間近で見てきた人物なんです。

作者の意図にピッタリな人物ですね。
本当にこの太田牛一が「信長の遺骸が消えた真相」を解くのに最適な人物なんです。

信長

信長や秀吉の側近だったので、織田家や豊臣家の内部事情に詳しく、顔見知りが多いのも謎解きには優利に働きます。

物語は、最初からいきなり「本能寺の変」当日から始まります。もうワケが分からないながらも、無理やり小説のストーリーに引きずり込まれる感じです。

戦国ものの小説というとどうしても戦闘シーンを想像してしまいますが、この小説には戦闘シーンは出てきません。
ですが、テンポのいい文章は読みやすくて臨場感があります。

この臨場感によって、歴史ものではあるのですが、現代ミステリーを読んでいるような感覚で読み進めることができました。

★信長の遺体の行方に迫る!

炎上した本能寺

明智光秀が本能寺を急襲した後、焼け落ちた本能寺跡を探すも信長と側近たちの遺骸がない!

秀吉の天下となった後も、秀吉は手を尽くして遺骸を捜索しますが、ない!

結局見つけられなかった秀吉は、「木像を焼いた灰」で信長の葬儀を取り仕切ることになります。

主人公の太田牛一は信長を慕い、「信長公記」の執筆に一区切りつくと消えた信長の遺体を探し始めます。

この謎解きがおもしろいんです。
謎を解いていくうえで、キーになるのが「上巻」の後半に出てくる女性。

ちょっと都合が良すぎて、できすぎな感は否めません!

着物の女性

でも、この女性が登場することで物語がさらなる広がりを見せてくれるようになるのです。
それに、物語に女性が登場するだけでなんとなく華やかな雰囲気を作り出すことにもなっているんですね。

で、この女性の登場シーン。
もう、最初に登場した場面から「なにかあるな!」って思わせてくれるような演出です。

彼女が何者であるかは、物語の核心にも迫ってしまいそうなので、これ以上は書きません。

読んでみての「オ・タ・ノ・シ・ミ」です。(おもてなし風に言ってみました。)

★「本能寺の変」前後の登場人物たちの行動

敵は本能寺にありー石碑

話は戻って、「本能寺の変」にさかのぼります。
本書の「あとがき」にもあるのですが、「本能寺の変」前後に怪しい動きをしている人物が何人かいます。

明智光秀(本能寺の変を起こした張本人)
羽柴秀吉(異常な速さで中国地方から帰ってきた)
徳川家康(本能寺の変直後に疾風のごとく三河へ)
近衛前久(公家。本能寺の変後、秀吉に追われて家康の元へ)
里村紹巴(歌人。事件当日、二条付近で誠仁親王・若宮和仁親王を保護)
読む前に一度整理しておきましょう!

〇明智光秀。

光秀の像

愛宕山で行われた連歌の会の間に何者かと密会していた形跡がありました。

さらに、本能寺の変直後、信長の遺骸の捜索は家臣の明智秀満に任せ、自分は近衛前久を探していました。

〇羽柴秀吉。

本能寺の変が起きたのは高松城で水攻めをしている最中。
毛利軍の援軍が迫っているのに、電光石火で毛利と和解。
「中国大返し」で光秀討伐に成功します。

よく言われていることですが、「本能寺の変」が起きるのを知っていた可能性も考えられますよね。

〇徳川家康

武田家を滅亡させ、駿河・遠江を安堵させてもらうことになった家康は、安土城に信長から招かれていました。
が、事件前に大阪に移っています。堺衆の今井宗久や津田宗及と茶会を開いていました。今井や津田は堺の豪商。密談でもしていたのでしょうか。

さらには、茶屋四郎次郎(京都の豪商)は家康と親しい間柄。
茶屋四郎次郎は愛宕山近くに別荘を持っていました。
愛宕山は「ときはいま・・・」が詠まれた連歌の会が行われた場所!

しかも、「本能寺の変」後、近衛前久は徳川家康の庇護を受けています。

ただ、「伊賀越え」といって、光秀に命を狙われて自刃しかけたが、うまく自国へ逃げ帰ったのが事実とすると、ただ巻き添えを食っただけなのかもしれませんね。

〇近衛前久

愛宕山の百韻の会にも参加しています。正親町天皇と信長の間で交渉をしていた人物。
物語の中では、「本能寺の変」後、光秀からも秀吉からも逃げている超怪しい動きをしている人物です。

〇里村紹巴

この人も愛宕山百韻の会に参加。
物語中では、本能寺の変直後、二条にある織田信忠(信長の子、跡取り)本陣で、誠仁親王・若宮和仁親王の避難を助けています。

「本能寺の変」を事前に知っていたのではないか、と疑わしい人物です。

★阿弥陀寺の清玉上人

清玉上人のイメージ

阿弥陀寺は清玉上人が開きました。
実はこの清玉上人。織田家で育てられました。清玉上人が産まれてすぐに母親が亡くなり、織田家の養子として信長とともに育てられていたんです。

織田家に恩義がある清玉上人は、阿弥陀寺を織田家の菩提寺としました。

が、

信長はキリスト教の影響を受け、南蛮寺へと傾倒していきます。

資金繰りに困った清玉上人は、薬草を育てて武士、農民、町民分け隔てなく、施しをしていました。

そして「本能寺の変」

事件直後、清玉上人は本能寺へと駆け付けます。
明智軍の許可を得て、戦死した人々を阿弥陀寺で供養します。

それが、天下をとった秀吉に睨まれる結果になるのです。

清玉上人は太田牛一とどのように関わっていくのかもお楽しみですね。

信長の墓は、いろんなところに存在します。この清玉上人の阿弥陀寺もその一つ。
京都に行ったら一度訪れてみたい場所ですね。

★安土城の秘密

安土城跡

長年、信長の側近として仕えていた牛一は、時代を切り開いていく姿を間近で見ていました。

次々と先進的なことを思いつく信長。
信長は簡潔に物事をいう人物。
当然ながら周りは理解してくれません。
時には、朝廷にさえも遠慮せずに意見を言う。

まぁ、その結果、朝廷からは嫌われてしまうことに、、、。
さらには周囲の理解が得られないと癇癪を起してしまう癖も。

こんな姿を牛一ら側近たちは、近くで見ていたのです。

そして、安土城。

実は、牛一は「本能寺の変」直後、安土を脱出するときに安土城の見取り図を託されていたのでした。

この見取り図の謎は、物語でほぼ出てきません。
で、いつ出てくるのかというと

最後!

これは、安土城の秘密として最後の最後に出てくるので、決して忘れないようにしておいてくださいね。

安土城の見取り図と牛一が見ていた信長。
ただ豪華絢爛なだけではなかった安土城の設備も物語の最期に解き明かされるのが、みどころのひとつです。

★秀吉の裏の顔

秀吉イラスト

牛一が信長の生涯を調べていく中で浮上してきたのが、

「桶狭間の戦い」

桶狭間古戦場

織田信長が今川義元を破って、天下取りの第一歩を踏み出したこの戦いに牛一は疑問をもちます。

さらには、後に信長から山陽地方の攻略を命じられた秀吉。山陰地方を任された光秀。

快進撃を続ける秀吉と困難な地形に阻まれてなかなか進軍できない光秀。

信長に信頼され、家康の接待を任される光秀。毛利との戦いに苦戦して信長に援軍を要請する秀吉。

牛一は調査の過程で、ひょんなことから秀吉の出自も知ることになるのです。

そしてそして・・・、秀吉の死とともにミステリーはクライマックスへと向かいます。

さて、牛一は信長の遺骸(遺骨)と対面できるのでしょうか。

★謎解きはちょっと強引

現在の本能寺

歴史ミステリーとして、信長の前半生、信長の遺骸が見つからない謎解きを主題として、太田牛一が推理、検証して進んでいく物語。

読んでいてかなりおもしろいです。
「本能寺の変」の真相は、本書以前では、

光秀の野望説
信長への怨恨説

が主流でしたが、【信長の棺】以降は違う見方がたくさん出てきて、それらを知るだけでも非常に興味深いです。

 

福知山城

【信長の棺】では、多方面から本能寺の変を見つめる検証がなされています。

でも、主人公は太田牛一ひとりのみ。
信長の側近だったこともあって、なかなかに広い見聞を持っています。

ただし!

「本能寺の変」や「信長の遺骸」のミステリーはつじつまが合っていておもしろいのですが、そのアプローチの過程がちょっと強引に都合よく感じました。

あまり内容に触れたくはないのですが、

途中から出てくる人物が謎解きのカギを握っていること
その人物からの展開がトントン拍子に進むこと

現実主義で書かれている小説なので、少しだけ違和感を感じましたね。
まぁ、ミステリーの真相自体はすごくおもしろいので、あまり気にならずにテンポよく読めてしまいます。

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清州城とタイトル

★本能寺三部作の他の作品も読みたい。

本とメガネとコーヒー

続編の二作目【秀吉の枷】、三作目【明智左馬助の恋】も続きます。文庫本でそれぞれ上巻・下巻あるので全部で6冊。
厚さも結構あります。

続編ですが、それぞれ単独でも読める仕様になっています。
でも、せっかくだから【信長の棺】を読破してから読んでほしい作品です。

【信長の棺】を読んでからの方が断然おもしろく読めるのです。

「本能寺三部作」となっていますが、主題は本能寺の変ではありません。もちろん、「本能寺の変」は関係していますが。

私は【信長の棺】【秀吉の枷】でちょこちょこ出てくる「明智左馬助」という人物が気になって仕方ありませんでした。

そこで出てきた三作目!
【明智左馬助の恋】

左馬助が主人公!キタァー!

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明智左馬助の恋アイキャッチ

実際、読んでみると「明智左馬助」カッコいいです。
調べていたら【利休の闇】という作品も出てきました。
私はまだ読んでいないので、早く読もうと思います。

読みました!おもしろいです。おすすめです!

千利休と秀吉の関係が変化していく過程がよく分かる小説【利休の闇】

★最後に。

読書する女性

信長の遺骸の行方はどこに?
光秀はだれかに操られていたのか?
秀吉はどうやって中国大返しを成功させたのか?
家康は関与していたのか?
信長が目指していた社会はどんなものだったのか?

などなど、歴史好きにはたまらないミステリーが詰まったこの小説。
読んでみたくなりましたか?

もちろん小説なので

フィクション

です。

でも、ノンフィクションのように読めるからおもしろいんです。

後から記者が取材するような仕様で描かれた小説に【壬生義士伝】がありますね。
【永遠のゼロ】という小説もそうだったような。名作が多いですね。

主人公と一緒に謎を解いていく気持ちにさせてくれるので、物語に入り込めるんですよね。

ぜひ、あなたもこの本を読んで「歴史の目撃者」になってみませんか?


続編【秀吉の枷】の紹介記事はこちら!

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信長の棺 表題
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