【カブトムシ】飼育マットの選び方。産卵・幼虫・成虫で使い分けよう!

こんにちは。ケンスケです。

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カブトムシを飼育するのに多くの人が利用しているのが、

「マット」(土)!!!

でも、

マットの種類ってたくさんあってどれを使っていいか分かりにくいですよね。

今日は、カブトムシの成長ステージに応じてどんなマットが適しているか解説していきます。

『【カブトムシ】飼育マットの選び方。産卵・幼虫・成虫で使い分けよう!』

カブトムシのライフサイクルを理解しておくとマット選びにも役立ちますよ。

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発酵マットの種類

マットの種類

一般的に売られているカブトムシやクワガタの飼育で使われるマット(土)は、木や枯葉を発酵させてつくられています。

飼育用マットはその発酵具合に応じて、いくつかに分けられています。

発酵具合が浅いほど明るい色をしていて、発酵が進んだものほど黒っぽい色になります。

カブトムシの幼虫に適したマットは広葉樹(クヌギ・ナラ・ブナなど)の完熟マット二次発酵マット
少し粒子の小さいものを選んでおけば、成虫・産卵・幼虫どのステージでも利用できるので便利です。

未発酵マット(生オガ)
生木を粉砕しただけのマット。
主にカブトムシやクワガタの成虫飼育や自家製マットづくりに使われます。
一次発酵マット
シイタケなどのホダ木や朽ち木、枯葉に添加剤を入れて、短時間発酵させたもの。
朽ち木に産卵するクワガタの幼虫や産卵セットの埋め込みマットとして使われることが多いです。
明るい茶色をしています。
二次発酵マット
一次発酵マットより長期間発酵させたもの。
クワガタの幼虫飼育やカブトムシの幼虫にも広く利用されます。
黒っぽい茶色をしています。
完熟マット(高発酵マット)
再発酵しないぐらい長期に発酵させています。
国産カブトムシや外国産のカブトムシの飼育によく使われます。
ほとんど再発酵しないといわれていて、より黒っぽい色をしています。

ちなみに、完熟マットと高発酵マットはほとんど同じ意味で使われています。ここでは、「完熟マット」と書いていますが、「高発酵マット」と考えていただいても差し支えないと思います。

★「なにを発酵させているか?」によっても細かく分類されます。

針葉樹マット
スギやヒノキの木材を粉砕してマット状にしたもの。
ダニやカビ、ニオイを抑えるので主に成虫用に使われます。
幼虫飼育には適しません。
広葉樹マット
広葉樹の朽ち木を粉砕して、マット状にしたもの。
そのままだと「未発酵マット」、発酵具合に応じて「一次発酵マット」「二次発酵マット」「完熟マット」に分けられます。

発酵マットは、発酵する過程でニオイが発生するので、開封してすぐはニオイが強いものが多いのが特徴です。

腐葉土
枯葉や朽ち木などを発酵させてつくられた土。
園芸用に作られたものをカブトムシ飼育にも流用したり、自家製マットを作るときに利用したりします。
カブトムシには防虫剤や肥料が入っていないものが使われます。

さらに各メーカーによって、栄養となったり、発酵を促進させる添加物を加えて独自の発酵マットをつくっています(カブトマットと呼ばれる)。

他にもキノコの菌床となるものを砕いた「きのこマット」などもあります。

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マットの発酵とガス抜き

マットのガス抜き

自然の中で枯葉や枯れ枝、倒木などは、虫やミミズによって食べられたり、細かくされたりします。

さらにそれらをキノコや微生物が分解して、土に帰っていきますよね。

これらの過程が「発酵」

で、この「発酵」が起きると発生するのが、

熱とガス(と水分)

有機物が分解される過程で発生します。

これがカブトムシを飼育している容器の中で多量に発生してしまうと生体に悪影響を与える恐れがあります。

そこで必要なのが「ガス抜き」!
マットを空気にさらす作業です。

ガス抜きの方法。
①大きめの容器にマットを広げます。
②霧吹きなどで少しだけ加水します。水分量は全体的にシットリするぐらいでOK。
③水分量が均一になるぐらいかき混ぜる。
④2~3日風通しのいい場所で放置。(ガスが発生して匂いがすることがあるので屋外のほうがいい。雨に濡れないように注意)
⑤1日ぐらいで再度かき混ぜるといい。

必ず再発酵が起きるわけではありませんが、大切なカブトムシを守るためにやっておいた方がいいでしょう。

開封してニオイが強いものも「ガス抜き」をすることで、あまり気にならなくなるぐらいまでにはなります。

「ガス抜きが面倒だ!」という方は、市販されている製品に

「ガス抜き不要」
「そのまま使える」

など記載されている商品を選ぶと便利です。

また、「完熟マット」(高発酵マット)は、長期間発酵させているので、再発酵しにくくなっています。

マットの保管方法

マットの保管方法

飼育用マットは「ガス抜き」作業が必要になるので、多めに手元に置いておきたいですよね。

さらに、飼育ケースの関係で購入した飼育マットが余ってしまうこともあります。

そんなときの保管方法も気を付けたいポイントがあります。

〇密閉する!
〇高温多湿をさける!

密閉する!

飼育マットは、昆虫飼育に適したものだけあって、カブトムシ以外の虫にも快適。
コバエや線虫、ゴキブリなどの雑虫が入り込まないように密閉して保管しましょう。

高温多湿を避ける!

飼育用マットは、高温や湿度が高いほど再発酵しやすいです。
とくに一次発酵マットや二次発酵マット。
高温多湿はカビも生えやすくなるので、なるべく温度と湿度が低い場所に密閉して保管しましょう。

カブトムシ飼育に適したマットとは?

カブトムシの成長時期に応じても使えるマットは違います。
なので、ここでは成長時期別に分けてどのマットが使えるのかをみていきましょう。

成虫の飼育用マット

針葉樹マットがおすすめ

針葉樹の粉砕マットがおすすめ!

ですが、

成虫を飼育、観賞するだけの目的であれば、

どの飼育マットも使える!

成虫の飼育において、マットはそれほど重要視する必要はありません。
幼虫飼育で余っているマットがあればそれを流用するのもアリです。
(ただし、使い古したマットはダメです。衛生面で、ダニやカビが発生しやすくなっているためです。)

キッチンペーパーで代用している人もいます。

カブトムシの成虫は活動期間中はかなりの量のエサを摂取します。その分、排泄物も多いです。さらに、ケース内でエサをひっくり返すことが多いので、マットがすごく汚れやすいのです。

そのため、頻繁なマット交換をする必要があります。
なるべくマットは薄めに敷いて、価格も安いものがおすすめです。


ということで、今回成虫飼育おすすめするマットは針葉樹を粉砕したマット
防ダニ・防カビ効果があるので、ニオイも抑えやすいです。(値段も手ごろ。)
発酵マットは、やっぱりニオイも気になりますからね。

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産卵用のマット

産卵用マット

カブトムシを産卵させたいときの成虫飼育のマットになると少し限られてきます。

しっかり産卵させたいならやっぱり、

粒子の細かいもの(完熟マットが◎)!

カブトムシのメスはマットに潜って産卵します。
この時「卵室」という小さい空間をつくってそこに卵を産みつけます。
2週間ほどで孵化すると、赤ちゃん幼虫は周囲のマットを食べて大きくなります。
自然界でもカブトムシのメスは、幼虫が成長できる環境に産卵するので、飼育下でもその環境を再現してあげることが必要なんですね。

メスカブト

そこで、小さい幼虫が食べやすい粒子が細かい完熟マットを用意してあげましょう。
迷ったときはマットの説明書きに「カブトムシの産卵」に使えると書いてあるものを選びます。

ポイントは「粒子の細かいもの」です。
メスも潜りやすいし、孵化した幼虫も食べやすいためです。
また、「卵室」も維持しやすいことも考えられます。

通常の完熟マットを「ふるい」にかけて使うのもアリです。
面倒な方は、少し高価ですが「カブトムシ産卵用マット」を購入するのがいいですね。


卵~2齢幼虫に適したマット

 

カブトムシの卵

完熟マットの微粒子が最適!

無事に産卵に成功した人は、幼虫飼育が始まります。
この時大事なのが、幼虫の大きさでマットの粒子の大きさが変えること。

卵からふ化したばかりの幼虫はホントに小さいです。丸くなった直径で2~3mmぐらい!
やっぱり粒子が細かい方が食べやすくて、消化もしやすいはず!

小さい幼虫

 

通常の完熟マットを「ふるい」にかけたり、「微粒子マット」を選びましょう。

基本的にカブトムシはある程度までの環境変化にも強い生き物。
ですが、どうしても小さいうちは弱いのです。

マットをどんどん食べさせて早めに成長させてあげれば、少しの環境変化にも動じないぐらいに丈夫になってくれます。

カブトムシ飼育でのマットの「水やり」。こちらで解説しています。

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2齢後期から3齢幼虫(ある程度育ったら)

完熟マットがおすすめ

普通の完熟マットでOK!

カブトムシが卵からふ化してから、1~2か月ぐらい経って幼虫の大きさが直径3㎝を超えてきたら、粒子の大きさもそれほど気にする必要はありません。

どんどんマットを食べて、さらに大きくなる時期なので、フンが多くなったり、マットの量が減ったら頻繁に交換してあげましょう。

この時期は幼虫を大きくする時期なので、カブトムシを大きくしたい場合は、成長を促進させる添加物の入ったマットを使用するのもいいかもしれません。


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カブトムシの2齢幼虫

3齢後期から蛹・羽化まで。

三齢幼虫後期

だいたい年間でいうところの3月から4月ごろですね。
この時期には幼虫飼育のクライマックス「蛹化」を視野に入れておきます。

【羽化不全】はマットの影響もかなり大きいので重要です。

ずばり!

普通の完熟マットでOK!

「え、微粒子じゃなくてもいいの?」

と思うかもしれませんが、大丈夫!
乾燥しすぎや加水のし過ぎに気を付ければ、あまりこだわる必要はなさそうです。

うまく蛹室を作ってくれることを期待しましょう。

ただし、あまりに木の繊維や固まりが大きな場合は取り除いておくようにしてください。
蛹室の壁がデコボコだと羽化不全の原因になるため


私は普段はこのマルカン【バイオ育成幼虫マット】を使用しています。

粒子も細かく、フワフワで、ニオイも少ない、雑虫の混入も少ないです。産卵セット、初齢から羽化までの時期にも広く利用できます。

カブトムシもけっこう大きく育ちますよ! (値段も手ごろです)

マットに「朽ち木」!

産卵材

幼虫を飼育しているマットに朽ち木を入れておくと、好んで食べます。
成長にどれぐらい関与するのかは謎ですが、よく食べるのは事実です。

もちろん入れないでも普通に育ちます。充分に加水してから入れるとよく食べてくれます。

マットを固めたバイオくち木】という商品もあります。


私も入れてみたことがあるのですが、

「確かに少し大きく育ったような・・・・?」

感じでした。(【バイオくち木】は加水しないで入れます。

あまり高くない商品ですから、入れてみて検証してみてください。

最後に。

成虫のケースから出てきた卵

いろいろと書いてみましたが、カブトムシの幼虫は基本的にほとんどのマットで成長します。(針葉樹のものを除いて)

私はマルカン【バイオ育成幼虫マット】を使用しています。

カブトムシ飼育のベテランたちは発酵マットを自作していたり、複数のマットをブレンドしたりしていますね。

カブトムシを大きくするのにみんな夢中です。
子供たちだけじゃなくって大人も一緒に、研究しながらできる趣味って素晴らしいです。

ちなみに私は小さいカブトムシも好きです。
夏の終わりごろに採集に行くと、メッチャちっちゃいカブトムシが取れたりします。

「遅れてきたカブトムシ」みたいな感じです。

飼育下のカブトムシってけっこう大きく育つのですが、自然で育ったカブトムシは大きかったり小さかったり。
環境によって左右される証拠ですね。

それでは、「カブトムシ飼育」がんばりましょう!

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